認知症との縁を切る水の飲み方選び方
水選びは健康腸寿の元。 人生を変える究極の水がある
東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎
たかが水、されど水。 健康情報にますます敏感になっている日本人は、血液をきれいにするため、病を予防するためといっては、いろいろなものを試しています。
テレビでひとつの商品が紹介されるとスーパーから商品がなくなってしまうほどです。
しかし、それらの食品に含まれている栄養素にたとえ効果があったとしても、それは水がないとカラダに取り入れることは難しいですし、よい水があるからこそ健康効果が高まるというものです。
世界一健康に悪い水道水
世界一厳しい水道水の基準。だが、世界一健康に悪い水道水になってしまった。
いつも飲んでいる水を殺菌して安全なものにするために塩素を入れているのですが、注入する塩素量が年々増えているようです。
しかし、殺菌するための塩素は安全なのでしょうか。
では、どの程度日本の水道水の塩素量が多いのかということです。
大腸菌など「無菌」な水道水にするために、水道法の施行規則により、「残留塩素が0・1mg/l(0・1ppm)以上保持するように塩素消毒すること」と義務付けられています。
これは全国どの家庭の蛇口から出る水道水も同じです。
水道管を通るときに塩素濃度は薄まりますから、浄水場に近い地域はより塩素の濃い水が蛇口から出ているのです。
この濃度は浄水場から一番遠い蛇口から出る時点で最低0・1mg/L以上の濃度でなければなりません。
問題なのは、最低は決められていますが、上限が目標値しかないことです(目標値0・1ppm下)。
塩素が体内に入って危倶されるのは、腸内細菌叢を乱してしまうことにあります。
腸は、カラダの中で最大の免疫器官で、病気を防いだり健康を維持させるために機能しています。その主役でもある腸内細菌が塩素によって大きく乱されてしまうのです。
水が不足するとボケを招く?
成人のカラダの約60%は水分、赤ちゃんの場合は約80%にもなります口赤ちゃんの肌は実にみずみずしいのですが、加齢に伴ってシワは目立ち、肌はかさかさになってしまいます。
一般的に男性より女性のほうが水分量が少ないので、肌トラブルの悩みは女性に多いのも納得です。
なぜそうなるのかというと、カラダの水分を保持する能力がなくなっていくために、肌の老化が目立つわけです。
もちろん肌だけではありません。
内臓の各器官も同じように水分量が減っています。体内における水分は、カラダの各器官の機能が正常に働くようにするために、とても大切な役割をになっています。
水というのは、カラダに入ると消化管からいろいろな栄養素を取り込み血液やリンパ液になり、各臓器や脳に酸素を送ったり栄養を運んだりしています。
たとえ食生活に気をつけたとしても、水分を補給しなければ血液はサラサラになりません。
水分が少なければ脳内の血管も詰まりやすくなり、結果的に認知症になりやすくなります。
水というのは生命活動の最重要な部分を担っています。
どんな水をどれだけ飲むかによって、老化を遅らせたり健康を維持できるかが決まるのです。
浄水器を選ぶポイントは浄水能力が最重要
浄水器のほとんどは、数種類のろ材を使ってトリハロメタン、細菌などの有害物質を除去しています。
大切なのは、どのような有害物質を除去する能力があるかということです。
逆にいうと、明示のない物質はほとんど除去されないと思ってよいでしょう。
蛇口に直接取り付ける安価なものでも、活性炭や中空糸膜のろ材を使って、ミネラルは残したままトリハロメタンなどの有害物質を除去するものあります。
忘れられがちなものに、お風呂のシャワーがあります。
塩素は皮膚からは吸収されませんが、皮膚を荒らしますので、少なくとも塩素を取り除くシャワーヘッドを使って、髪や肌を洗うようにしたいものです。
カラダを壊す水 活かす水(英和ムック) (英和MOOK) | ||||
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