《木・呼吸・微生物》超先進文明の創造 自然共生のナチュラル・サイエンスへ 伊藤 好則 (著), 船瀬 俊介 (著)

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日本人だからこそ成し遂げられる 《木・呼吸・微生物》超先進文明の創造 自然共生のナチュラル・サイエンスへ

行き止まりのない地球へ ヒント満載の本!

伊藤好則

この人を潰してはいけない!私は船瀬俊介さんが娘さんを医療過誤で失った時、弁護士も雇わずに、一人敢然と医療裁判に臨む姿を見てそう思ったのです。

それで彼のマネージャーを買って出ることにしました。それこそ全国をくまなく回って、何が正しいことなのか、どんな圧力にも屈することなく立ち向かう彼の姿をみて活動してきたのです。

船瀬俊介

伊藤さんはすごい人だ。これまでの木材乾燥の常識を覆す「愛工房」をたった4ヶ月で完成させてしまった。

何かが降りてきたとしか思えない。「愛工房」で乾燥させた杉は「反らない。割れない。捻じれない。色、艶、香りは残ります」。

まさに世界初の奇跡の杉。杉を宝物に変えてしまったのだ。彼は70歳を過ぎて借金して、この杉で木造4階建てのビルを建ててしまった。

木でできてるものは木で!「ウッドファースト」で行こう!

船瀬 コンクリートとか新建材とかプラスチックでつくった家に住むなんてとんでもない。塩化ビニールなんて、ふざけるなだ。日本の壁で漆喰を塗っているのはたった1%で、残りの99%は塩化ビニールです。

はっきり言うけど、クルクルパーだ。

伊藤 それから、杉はいっぱいあるから安くて、量が少ない材は高いというのはおかしいでしょう。命にいいか悪いかを基準にしてほしい。

そこのところをみんなもうちょっとわかってくれないとね。

船瀬 一番美しい材と言われているんです。

伊藤  うちのビルを建てている最中に、シェルターさんが開発した部材が2時間耐火試験に合格して、建築基準法上、最大14階建ての木造ビルを建てることが可能になったんですよ。

船瀬 シェルターさんはよくやったね。

伊藤 でも、私は命を守る木造建物の節度として地上足元20メートルを限度にしてくれと申し入れしているんです。

なぜかというと、船瀬さんと一緒に草加の学習塾に取材に行ったときに、住まいが6、7階から上と下では多動症児の数が全然違うと言っていたでしょう。

船瀬 高層になるほど地磁気から離れるから、流産とか、精神疾患がふえる。

伊藤 何のために家を建てるんですかということですよ。

船瀬 そのことを指摘した学者は「殺すぞ」と脅されて、妻と子どもを実家に帰したと言ってた。恐ろしいね。

高層マンションほど早死にするという研究報告を出しただけで、マンション業者から殺すと脅された。

伊藤 今、コンクリート用の良い砂利、砂は15%だそうです。ということは、85%はよくない砂利、砂が使われている。

船瀬 採石という山崩し、自然破壊が行われている。

伊藤 いい方法を見つけた、砂のかわりにヘドロとか古新聞をコンクリートに混ぜるんだというのをテレビでやっていたよ。それが50年後にどうなるかということは考えてないんだ。

船瀬 最後の宮大工と言われている西岡常一さんは、コンクリートは50年、木は1000年、漆喰は5000年と言っているんですよ。

シェルターの木村一義社長は「船瀬さん、鉄筋コンクリートはもう終わったよ……」と言っていた。

終わったのに、まだつくっている。中の鉄筋が腐食してコンクリート劣化が起きるので、コンクリートはせいぜいもって50年。

手抜きしたコンクリートは20年でダメになる。

医療と同じ。治さないでひどくして、またやり直す。永遠に儲かる。出来高払いだから、欠陥住宅をつくったほうが儲かる。

それが化学建築であり、コンクリート建築ですよ。シェルターだったら、100年は軽くもつ。200年ぐらいもつでしょう。

でも、そういうのは潰されるんだ。

伊藤 熊本地震で熊本城が壊れたでしょう。私は『木造都市の夜明け』で天守閣を木造にするように書いていますけど、今、日本には鉄筋コンクリートの天守閣が10城あるんです。

