自然の中はホスピタル、自分の足はドクター【クアオルト健康ウオーキング】

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ドイツでは医療保険が適用される「クアオルト健康ウオーキング」を日本でも

自然の中はホスピタル、自分の足はドクター

「テラポイト」という言葉をご存知でしょうか?

テラポイトとはドイツ語で、セラピストのこと。日本が医療のお手本としたドイツでは、現在は統合医療が中心で、投薬や手術のほかに、自然療法やホメオパシーを選ぶことができます。

では、「クアオルト」という言葉はご存知ですか?

日本でもクアハウスという言葉を聞きますね。クアハウス=温泉施設というイメージが定着していますが、実は「クア=温泉」ではなく「クア=療養」という意味。

つまり「クアオルト(Kurort)」とはドイツ語で、クア(Kur)「治療・療養、保養のための滞在」にオルト(Ort「) 場所・地域」という言葉がプラスされた、「療養地」という意味になります。

「クアオルト」と名乗れるのは、厳しい品質基準をクリアした、国認定の特別な地域(基本的には自治体)のみ。

ドイツには374ヶ所のクアオルトがあり、「土に由来する温泉や泥・蒸気」「気候」「海」「クナイプ式」という4つの自然にある療養要因を活用し、医療保険が適用されています。

このクアオルトで活用されているウオーキングが、私たちが全国の自治体に啓蒙普及している「クアオルト健康ウオーキング」です。

キーワードは、『頑張らない』『冷たくさらさら』。

ミュンヒェン大学医学部のアンゲラ・シュー教授が開発した「気候性地形療法」を基本に、運動の強さを計測した傾斜のある野山を、個人の体力に合わせて歩く速さを調整した無理のない歩行がポイントです。

歩行中は心拍数「160-年齢」で運動のリスクをコントロール。

安全面を考慮しながら通常の運動より楽に効果が得られます。

ドイツのクアオルトでは、高血圧、骨粗しょう症の治療(日本では運動指導として)に、自然の中に出て、この運動療法を実施。

さらに、体表面温度を平均で2度程度下げる(主観的な感覚でやや冷えると感じる)ように、袖をまくったり首元を開けるなどして衣服を調整することで、運動効果がほぼ倍になるというエビデンスがドイツで発表されました。

メンタルヘルス、認知症予防、ロコモ対策など、歩くことの科学は日進月歩です。

日本におけるクアオルト先進地・山形県上山市をはじめ、由布院温泉で名高い大分県由布市や、今秋にオープン予定の岐阜市、志摩市、埼玉県横瀬町を加えた17の自治体にある全62コースで、このウオーキングを楽しんでいただけます。

「自然の中はホスピタル、自分の足はドクター」。

五感を刺激してくれる緑豊かなクアオルト健康ウオーキングコースへ出かけ、自ら歩くことで健康を得ることができます。

近郊や旅先のコースで、頑張り過ぎず運動効果を倍にするウオーキングをぜひご体感ください。

文◎大城孝幸(株式会社日本クアオルト研究所 代表取締役社長)

取材協力◎株式会社日本クアオルト研究所

TEL052-243-1308 https://www.kurort-japan.com

セラピスト 2019年8月号より

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