【風力発電を問う】「再エネ利権」地元仁木にも!!

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一、爆弾発言「行政機能をぶん取る!」

半年前の3月21日、東北仙台市に本社を置く「河北新報」社が、一大スクープを流した。

備蓄食品製造会社「ワンテーブル」が各地で進めている官民連携事業を巡り、社長が「自治体の行政機能を、ぶん取る」などと説明していた録音データを、河北新報が入手。

小規模の自治体を懐柔して利益につなげる実態を明らかに。

2月に制度の隙間を狙ったやり口を報道し、続報を連発。

被災地や自治体を食い物にさせないという執念の報道です。

二、㈱ワンテーブル 島田昌幸 元社長

この名を聞いて、仁木町民のみなさん、聞き覚えがないだろうか。

正に一昨年6月、「地域力創造アドバイザー」として就任し「再生可能エネルギービジョン」策定に係り、初めて町民の前に姿を現したのは、今年2月27日の「仁木町脱炭素×再生可能エネルギーセミナー」。

まさに仁木独自モデルを提唱し実現すべく総務省から派遣された講師二人の内の一人が島田昌幸 元社長、その人であった。

かつての3・11の忍苦の体験から、震災復興(サバイバル)の星、仙台市上場支援の期待のベンチャーとして仁木町再エネプロジェクトに迎えられた。

その構想の語り慣れた口調に、みな納得し、賛同の意を示したかのようであった。が、残念ながら参加者の町民は数えるほど、町の職員と「仁木町の風力発電を考える会」のメンバーが大半であった。

矢継ぎ早の疑義質問は、ほとんど会員で終始し、時間が足らぬほど白熱した。

三、「地方自治体はバカ、地方議員はザコ!!」

その一月も経ぬ間に、この事件は勃発したのだった。

仁木での再エネセミナーでは、我々の前で、

「ワンテーブルは命の未来にイノベーションを興す会社です。1人の命も取り残さない社会を作りたい。日常の先に災害がある。だから日常と向き合い豊かにすることが最大の防災です」

「少しずつ、みんなで知恵を出し合えば、必ず未来は創れると信じています。」

「そんな中、私のふるさと北海道でも胆振東部地震によって、北海道がブラックアウトという状況に陥り、障害を持たれる人や妊婦さんや透析患者さんなど緊急を要するかたがたにとって安心・安全な社会をどうやって実現するか、改めて考えさせられました。

自分にできることはなんだろう。東日本大震災の経験をどうやって皆様に貢献することができるのだろう」・・・・・・・・・・。

これはあくまでも、表の顔。彼が美辞麗句で飾り付けた地方再生構想だ。

その裏の顔。自社の官民連携事業への本音・本心はこうだった。

「ちっちゃい自治体って経営できるんですよ。

華々しくやるとハレーション(強い悪影響)が大きいんで、ちょっとずつ侵食しているんですよ。

(行政)機能を外出(そとだ)しさせる。気付かないけど、浸食されてたね。

財政力指数が0・5以下(の自治体)って、人もいない。ぶっちゃけ「バカ」です。

現場の(職員の)人には無理です。そういうときに、うちはいま「第2役場」っていう。

「機能そのものを、ぶん取っている」

例えば窓口業務を受託、じゃなくて税務課をバーンと。

(岡山県西粟倉村は)1500人の村で50億円の予算を持っている。50億発注できるんだよ、毎年。

たった1500人(の村)で50億円を出せるっていうことは、まだまだ出せる。

大企業が狙わない、0・5以下の財政力指数の自治体を狙うっていうのが、うちの攻めなんですよ。

(全国に)1700の自治体があって、(財政力指数が)0・5以下は900なんで、約1000あるんですよ。ということは1000あると、まあまあ何兆円かになって。これを僕たちは狙っている。

限りある首長の中にも、いる。 つまり、ドキドキする、共感する、「やれ、島田君、行け」。

そこのところで議会も制圧できれば、一歩踏み込むエリアっていうのは、2地域だけある。本当に制圧できるところ。

地方議会なんてそんなもんですよ。

雑魚(ざこ)だから、いいから俺らの方が勉強しているし、分かっているから。

「言うこと聞け」っていうのが、本音じゃないですか。

(YouTube河北新報オンライン「ワンテーブル・島田昌幸社長 自社の官民連携事業についての発言」1 分 30 秒2023/03/21より)

四、仁木は、貧困だった!!

