断食は味覚を磨き、直感を育て、食物に感謝を捧げることに役立つ

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レッスン14 断食

ひと呼吸入れ、考え、シンプルに整える断食は、食事や毎日の生活からの束の間の休息です。

断食を行うことで多くの恩恵を得ることができ、周りの変化や成長に対する準備を肉体的、精神的、霊的にできるようになります。

健康な人は誰でも断食ができます。

身体が弱い人、老年の人、病気の人は慎重に行い、精製糖、過度に加工された食品や着色料、添加物を含んだ食品を避けるという意味で断食をすべきです。

こうした状態の人は、常に栄養バランスの取れた食事を摂るべきです。

あなたの健康状態で断食が可能かが気になる場合は専門家に相談しましょう。また、子どもや幼児に断食を強要してはいけません。

子どもは適当なカロリーと豊富な栄養が必要だからです。

健康上の理由から子どもの栄養摂取に注意が必要な場合は医師や栄養士に相談しましょう。

断食が多くの戒律や食事療法で活用されているのは、断食を通じて健康が快復し、活力が湧くためです。

断食には、あらゆる食物と飲みものを断つ完全断食、単一の食物のみを摂るだけの単一食断食のほか、ラマダンや限定断食など様々な種類があります。

限定断食とは、特定の何かを減らす( または増やす)断食です。

今回行う限定断食では、自分が満足のいく限りの玄米と野菜を食べます。玄米と野菜に限定していますが、何の野菜を食べるかはあなたにお任せします。

断食をすることで、これまでの出来事を顧みる時間が得られるでしょう。

霊的な恩恵を受けるために断食をする人も多いです。定期的に、あるいは一度でも断食をすると、結果として得られる明瞭な気持ちを感じることができるかもしれません。

意識的に断食をしたことがない人は、自身が病気に罹っていた時や食べるものを限定して少量しか食べていなかった時のことを思い出してみましょう。

私の場合は、病気の時に食物をかなり選んで食べていたことに気づきました。

断食の日はゆっくりと過ごすようにしましょう。断食の支えとなる活動を取り入れ、必要に応じ、望ましい日に断食を延期しましょう。

大抵の人は週末に行います。仕事がない土曜日に行い、日曜日を活用して平日のリズムに戻るようにするためです。

このエクササイズには2つの側面があります。ひとつは断食そのものをすること。

もうひとつは桜沢如一の「健康の七大条件」を参照し、あなたの健康状態を観察することです。

Exsecise14 限定断食

今回は3回、朝、昼、晩と食事を摂るようにしましょう。朝、昼と正確に時間が合わない場合は間に数時間おいて食べるようにしましょう。

少量の水をいつでも摂ってよいです。

レッスン7「水」(2017年3月号)で練習したように、一口ずつ口に含み、唾液と混ぜて飲みましょう。

一度に大量の水を飲まないようにしましょう。

食事は、玄米を炊き、好きな野菜を調理しましょう。3回分の食事を一度に作るのもよいですし、毎回の食事を個別に作ってもよいです。

玄米を炊く際に塩を加えても良いですが、食卓では使わないようにしましょう。

醤油、味噌、油、ナッツ、たんぱく質を含む食物や調味料のいずれも使わないようにします。

何か薬を飲んでいる場合は、断食を始める前にかかりつけの医者に相談しましょう。

自分の好きな量を食べ、一口ずつしっかりと噛むようにします。唾液と食物をよく混ぜ合わせることで満足感が得やすくなります。

断食中、玄米と野菜を摂ることで身体が休んでいる状態を観察してみます。

何らかの虚脱状態を感じたら「この断食は今日一日だけ」と、自分に言い聞かせてみましょう。

気持ちを落ち着かせるように努力し、水を少量飲んでリラックスしましょう。

健康の七大条件 条件①~③

桜沢如一はマクロビオティックの創始者で、健全な食事を通じ身体を癒し、弁証的学習を通じ心を育て、宇宙と繋がることで魂を統合することを大切にしていました。

ここで紹介する内容の多くを含め、彼の哲学は「健康の七大条件」という条件表で紹介されています。

桜沢は、活力の度合いを測るために以下の条件を挙げています。

最初の3つの条件は肉体的な健康、4~6つ目は心の健康、7つ目は霊的な健康に対応します。

それぞれの条件に対するあなたの状態を知るには、各条件で挙げられている問いに答えていくことが有用です。

①適度な活力(疲れない)

この条件は、好きなことをやるための体力があるか、ということです。疲れない人は肉体労働をしても疲れず、生活のストレスにより疲弊することはありません。

あなたには好きなことをやるための十分な活力がありますか?

②適度な食欲

この条件は、簡素であろうと贅沢であろうと、どんな食事も食べることができ、それに満足できるかどうかということです。

楽しみの元は、食物がもたらしてくれる生命という贈物に対する感謝と食物を提供してくれた人に対する感謝にあります。

あなたは簡素な食事と贅沢な食事、どちらも好きですか?

③健全な睡眠

この条件は、睡眠を通じた活力の快復についてです。十分に休めているかは時間と比例しません。

あなたは横になってすぐ眠たくなり、夢に邪魔されず眠ることができ、しっかりと休めた気分で目が覚めますか?

上の条件に当てはまらないと思った時は、ゆっくりと調整していくことでいずれ改善されていきます。

今回の断食レッスンでは上の3条件に注意を払い、自分が普段感じている気分と何か違いはないかを観察してみましょう。

断食は味覚を磨き、直感を育て、食物に感謝を捧げることに役立つ素晴らしい方法です。

多くの素晴らしい先生やスピリチュアルの指導者が、癒しの方法と真実に近づく方法として断食と祈りを薦めています。

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月刊マクロビオティック 2018年2月号より

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Julia Ferré

北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。

GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。

新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。

HP:www.JuliaFerre.com

foodandintuition-jp.jimdo.com