船瀬 あきれて物が言えない。

名古屋城に行ったときに、エレベーターに乗ったらチーンと鳴って「天守閣です」。これにはひっくり返っちゃった(笑)。

伊藤 もとのままの天守閣が残っているのは12城。

私は今の鉄筋コンクリートの熊本城の天守閣を解体して木造で建てかえることを勧めているんです。

なぜかというと、現在の鉄筋コンクリートだと、その重さ、土圧で石垣に負担がかかっているから。

天守閣を解体することで負担を軽くして石垣を修復、その後、天守閣を建てるのがいい。

土台や石垣が重要なのです。それを誰も指摘しない。

『木造都市の夜明け』に、当社の木造ビルが、鉄筋コンクリートで建てた場合の重量を試算した資料を出しましたが、約3倍です。

船瀬 言ってはいけないことが多過ぎる。

伊藤 木造で建てかえれば、今の重量の3分の1なんです。

船瀬 慣性の法則は3分の1になる。それだけ軽く、地震にも強い。

伊藤 熊本県知事に『木造都市の夜明け』を送ったら手紙が来たんだけど、「自分のところは仮設住宅も全部木でやっております。これからも安い住宅を提供する予定です」と書いてあるだけで、熊本城には全く触れてませんでした。

市長にも送ったのですがこちらは無視されました。

船瀬 ゼネコンさんが触れさせないんですよ。

伊藤 天守閣の循体復旧、耐震補強、外装復旧を行うそうですが、既に50数年を経過している、コンクリートの建物です。

生きた木は建物に使われても200年300年と年を経て強度が増していきますがコンクリートは年々劣化します。

コンクリートの天守閣は今後30年が限度でしょうか。

50年持つと言う人はいないでしょう。地震で発生したピンチをチャンスとして地元の木を生かした200年300年持つ大天守をと、誰も声を上げないのが不思議です。

今日生まれる子に、大人たちは何を残すのですか。

船瀬 また儲かるじゃない。医療と同じだよ。直さなければ傷んでくるから、また稼ぐ。永遠に儲かるシステムだ。

伊藤 木造の現存天守閣は、すでに数百年もっているんです。

船瀬 戦国時代からだから、400年もっている。セキスイは建てて25年たつと、「建てかえ時です」とやってくるからね。

伊藤 何でこんなことになっているの。

船瀬 金儲けですよ。以上(笑)。こいつら、「400年もったら我が社は経営が成り立たないですよ」と平気で言うからね。

伊藤 全てにおいてウッドファーストでなければいけない。木でできないものを鉄やコンクリートでやりましょう、木でできるものは木を使いましょうというのがウッドファーストです。

船瀬 基礎は鉄筋コンクリート、頑張ってね、それでいいわけです。これこそ適材適所だ。

伊藤 木でできるものは木を使うというのは、全ての命に連鎖していくんです。日本の森林も再生されるし、ひいてはそこに住む人たちの健康にいい。何でウッドファーストにしないのかな。

船瀬 民主党政権時代には「コンクリートから人へ。木でできるものは木でつくる!」と言っていたのに、マスコミはそういうことは一切流さない。

野田はどうだとか、蓮紡の国籍がどうだとか、あいつはイヤな女だとか、どうでもいいことばっかり流して、政策は一切流さない。

そうして、国民は「やっばり自民党」とコロリと蝙された。つくづく馬鹿な国民だと呆れる。

伊藤 政治に頼っていたら、もうダメということなんだよ。

船瀬 木造建築推進法みたいなのを民主党がやろうとしているという記事を読んだときには、民主党、結構やってるじゃん、すごいなと思った。

ところが、そういうことはサッパリ知られてないでしょう。

そういうことをメディアが一切流さないから、国民は知らないんですよ。

このことは俺、日本住宅新聞という業界紙の記事で知ったんだもの。

伊藤 『木造都市の夜明け』を書いたのは、ウッドファーストを訴えたかったからです。

船瀬さんがこれから本を書くにしても講演するにしても、柱をウッドファーストに持っていってもらいたいんですよ。

船瀬 それは当然のことです。だって、スウェーデン、フィンランド、ジャパンは森林大国の3トップですよ。


これから日本の杉をどうするのか そこから日本文明の本質へ迫ることができる 呼吸する木、微生物の生きている木、 45度での乾燥が奇跡の杉を生み出した 木造都市の夜明けが始まったのだ

使われなくなった田畑をどうするのか そこからも日本文明の本質に迫らなくてはならない 宝物を生み出す田畑は住宅地の10分の1の値段しかつかない

なぜなのか? 愛工房の杉が縁で その歪みを正すヒントが生まれた

黒芯の杉さえも宝物に変える「愛工房」を杉山へ設置できたなら 奇跡の杉を使った超付加価値の建造物、家具が作れたなら 過疎の里村が蘇生する 杉伐採の跡地で伝統のごぼう栽培を復活させた 桃原の試みとは?

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