こうも明暗がはっきりすれば、解り易い。

仁木町も、年々人口減少を免れず、財政も税収が主で、財政力指数が何と0・171という低迷状況、年々低下の一途を辿(たど)る。

ちなみに、少し古いが2014年度の財政力指数ランキングでは、全国1763市町村中、1635番目。全道179市町村中、139番目。

財政破綻した「財政再生団体」夕張市は、全国でさえ1524番目。

仁木町は、その約100番下方にあり、さらに約100番下がると全国最下位という極めて危うい赤字財政である。

町税3・5億円、地方交付税なしには自立出来ない。

各々の農家は裕福のように感じるが、税収は意外と少なく、何故需要額の分母が大きくなるか、検討すべき喫緊の課題ではなかろうか。

島田氏からすると、言葉は悪いが、第2役場・町政機能を乗っ取れるイイカモと映った。

仁木町は丸ごと嘗(な)められている。

つまり、彼らの餌食(えじき)。首長も議員も職員も、まんまと謀略の網に捕獲されたのだ。

しかし、みな懸命に仕事に取り組んでいて、「バカ」呼ばわりは酷(ひど)い。

役場職員の方は優秀で真面目。課長が、係長の職分まで負担して気の毒。

慢性的人材不足で、精神的重圧に陥っているのではなかろうか。辞めないで頑張ってほしい。そして、町民は蚊帳(かや)の外のままだ。

彼の狙いは、「エネルギー構造高度化転換理解推進事業費補助金」の歳入3,190万円を、そっくりそのまま歳出としての「再生可能エネルギービジョン策定委託料」に、そして、令和五年度当初予算の7,000万円、さらに先の展開の金額の引き出しにあったのだ。

五、議会と特別委員会でも紛糾

これが、ただならぬ事件であったことを、今年に入って議会傍聴で知った。

3月定例会で、フルーツパーク仁木の「道の駅プロジェクト」に島田氏をアドバイザーとして迎えた基本構想の策定に関して質疑があった。

6月定例会では、麿議員から、島田氏が問題発言で本件から辞退した旨を問い正した。

そして先の9月22日の定例会で、佐藤議員からは、「人材を欠いての両事業への影響はないのか」との質疑。

それで不審に思い、島田氏の動向をnet検索すると、とんでもない事態が東北地域で起こっていることを知ったのだ。

島田氏は一昨年6月、「地域力創造アドバイザー」に就任、昨年も継続、年間10回の取り組みの謝礼金として400万円のアドバイザー料。そしてこれからという時の辞任。

このアドバイザー辞任を受けての経緯説明は、10月3日「令和四年度各会計決算特別委員会」で追及され、これを傍聴した。

「垂直型太陽光発電施設の導入に関わる実証調査」後の展開は、農家向けに「営農型ソーラーパネル」設置普及が待っていた。

だが、中国HUAWEI(ファーウェイ)製4連20枚2基のソーラーパネル300万円と、諸々の調査費とコンサル料を含めての3,190万円の途方もない額面は、何が何でも有り得ないだろう。

