健康住宅革命―健康住宅革命「木」と「漆喰」を見直す 船瀬 俊介 (著)

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健康住宅革命―健康住宅革命「木」と「漆喰」を見直す

まえがき

イギリス一四〇年、アメリカ一〇三年、フランス八六年……日本二五~三〇年。住宅の“平均寿命“の比較です(環境省「地球環境局パンフ」より。三一ページ参照)。

同じ木造住宅なのに、日本の家の耐用年数のあまりの短さ、お粗末さにあぜんとします。

これでローンが三五年なら残りの五~一〇年はホームレス!もはやブラックユーモアどころではない。

ある建築会社の社長は、こう、のたもうたそうです。

「……欧米にくらべて日本の住宅もツー・バイ・フォー(2X4) である。なぜなら価格は二倍、寿命は四分の一。だからツー・バイ・フォー!」

もはや、怒る気力も失せます。つまり、日本人は欧米より八倍も高い“豪邸”(?)を買わされている計算になります。

しかし、業界関係者によれば「これでも寿命が延びたほう」というから呆れ果てる。

戦後一時期、熱病のように全国的に流行った。プレハブ住宅の寿命は、なんとたった六~九年。さらに、北海道の住宅寿命は平均二〇年と聞いて天を仰ぐ。

戦前の日本の家なら一〇〇年、二〇〇年もってあたりまえでした。わたしの九州福岡の実家は築約一〇〇年。堂々たる柱、梁の田舎家造り。

訪ねて来た専門家は極太の欅一本柱の大黒柱を撫でつつ「この家あと一00年かるく持つバイ」と首を振った。

それにくらべて戦後の建売住宅やハウスメーカー住宅は、ペラペラ貧弱虚弱であまりに短命です。わずか二〇~三〇年足らずで腐り住めなくなる家は、まぎれもなく“欠陥住宅”です。

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ある建売業者は、悪びれることなく、わたしにこう言い放った。

「風呂や台所など水回りは六~九年で“腐る”ように作ってますからねぇ……」

つまり、“かれら“は確信犯なのです。なのに、日本の消費者は、だれひとり怒らない。

そこにハウスメーカー営業社員が、笑顔と、もみ手でやって来る。

「……そろそろ建て替え時でございます」

「あら、そうねぇ……」と、呆れも怒りもしない。

日本の消費者のアタマの中身はどうなっているのでしょう?これを“洗脳”というのです。日本のマスコミの巨大スポンサーは大手ハウスメーカーです。

全国的に大々的にCMしている“xxハウス”の寿命が、イギリスの六分の一、アメリカの四分の一などとは口が裂けても言えません。書けません。

戦後六〇年近く、独裁政権を保ってきた自民党の巨大スポンサーも大手建設会社です。

日本の住宅寿命が欧米より極端に短い“欠陥住宅”であることを国民にひた隠しにしてきました。

かれらにとって、住宅寿命が短いことは、じつに都合がよかった。耐用年数が二五年なら一生の間に三回も建替えさせることができる。

これほど美味しいビジネスはない。イギリス並みの耐用年数の家を建てると住宅需要はいっきに五分の一以下に冷え込んでしまう。

だから、わざと“腐る”ように設計・施工して、約二五年で住めなくする。それが戦後一環して政府の“住宅政策”であり、業界の“営業方針”であったのです。

まさに知らぬは消費者、国民ばかりなり……。それでもあなたは怒らないのですか?

結論からいいましょう。

戦後の日本の家を「短命化」させた最大のA級戦犯は、大手ハウスメーカーです。

その背後に戦勝国アメリカが控えています。そのアメリカを支配しているのが石油メジャー(巨大資本)なのです。

その占領政策の一つが「日本人に木で家を建てさせるな!」「石油で家を建てさせろ!」だったのです。

「石油で家が建つのか?」と首をひねられるでしょう。それが建つのです。

石油は合成化学物質に化け、それは“新建材”に化けました。

その代表がプラスチックで、四番バッターが塩化ビニールクロスでしょう。かくして戦後日本の住宅は、化学物質だらけの“化け物”住宅と変貌したのです。

表面は一見こぎれいにピカピカツルツルしていましたが、その中身には五〇〇種類近い有毒化学物質が潜んでいたのです(『建築に使われる化学物質事典』風土社、参照)。

その多くの毒性を一瞥、めまいがします。

「中枢神経毒性」「発ガン性」「目・皮膚・気道を刺激」「意識低下」「けいれん」「めまい」「頭痛」「吐き気」「意識喪失」「嘔吐」「造血障害」「肝臓障害」「免疫障害」「変異原性」・・・・・(同書)。

