公害物質の処理に、腸内細菌が大いに関係している

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森下敬一 健康談話 より

━■健康談話■━

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 月刊誌「森下自然医学」掲載 「温故知新」から引用

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腸内の常在細菌
森下敬一 健康談話 より ━■健康談話■━  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 月刊誌「森下自然医学」掲載 「温故知新」から引用 腸内の常在細菌 公...

今、騒がれている種々の食品公害問題も、この腸内細菌の問題を度外視して論ずるわけにはいかない。

公害社会になって、だれの体にも一様にいろいろな公害物質が、いろいろな形で入りこんできている。

だが、それら公害物質の体内蓄積量は、個人個人みな違う。

個体差がかなり大きいのは、公害物質の処理に、腸内細菌が大いに関係しているためなのだ。

具体的な公害問題と関連させて、バクテリアの存在価値をここで考えてみよう。

以前にチクロという人工甘味料があった。

これは、発ガン性があるということで、使用禁止になったものであるが、一時はいろいろな食べものに混入されていた。

ある体操研究所では、飲み水に砂糖を入れる代わりにチクロを入れ、やせるための効果を上げようとしていたと聞く。

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全く無知とは恐ろしいものだ。

このチクロは、腸内細菌の働きが十分でない状態、すなわち乳酸菌が少なくて、大腸菌とか、クロストリジウムなどが多い状態においては、これらの菌の作用でチクローヘキシールーアミンという発ガン物質に変る。

また発色剤として、ハム、ソーセージなどの色を鮮やかにしている亜硝酸と言う物質があるが、これも同様の条件下で、腸内でニトロソアミンという発ガン物質に変る。

けっきょく、食品添加物が有害であるかどうかを決める最終的な条件は、腸の中で共生している腸内細菌の性状である、といえよう。

むろん、食品添加物そのものは有害だ。有害ではあるけれども、それが誰にでも同様に有害かというと必ずしもそうではなく、有害性を左右する基本的条件は、腸内細菌の働きいかんであるということである。

したがって、食べものに含まれる有害物質のことだけを論じていたのでは問題の解決にはならない。

体内に入って、それはどのように処理されるかということまでをも考えていかなければならない。

そのためには、どうしても腸内細菌の働きを無視できないのである。

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もう一つ、新たな認識をもってもらいたいのは、われわれの体内で常時分泌されている胆汁色素も、腸内細菌の状態が狂うと、発ガン物質に変っていく危険性があることだ。

このように公害という問題も、結局は我々の体で、公害物質をどの程度スムーズに処理できるかという自衛体制に帰するといえる。

やたらに公害物質を神経質に恐れる必要はないのであって、それより前に、自分の体の自衛体制を整えてかかることが重要であろう。

基礎的な健康食品

以上、述べてきたことをふまえて、脱公害食品についてあげてみよう。

腸内のバクテリアの働きを正常に調整し、しかも肝臓、腎臓などの働きを強める効果のある食品は自ずから限定されてくるが、その代表的なものは胚芽、葉緑素、酵素である。

特に酵素というのは、今述べたような腸内の微生物に直接作用して、乳酸菌を増やし大腸菌、クロストリジウムなどを減らしていく作用をもった食品である。

その他の脱公害作用のある健康食品としては、朝鮮人参、ローヤルゼリーなどがあげられる。

朝鮮人参は、薬用植物の中でも最もよく知られているものであるが、その効果はめざましく、とくに現代人の体質的な欠陥を補い、本来の健康を取り戻す優れた特性をもっている。

ニンジンの主成分は、配糖体であるサポニンで、このサポニンの代表的なものにパナキシンとパナキロンがある。

パナキシンには保温効果があり、パナキロンには低血圧作用、低血糖作用、利尿作用がある。

また一般に、朝鮮人参には強い興奮作用があることが知られているが、ニンジン特有のにおいであるパナツェンには鎮静作用、催眠作用などもある。

なお朝鮮人参には、制ガン効果さえあるということで、最近注目されているゲルマニウムも、多量に含まれていることが明らかにされている。

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ローヤルゼリーは女王バチの食べもので、女王バチに他のハチにない様々な特性を生み出させているものだが、我々仲間にも、数々の薬効を発揮してくれる。

主な成分は蔗糖、果糖、ブドウ糖などの糖分に、蛋白質、脂肪、ミネラル、水分などを含み、特に蛋白質の素材であるアミノ酸は、リジン、グリシン、セリン、グルタミン酸、メチオニン、アラニン、アスパラギン酸など、人体に必要な成分をことごとく含んでいる。

ビタミンの種類も、B1、B2、B3、葉酸、イノシトール、パントテン酸、ビオチンなどと多彩で、まさに天然総合ビタミン剤といえよう。

この他に、特殊成分としてアセチルコリンをもっていることも注目すべきである。

この物質は、神経系の刺激伝達の橋渡しとしてなくてはならないもので、人体の生理作用においては重要な役割を果している。

このローヤルゼリーの薬効は、まず胃潰瘍、慢性胃炎、胃アトニーなどの胃腸病。

及びアレルギー体質、貧血症の根治に特効があり、また整腸作用、血液浄化作用、抗ストレス作用、さらに若返り作用も著しいものである。

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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