この3月、住民課から出された「仁木町再生エネルギービジョン」の報告書。

ワンテーブル提言資料を元に、林副町長自ら記したと言う34ページこそ、その代償であり、象徴である。

予算額と契約額がピタリ一致するのも腑に落ちない。

何故、他の業者の査定を取らなかったのか。

昔からある縦型ソーラーが、新しいアイディアでも何でもなく、そのデータを、仁木町が3,000万円かけてまで調査検討する必要性があったのか。

それで儲けるのは、総務省派遣講師にして、ワンテーブル元社長の島田昌幸氏である。

稲畑(いなばた)産業、東京エネシス、それが別会社であっても、底で三社は繋がっている。

それは、後で話す「救急車事件」の闇を想起させる。

だが、この河北新報の隠し録音で、信用は失墜し、一切が灰塵(かいじん)に帰した。

本来あってはならない官民利権を我が一手に納めるべく画策したのだ。それを町との談合と疑われても致し方ない。

六、町の居直り

これは再生可能エネルギー云々の是非賛否を問う前に、一般社会における道義の欠如を問うべきではなかろうか。

事件性はないとしても、明らかに、再エネを利用した詐欺まがいの「再エネ利権」である。

果たして人としての道を欠いて、真の再エネによる正義はあるのだろうか。それを問いたい。

そこを町は、調査しないで、招聘したのか、契約したのか、了承したのか、と素朴に思う。

見積書も、仕様書も、みな暗黙の了解で丸投げ、ワンテーブルお任せ一方ではなかったか。

席上、町が予算措置する際の根拠となる見積書の開示を、佐藤議員が要求したが、その場で慌てふためいて探すも不明、或いは元より無いか、紛失か。

当時、担当していた参事は、前後して退職した謎。もし、国の会計検査院が入れば、申し開きできない事態だ。

町長と東京で会合し、その縁で招致して、最後は島田氏自ら辞退した。

委員会の終わり頃、佐藤町長は、「島田氏は、法に触れて訴追されていないので、逆に堂々としていれば良いのでは、と助言。他の町村長も氏の地域貢献を評価して同じ見解。私は自信をもってお答えします。一切不正はしていません」という確約を、町長自ら宣言して担保とした。

某記者は、「警察が見ていなければ、飲酒運転しても問題ないと同じだ」と失望した。

だが、5月31日付けで、不正を犯していないはずの島田氏は社長を辞任していた。

(現在も㈱ワンテーブルの取締役。代表は、同日付で富田智之氏が就任)また、総務省は、地域力創造アドバイザー契約から、氏を削除抹消した。正に自らを省みず、典型的トカゲの尻尾(しっぽ)切りだ。

七、自治体への誘導の仕方

地方自治体の操り方、騙し方、儲け方を、島田氏自ら得々としてこう述べている。

「総務省の(自治体を支援する)アドバイザーっていうところになって。何をやっているかというと、ちょっと入り方が独特です。

民間というよりは、総務省から派遣されていくのでワンテーブルの島田じゃないんですよ。

「総務省の島田先生」っていう形で派遣されていくというのが、ちょっとミソで、そうすると入り方が。僕の(派遣)費用は全部、総務省が持っています。

自治体からすると1日70万~100万円かかってしまうので、僕のコストがですね。

それを自治体が出せないよねってことで、皆さん、窓口業務をアウトソーシング(外部委託)した方がいいって、こうなる訳ですよ。

国見町とか、いろんな町が僕の言っていることに「島田さん、その通りです。これ早くやりたいです」って。

自治体って独特で、入札案件になると、今まですごく仲が良くても(競争入札で)1円でも負けたら負けなんですよ。

そんなやつと友だちになるはずねえべって、俺は言うんですよ、自治体の職員に。

だから君たちは、民間に見捨てられて、誰も構ってくれない田舎の自治体なんだって、そういう風に教育していくわけです。

2年くらいリードタイムがあるんです、仕込みが。3年かけて予算化させて。

それで予算化の時に島田先生は、「ワンテーブルの島田」になります。

プロポーザル(業務を委託するときに適した提案者を選ぶ方式)があるので、ノリノリなところは随意契約でやるんですけど、金額が大きくなると、いろんな問題が出て来るから。

