50歳から若返るための1分間「腸」健康法 藤田 紘一郎 (著)

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50歳から若返るための1分間「腸」健康法 – 老化を防ぐ決め手は“腸活”です! – (ワニブックスPLUS新書)

腸のありがたみを知らない人が脳をボケさせる

私たち人類の進化史をたどっていくと、腸だけで生きている腔腸動物にいたります。

腔腸動物はさまざまな生物へと分化し、その過程で腸も高度な分化をとげました。働きに応じて、多種多様な臓器をつくり出していったのです。

脳も腸から分化した臓器の一つです。脳には大量の神経細胞があり、身体各部に働きの指令を出していますが、その神経細胞も、もともと腸に存在していたものです。

今も人の腸では、大脳に匹敵するほどの神経細胞が働いています。

さて、人間の脳が他に類を見ないほど高度に発達した背景には、腸内細菌の存在があったことを、私たちは知っておかなければいけません。

イギリスの人類学者、L・アイエロとP.フィーラーらの研究によれば、胃腸の縮小化と脳の増大化は、トレードオフ(差引関係)にあるといいます。

「腸ー脳トレードオフ」と呼ばれる学説です。

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動物の腸の長さは、何をエサにするかによって違ってきます。肉食のライオンの腸の長さは体長の4~5倍ですが、牛や羊の腸は体長の約20倍もあります。

この違いは、アミノ酸の生成速度に関係しています。腸に入ったたんぱく質は、小さな粒子であるアミノ酸に分解されます。

アミノ酸は体の組成に使われる重要な栄養素であり、命の源です。

このアミノ酸の獲得方法によって腸の長さは違ってきます。肉食動物は、他の動物を捕食してたんぱく質を直接得ます。

よって、アミノ酸の生成に時間がかかりません。だから、腸は短くてよいのです。

一方の草食動物は、植物に含まれる食物繊維を腸内細菌に発酵してもらい、それによって生じるアミノ酸を体内に吸収します。

腸内細菌による発酵には時間も場所も必要でのは、腸内細菌の働きにアミノ酸の生成を頼ってす。

草食動物の腸が肉食動物より長いからです。人間は肉も植物も食べる雑食動物です。人類の祖先は、500万~700万年前にチンパンジーとの共通祖先から分かれました。

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そのころの人類は、強靱なあごを持ち、植物性のものから大半のエネルギーを得ていました。よって、長い腸をしていました。

ところが、約230万年前ごろに「ホモ・ハビリス」という人種が発生します。彼らは、肉食獣が残した動物の死骸を解体して食べるようになりました。

この時期から人類は肉食に傾きました。肉食を増やすことで、胃腸の働きを軽減させたのです。

多種多様なものを食べるようになった人類は、同時に多種多様な細菌を腸にすまわせることに成功しました。

豊かな腸内細菌叢と肉食のおかげでアミノ酸の生成効率がよくなった人間の腸は短縮されます。

それまで膨大な量の血液が腸に回されていましたが、腸が短くなった分、血液に余裕が生まれます。

その余剰分が、脳に回されました。

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これによって、人類は脳をどんどん大きくしていったのです。

同じ霊長類のゴリラは草食傾向の強い雑食ですが、腸内細菌が非常に少ないため、長い腸のままです。

だから栄養を得るために一日中食べていて、腸にできるだけ多くの血液を送る必要があり、脳を大きくできなかったのです。

人類の脳を発展させた立役者は腸内細菌であり、今も脳の健康を支えています。

ボケたくないなら、一日1分、おなかにいる腸内細菌に思いを馳せ、そして腸内細菌たちを大事にすることです。

海苔を1枚食べる習慣が脳を救う

アルツハイマー病は脳細胞が変性や萎縮を起こし、記憶障害や判断力の低下などをもたらすタイプの認知症です。

脳内にたまったたんぱく質のゴミが発症の原因になっていて、患者さんの脳にはシミがたくさん見つかります。

このゴミたんぱくをつくるのも、脳にシミという色素沈着をつくるのも活性酸素なのです。

つまり、認知症を遠ざけるには、脳が活性酸素の害を受けないように気をつけることが大事だとわかります。

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活性酸素は、他者から電子を奪うと、自分は安定し、無毒化します。

そうだとするならば、活性酸素が脳細胞を攻撃する前に、これと結びついて活性酸素を消し去ってくれる物質を体内にたくさん補っておけばよいことになります。

小学校のころの理科の授業を思い出してください。

酸素は水素と結びつくと水になります。水素はとても抗酸化作用の高い物質です。

このためにこそ、腸内細菌の働きが必要です。腸内細菌は、水溶性の食物繊維を発酵させる過程で、水素を発生させます。

多種多様な細菌が数多くすむ腸ほど、水素の発生量も多くなるのです。

私は、認知症の予防策として、毎日海苔を食べています。海苔は約40%が水溶性の食物繊維です。

正方形のあの海苔を1枚(3g)食べるだけで、1.2gもの水溶性食物繊維を摂取できます。

食事の際や小腹が減ったときなど、海苔をパリパリと食べることでも、認知症を遠ざける対策になるのです。

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