たった一つの健在用化学物質(ベンゼン)でも、これだけの毒性があるのです。一目で猛毒であることがわかります。

そのような毒物が数百種類も、ハウスメーカーなどの新築住宅で使われてきたのです。

これら化学住宅は一軒建てるのにドラム缶約一杯分の有毒接着剤を使っていた、という。

こんな“毒の館”に住めば心もからだも狂うのはとうぜん。

しかし、政府もハウスメーカーも素知らぬ顔で平然としたものです。

大手ハウスメーカーは、石油化学メジャーの忠実な下僕でした。

だから、社名に「化」の字がつきます。積水化学、旭化成…などなど。これらハウスメーカー住宅はシックハウスの巣窟でもあった。

ある老夫帰が新築住宅を建てたが目がチカチカして呼吸が苦しく玄関から中に入れない。ハウスメーカーに連絡すると「係の者を伺わせます」。

喜んで待っているとアタッシュケースにスーツ姿の二人連れ。差し出した名刺は「顧問弁護士」。「法的になんら落ち度はない。裁判してもムダである」と釘を刺して帰っていった。

あるハウスメーカーで新築した夫妻は、赤ん坊ともども激しく咳き込んで一睡もできない。

なんと一平米当たり一グラムも猛毒殺虫剤が使われていた。

調停で四〇〇万円もかけて争ったが敗訴。今はマンションに“避難”して暮らしている。そして住んでいない住宅ローンをいまだ払い続けている。

あるハウスメーカーの新築住宅で育った少年は重度のシックハウスで苦しみ続けた。鼻血がポタポタと洗面器にたまるほど出続ける……。

恐怖はシックハウスだけではありません。

大手ハウスメーカーは、契約すると金額の約六割を本社が抜くという。

つまり五〇〇〇万円払っても二〇〇〇万円の家しか建たない!

わたしが視察したあるハウスメーカーの住宅は、まさにバラックといってよい化学漬けの手抜き建築であった。

そして、価格は「上物だけで坪八〇万円!」。

なのにテレビや新聞の巧妙なCMのマインド・コントロールに引っかかるひとが後を絶たない。わたしは満腔の怒りをもって呼びかける。

これら大手ハウスメーカーの住宅は、絶対、建ててはいけない!

法隆寺の修復などを手掛け“最後の宮大工”と称えられる故・西岡常一翁は、こう諭している。

「・・・・わたしら千年先を考えてます。資本主義というやつが悪いんですな。利潤だけを追っかけとったら、そうなりまんがな。

それと使う側も悪い。目先のことしか考えない。長い目で見たら、木を使って在来の工法で家を建てたほうがいい。

今ふうにやれば一〇〇〇万円ですむものが在来工法で建てると一二〇〇万円かかりますわ。そのかわり二〇〇年は持つ。一〇〇〇万円やったら二五年しかもたん。

二〇〇万円多く出せば二〇〇年もつ。どっちが得か考えてみない・・・」(「木に学べ」小学館より)

もはや、保育園の子どもでもわかるリクツでしょう。

西岡翁がいう「在来の工法」とは、「木」「漆喰」を使って建てる家です。

それは二〇〇年を超える「健康」を住宅に与えるだけでなく、住むひとにも与えてくれます。

最新の科学、阪学は、「木」「漆喰」に驚嘆する「健康力」があることを立証しています。

「木」「漆喰」の家に住むひとは、この天然素材から奇跡の「免疫力」を得ます。

それは、ぜんそくやアトピーなどを防ぐだけでなく、ガンやうつ病すらも癒すのです。本書には、その料学的な証明が満載されています。

この木は、しあわせな住まいに育まれて生きる、しあわせな人生へのガイドブックです。あとで、かなしい、くやしい後悔をしないためにも、扉を開いて、第一歩を踏み出してください!

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