逆に僕から、「これちょっとやばいからプロポーザルにしよう」みたいな。(14章参照)  

結局、ワンテーブルは、僕はもう22年、この商売をずっとやっているんですけど、やりたいと言わせたらこっちの勝ちで、あとは言うことを聞かせる。あと踏み絵が次にあります。

彼ら(自治体)って、議会を最後に通さないといけないので、首長があっての議会。

だから僕は、一番は僕を、専門家として呼ぶっていうのを踏み絵にします。

(総務省のアドバイザー事業は)タダじゃないですか。タダの人材でさえ呼べない自治体はやらない。

必ず、僕を呼ぶために議会に説明したりとか。タダでも議会とかに説明がいるので。

そこで、そいつら(首長や自治体職員、議員)を、ズーット見抜いているんですよ。・・・・・・」

(YouTube河北新報オンライン「ワンテーブル・島田昌幸社長 自治体との関わりについての発言」2 分06 秒 2023/03/23より)

八、以上を、纏(まと)めると

① 自治体は、インソーシング(内製化)よりアウトソーシング(外部委託)を、総務省という権威、費用タダという気安さで、査定なしで無条件に選んでしまう。

しかし、国費は国民の血税であることを忘れてはならない。

それは町が自ら努力しないでよく、しかも国のお墨付きを得た錯覚でもある。

言ってみれば、講師の言いなり、思う壺である。

② 2年のアドバイザー期間を終え、いよいよ本命三年後からは、儲けである。

仁木では、営農用ソーラーパネルが、それに当たったはずだ。

そこで、本来の商売人に変身する。そこに必ずワンテーブルに帰結する方式を採用する。

それが通常のコンペ・入札方式でなく、プロポーザルという聞きなれない方式だ。

3者にはそれぞれの条件が重なるが、煎じ詰めればプロポーザル方式は提案者が評価の対象で、価格でも内容でもない。

すでに講師は、島田氏で独壇場、相(あい)見積りを取る要もない。

無条件降伏で一社ワンテーブルで、決まりなのだ。

③ 後は、再エネの専門家として振舞えば、再エネに無知同然の首長、議員、職員は、反論するにも反論するだけの知識も経験も持ち合わせていないから、「仰せの通りに」と、書類も文言も意のままに相成る次第である。

