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食や生活が自然から離れるほど生命力が低下する【季節と時代の陰陽】

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磯貝昌寛の正食医学【第88回】季節と時代の陰陽

時代の転換点

私たちは人工的な社会で生きているようでいて、その実は自然の中で生かされているようです。

人気アイドルグループ「嵐」が、2020年12 月31日限りで活動を休止すると発表がありました。昨年までにもマスコミと世間を賑わす芸能人や著名人が若くも引退するというニュースが増えてきています。

そして、それらの行動に世間の声も大方支持しているようです。

新年早々の新聞に、学校に行かない子どもたちが全国に30万人もいると載っていました。

平成27年には義務教育といえども必ずしも学校に行かなくてもよい、という法律が施行されたといいます。

フリースクールやNPO団体の教育活動が活性化していることが背景にあるようです。

閉塞感漂う現代社会から、次の新しい社会への期待と希望を多くの人が望んでいるようです。

今年の改元がまたその機運を高めていることは間違いないでしょう。

昨今では子どもの学力の低下がいわれていますが、本当に憂うべきは「生命力の低下」であり、その一部として学力の低下があると思います。

「百ます計算」を今の世に広めた陰山英男さんなども「学力は生命力だ」と言われますが、まさにそのとおりです。

生命力があるということは、簡単にいえば元気がある、溢れんばかりの元気があるということ。

元気は気の元( キのモト)、気の元( はじめ)があるということです。

気とは宇宙のエネルギーです。宇宙のエネルギーは、強弱の波はあっても不断に降り注ぎ、かつ大地より発せられています。

そのエネルギー( 力・ちから)をたっぷり受けた食べ物をいただいているかどうか。

そのエネルギーを活かすような生活をしているかどうか。

食にしろ生活にしろ、自然からどんどん離れてくれば生命力の一部である学力が低下するのは当たり前のことです。

そして問題は、元気いっぱいになり余りある生命力から発せられる一部である学力を、どこへ振り向けるか。

今の世界、日本を含めた世界のほとんどは経済成長、GDP( 国内総生産)の伸びであったり、国力の維持( または誇示)などへの学力の活用をめざしています。

しかし、大自然( 大宇宙)からいただいた生命力は自然に恩返しをするような方へ向かなければなりません。

親から生を受け育んでいただいた恩返しに親孝行をするのと同じです。自然に生かされているご恩に報いることが本当の孝行です。

これからはそういう方向へ学力を振り向けなければならないと思います。

「働く」ということは「はたをらく( 楽)にさせること=はたを楽しませること」です。

身近な周りの人たちを楽しませる、自分を取り巻く自然環境全部を楽しませることです。

生命力が溢れた結果、学力が上がった結果、そして働いた結果、親へも大自然へも恩返しができた結果、最後の最後で経済成長した。

それこそが自然遵守の世の中ではないでしょうか。そういう方向へ学力を向けることが大事だと強く思うのです。

若い芸能人や著名人が引退し、自由の身を切望するのは、現代社会の転換が近いことを暗に示しています。

むしろ、自然はすでに転換点を過ぎていて、それらに私たちが後追いしているのかもしれません。

自由というものは、自然に由来する命が輝いている状態を指しています。

人間はいかに自然から離れた生活をしても、不自然をいかに作り出しても、そこでは命の継続がなければ結局自然に還るしか生きていけないわけです。

自然界を見ていると、嵐の日というのはそう長くは続きません。アイドルグループ「嵐」も平成の時代に嵐を巻き起こして去っていく、なかなか清々しい生き方だと自然と感心したのです。

季節と時代の陰陽

太陰太陽暦(月暦)や二十四節気、七十二候などの自然の営みをあらわす「コヨミ」からは、異常気象が続く現代であっても、その巡りに大きなズレがないことに驚かされます。

大寒の時季にはその年の一番の寒さが来て、立春には春の気が立ち、暖かくなります。

暑さ寒さも彼岸までと云われますが、春分の頃には暖かい日が多くなり、秋分の頃には涼しい日が多くなります。

では何が異常かというと、春夏秋冬の巡りそのものが激しくなっているのが現代の特徴です。

昨年夏の猛暑は記録にも記憶にも残るものすごい暑さでした。

日本では今年の冬は暖冬気味でしたが、世界に目を向けると、極寒の冬が到来している国もあり、まるで北極にでもなったかのようだったというのです。

日本国内でも、年によると記録的な大雪に見舞われることが増えているのもここ昨今です。

春夏秋冬は陰陽の巡りそのものです。その陰陽の巡りが激しさを増しているのです。極陰極陽と云いますが、現代の季節はまさにそれです。

季節の陰陽が激しさを増しているのに呼応するように、私たちの体と心も、極陰極陽を抱えている人が増えているのを、食養指導を通して実感しています。

過剰な動物食と砂糖や人工甘味料の多食。石油由来の食品添加物も私たちの体と心を極陰極陽に至らしめる大きな要因です。

私たちの体は食べ物によって出来ています。もちろん、ご先祖や自然の中で育まれるのですが、ご先祖を見ても誰一人の例外なく、みな食べ物で命を育んできました。

そして、食べ物は自然の産物であるのですが、極陰極陽の食べ物を食べることができたというのは、体はものすごく頑強で、ある意味の中庸な体であったのです。

日本においては、戦前までの食と生活が頑強な日本人を作り上げました。粗食と重労働がたくましい日本人を育てたのです。そんな日本人の胃腸には極陰極陽の食は刺激的で、大いに舌を喜ばせました。

しかし、時代が進み、戦前生まれの胃腸の強かった日本人は少なくなりました。

20世紀初頭には「膨張する日本」と云われ、驚異的な勢いで世界に進出した日本人は過去のものとなりました。

季節に陰陽があるように、時代にも陰陽があります。

明治以降の日本は昭和20年の敗戦を境にして、それ以前が春夏、それ以降が秋冬となるでしょう。

そして今は、明治からはじまる帝国主義的なパラダイムの終焉にさしかかっています。

季節でいえば冬の中頃、春の萌芽を感じる季節( 時代)ではないでしょうか。

極陰極陽の体と心を調和のとれた中庸な心身に至らしめるには、自然はいやおうなしに、病や不調を体と心に与えるのです。

日本だけでなく世界的にも人間の傍らに病気があるのは、自然界から見れば、時代そのものが冬の真ただ中にあることを指しているのです。

大自然は私たちに極陰極陽の体から中庸な体へ向かわせようとして病を与えてくれているのに、それらをクスリやさらなる石油化学物質で体の内なる自然を破壊して感じなくさせてしまうのは本当にもったいないことなのです。

私たちは「ただ自然に」生きていれば、本来は、健康で自由で平和な生き方ができるのです。そんな生き方を実践しようと試みているのが現代のマクロビオティックではないかと思います。

月刊マクロビオティック 2019年4月号より

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磯貝 昌寛(いそがい まさひろ)

1976年群馬県生まれ。

15歳で桜沢如一「永遠の少年」「宇宙の秩序」を読み、陰陽の物差しで生きることを決意。大学在学中から大森英桜の助手を務め、石田英湾に師事。

食養相談と食養講義に活躍。

マクロビオティック和道」主宰、「穀菜食の店こくさいや」代表。