その後、粛々と事業は、講師の思い通りに動いてゆく。

これが、外部から招聘するアドバイザーの実態を自ら明かした内幕である。

そして、仁木町が企画した「脱炭素×再生可能エネルギー構想」の中身となる。こんな絡(から)繰(く)りが、何時までも通る訳がない。

それで、早晩に暴露され、町民を巻き込んで紛糾したのが、福島県国見町の「救急車事件」であった。

九、大紛糾「救急車事業」

これも、島田氏自らタネを明かしている。先ずは聞こう。

「救急車事業。ふるさと納税企業版だから、4億円(の寄付金)のうち90%だから、3億6000万円が還付されるわけ。

ということは、4億円のうち4000万円の利益が出れば。でも、もうかるに決まっているじゃないですか。

なので、俺たちは35~40%の利益(率)設定するんで。

そうすると、なぜか寄付するんですけど、あべこべもうかっちゃう。

事業で戻しちゃうから、救急車の開発をしているんですよ。

その時にトヨタ系ハイエースがいるから、あれなんですけど。

でも僕たちは、ふるさと納税企業版という制度を使いながら、黒を白に変えているんですよ。浸食しまくっている。

それはもう、それが正しいのは、時にはマネーのパワーで押さえ込んだり、でもそれが正しいって時に。

結局、救急車事業の開発ってことで、毎年4億から5億の寄付をするんですよ。

それを持って、うちに全てきて研究開発出来る。それをまた、タダでできるんですけど。

またそれを、無償貸与ってことで自治体から受けて。

またそれを、実証実験という名のもとに貸すんですよね。

これはな、もう企業の利益をぐるぐるぐるぐる回しまくっている。

取る時は国からも取りますよ、制度使って。でも制度をちょっと超えちゃう領域ってあってアンタッチャブルな時ってあるんで。

そこはもう、ありとあらゆる政策をくっつけて、資金を浄化させて、超絶いいマネーロンダリングをして、仕事に返す。

(現金を戻す)キックバックじゃない。業務に返す。そういうことを、いまやっているんですよ。」

(YouTube河北新報オンライン「ワンテーブル・島田昌幸社長 高規格救急車事業に関する発言」1 分41 秒 2023/03/19より)

酷(ひど)い話である、これが外見(そとみ)きれいごとの決まり事の内容である。

十、「出来レース」と「再エネ事業」

グループ会社が、町に寄付したかのような「企業版ふるさと納税」で装いながら、町の共同事業体「官民共創コンソーシアム」を推進する発言。

これで、法人税・法人住民税・事業税の税額控除を受ける。実質、還付金9割、負担が何と1割なのだ! 見せかけの善意!!

競合他社を排除する項目を入れて「公募型プロポーザル方式」を提案。

彼曰く「超絶いいマネーロンダリング(資金浄化)」しながら、町が公募で選定した研究開発担当の会社「ワンテーブル」も、救急車の製造を発注した製造会社「ベルリング」も、みな同族企業で机の下で手を結んでいるグル。

総ぐるみで儲けを町から吸い上げながら回す。既に、公募の8ヶ月前から救急車の発注をかけていたと言うから相当の確信犯である。

高規格開発研究と称するも既存の車両規格を使い回して仕様書を上げて在庫一掃処分、しかもその定価が相場の2倍。

ついでながらワンテーブルの防災備蓄ゼリーも市価の倍。ここまで悪質極まりないのだ。市町村を舐(な)め切っている。

逆に、敵ながら天晴(あっぱ)れという、実に巧妙に仕組まれた罠である。

読売、内田洋行など大企業を後ろ盾にする巧言。稀代の詐欺(ペテン)師である。

商売人なる私も、この術策に嵌(はま)ったら、易々と落ちたであろう。

ギリギリのところで犯罪性を逃れ、この事件を起こしても、佐藤町長が褒めたように、なおも、上場を目指すという。互いに呆(あき)れると言う他ない。

これでは、仁木町が受託業者と関与し、官製談合の可能性を疑われても無理からぬことではないか。

ここに、動かぬ証拠がある。

仁木町HP(ホームページ)プロポーザル公募関連の「仕様書」PDFファイルを開き、ドキュメントプロパティに入ると、作成者が元ワンテーブル社員、某氏の名が履歴に隠れていた。

後の副町長作成と述懐していた「ビジョン」も、ワンテーブルBP作成と、3月24日付けで刻まれている。

虚偽の証言。国見町と同じ手口。町の肩代わりをして即町から受注。これらは明らかな「出来レース」。詐欺罪、刑事犯罪ではないか。

ついに国見町議会は、救急車を県内外に寄贈し、業務委託を解消するも、時すでに遅く、崩壊された町の信頼は取り戻すことはできない。

最も厳しい調査権を規定した「百条委員会」が既に設置された。

偽証、黙秘、拒絶も罰則、書類送検される。仁木町も同じ轍(てつ)を踏むだろう。

十一、JAXA(ジャクサ) さえも

仁木町でも、1億円にも上る町民の損益に係る重大なアドバイザーや企業選択を、徹底して精査せねばならない立場が、逆に悪乗りした。

精査済みなら、国見町と同企業、悪徳業者「ワンテーブル」を、何故、選定し契約したのか。

それを承認した議員にも責任は当然あるだろうが、そこまでは求められないだろう。

何せ、あのJAXA(ジャクサ)でさえ、宇宙「保存食」で契約していたのだ。(新たなる防災への取り組み「BOSAI SPACE FOOD PROJ ECT」)

食品製造同業者の立場で言わせて貰うと、果汁 100%ゼリーの栄養価の高い有機物を保存する難易度の高さなら納得するも、僅(わず)か果汁10%に残りは、ほぼ水分と糖質。

増粘多糖類、ゲル化剤や香料・酸味料を混ぜて、充填後80℃35分間の加熱滅菌の一般製法。

もし、より高温の高圧蒸気滅菌ならばゲル化が崩壊するため80℃に止めたのではないか。

一般細菌と大腸菌、大腸菌群の菌数の変化のみを基準として賞味期限を5年半とした。 

しかし、次に挙げる、

① パウチ中で発生するボツリヌス菌などの嫌気性菌の微生物評価。
② 殺菌温度80℃以上の高温に強い優性芽胞(がほう)生菌などの評価。
③ 粘度や濁度、PH、酸度、過酸化物価などの理化学試験。
④ 視覚・味覚・嗅覚などの感覚を通した官能検査。

などを総合的に評価し消費期限を決めるべきだが、いずれも欠落している。

アルミにコーティングした同じ缶詰状パックで、同じ製造処方の他のメーカーも、同様の長期保存の可能性がある。

何故高度な技術研究があえて要るのか。煎ずれば、発注量が少なくてもJAXAのお墨付きを貰い、各自治体に大量拡販するのが目的であった。

その手口は、高規格救急車「研究開発」と同じなのだ。

畑違い専門外のJAXAも、それは指摘できなかった。現在、当該商品の今後の取り扱いを検討中のようだ。

十二、総務省、経産省の責

自治体が、こういう会社を見抜けなかったことはまだしも、ワンテーブルは問題なしと承認した、そのお膝元の総務省こそ、経産省こそ、その責を問われるべきではないか。

各省庁が、採用し、放置する事に、問題視されないのか。

政府の良識を問いたい。だが、いずれも腐敗した体質に希望はない。

再エネ事業者、再エネ議連は、これ以上に深い闇である。

秋本真利(まさとし)議員収賄は、粟粒(あわつぶ)のようなもので、ほんの一泡(あわ)、一握りにしか過ぎない。その裏に、巨悪が隠れている。

かくして、地方行政の中身は、狡猾(こうかつ)巧妙な民間企業に騙され、国会国議は、議員誘導で政治献金が議員の懐に入り、全ては、金、金、金の世界。

「再エネ」も、国家の為、地球の為、人類の為と嘯(うそぶ)きながら、結局は金のための政策でしかない。

誰も、風車やソーラーの為に、幸せになってはいないばかりか、地域分断と地方の不協和音。

正に賛成・反対の対立構造は相手の思う壺である。本来、町と住民は一心一体で、一枚岩でなければならない。

これまでの全国にわたる無謀な設置で、どれ程のCO₂が削減されたというのだろうか。

再エネ増えて、益々人心が荒廃し、国は滅び行く。

「再エネの闇は、中央省庁のみならず、既にかくも地方行政に侵犯浸食している現状に、町民は一日も早く気付いてほしい」

隣町・余市町(YOICHI GREEN PARK~緑・森・人を育む空間づくり)や、ブラックアウトの厚真町(JERAとの共同事業体によるバイオマスのイチゴ栽培施設)などワンテーブルとの提携事業で、いずれもプロポーザル公募。

仙台市の関連会社㈱プラスワンホームが農業プラントと公園管理を請け負っていたが、ワンテーブルと共に撤退、後は推して知るべし。

十三、バイオマス発電に対する疑惑

さらにまた噴出した疑惑。

林副町長が作成したという「仁木町再生可能エネルギービジョン」(10章参照)のバイオマス発電に対する疑惑だ(図参照)。

令和5年度第一回3月定例会で、バイオマス発電6,300万円、役場屋上のソーラー及び窓ガラスに貼るシート状ソーラパネル代700万円、計7,000万円が予算計上化され成立した。

この予算成立に先立つ2月末までに、後述する道外企業で道内実績もない(株)ライフプランニング(ちなみに、上記㈱プラスワンホームがバイオマス事業を展開、提携先の外注ではないか)は一般競争入札参加の資格申請を済ませているはずだ。

縁もゆかりもない仁木町に突然現れながらも、まるで落札できることが既に決まっているような、余りにも不可解な雲行きである。

昨年12月、今年2月3月の計3回の「導入検討委員会」も、島田氏の説明独演会、2月27日のセミナーも単なる儀式、共にアリバイ工作ではなかったか。

事業者を公募したが、プロポーザル1社だけとなった。最終的にワンテーブルが選ばれる仕掛け。

まず、そもそもこの「バイオマス」事業自体の検討は十分に尽くされたものとは到底言い難い。町側の独断専行以外の何物でもない。

十四、現実味のない計画 

例えば「原料の収集」にあるトマト茎葉の処理だ。

トマト農家が生産終了後に自らきれいにネットから茎を外し、一定の長さに切断し束ねて運搬する手間暇の上に有償の負担。果樹の剪定枝も然り。

従来、農家だけに許されている野焼きで自ら燃やす方が楽で得策である。

しかも、それは春秋の2ヶ月ばかりの作業、後は高価な機械を眠らせるのか。

仮に、実証実験で良し、と出たとしても持続的稼働の可能性が拡がらない。

私も同じ農家として面倒であることは確かなのだ。

しかも、製炭炉の燃料は、白煙とCO2を出す可燃性ガスと灯油である。本末転倒ではないか。

切り株や幹は薪(まき)で暖房となり、籾殻はドラム缶で燻炭となる。

枯れ茎や剪定枝を畑で燃やして、灰や炭にして畑に返した方が、CO₂削減にも、畑の栄養素にもなり、一銭もかからないエコではないか。

現実味のない実証試験のために、6,300万円もの予算を投入できるのか。経産省からの補助金100%なるが故の強気か。

町税わずか3.5億円、余りにも無策無謀ではないか。

国の金だから、気楽に失敗しても許されるのか。

だが、この財源は、我々国民が支払った血税ではないか。庶民感覚がマヒしてはいまいか。

町には不相応な額面ではないか。正に、画に描いた餅、机上の空論、経営感覚のない誘導である。

国や道の「CO2削減(カーボンニュートラル)」施策と呼応したのであろうが、それは「再エネ事業」に仁木町も取り組んでいるという表向き対外的ポーズでしかない。

その為に、国中が我先にと血税を湯水の如く使っては、国民はたまったものではない。

無駄な補助金を削り、減税に回して、国民を少しでも楽にすべきではなかろうか。

そして、【検証体系イメージ表】の推進体制の中核構成員の関係企業とは、何処(どこ)なのか。

ビジョン書面に、当初選定済みの随意契約者(令和4年度事業者)は、なぜ記載されていないのか。

正に、この事業者こそ、あの「ワンテーブル」島田氏であった。

いみじくも、彼の述懐(7章参照)、《金額が大きいと随意契約では問題が出てくる(怪しまれる)ので、プロポーザルにしようと提案する‥…》との手口に、町は同意した。正に同衾(どうきん)である。

この見積りは、知見のない役場職員では到底出来ない。通常なら、複数の事業者から相見積(あいみつも)りを取り寄せて比較検討する。

町の条例では、130万円以上は入札制度導入ではなかったか。

そこで、アドバイザー島田氏としても、随意契約(一社に絞られる)では目立って疑われる為、表向きプロボーザルを隠れ蓑(みの)として設定し公募したのだ。

当然選ばれた一社だけのワンテーブルは、意のままに見積りを出して采配する。

果たして、町は6,300万円の内訳を精査検証出来たのだろうか。

抑々(そもそも)、㈱ワンテーブルの令和5年2月決算(島田代表)は、帝国データバンク評点41点(以前の評価法で最下位Dクラス)。

危うき自己資本率17%。年毎の2億円の増収は各自治体からの虚業売り上げ。

備蓄食ゼリーは僅か。令和3、4年連続の赤字で設備投資の債務超過寸前は、持ち直すも3月以降の事件で急落であろう。

何故、仁木町は、最低限の信用調査を怠ったのか。余りにも杜撰(ずさん)、疎漏(そろう)である。

この不祥事後、引き継いだ再エネ事業者は、何故か、㈱ワンテーブルの多賀城市と20㎞30分と離れぬ同じ宮城県名取市の㈱ライフプランニング(森谷祥代表)が受託。

調べると、名取市の同じ住所地番にあったワンテーブル100%の子会社㈱ワンテーブル・ライフプランニングが、今年4月3日付で㈱ライフプランニングに社名変更し、代表も島田氏の盟友である伊藤秀有氏と共に森谷祥氏が就任し前面に出て、ワンテーブルと島田の匂いを消した。

この3月末に、島田氏自ら来町して事業撤退を申し出、町長は受諾したが、裏で仲間内が取引を続行していたのだ! 

町長は承知の上だ。これでは国見町と同じ構図ではないか。

どうして地元道内企業を探さないのか。使わないのか。補助金は道外に流れる丈(だけ)だ。

未だ倒産していないワンテーブルと仁木町との癒着の闇。現在進行形で進められているこの疑惑を、町民の方々は知るべきである。

十五、風力発電も本質と内容は全く同じ

国中の自治体が業者の狡猾(こうかつ)なる手口に惑わされ、失態を演じている。

我々の反対する風力発電事業者も、その本質と内容は全く同様で、利権以外の何ものでもない。

多くの欺瞞(ぎまん)と巧妙な業者の罠に、仁木は掛かり、また愚かにも掛かろうとしている。

関西電力に騙されているのだ。町長との密約なきか。頂きから裾野(すその)まで、金品授受も常套(じょうとう)手段。

今では、業界の常識だと言う。各々胸に手を当てられたい。

住民を犠牲にすることなど痛痒(つうよう)にも感じない、関電はそういう悪質極まりなき大企業なのだ。

十六、「風車計画撤回」こそ、「仁木町再生」の第一歩

易々とワンテーブルの島田氏の策略に嵌(はま)り、1億円もの大枚をはたこうとしたことは、行政としての明らかな大失態。

それを微塵も反省せず、町長は、「ワンテーブルの島田氏は、何一つ法に触れていないので、逆に正々堂々としていればよい」と偽善事業者を庇(かば)い、賛美し、自分自身も不正せずと誓い、自己弁護に終始した。

厚顔無恥。かくも、開き直りが公然と許され、地方自治も地に堕(お)ちた。

ここで引き返さない限り、関西電力にも虚仮(こけ)にされ、町の未来は閉ざされてしまうのだ。

それを開くのは、町民あなたの「今、ここ」の目覚めなのだ。

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宮下周平

1950年、北海道恵庭市生まれ。札幌南高校卒業後、各地に師を訪ね、求道遍歴を続ける。1983年、札幌に自然食品の店「まほろば」を創業。

自然食品店「まほろば」WEBサイト:http://www.mahoroba-jp.net/

無農薬野菜を栽培する自然農園を持ち、セラミック工房を設け、オーガニックカフェとパンエ房も併設。

世界の権威を驚愕させた浄水器「エリクサー」を開発し、その水から世界初の微生物由来の新凝乳酵素を発見。

産学官共同研究により国際特許を取得する。0-1テストを使って多方面にわたる独自の商品開発を続ける。

現在、余市郡仁木町に居を移し、営農に励む毎日。

著書に『倭詩』『續 倭詩』がある。