からだの自然治癒力をひきだす「おやつ」 大森 一慧 (著)

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からだの自然治癒力をひきだす「おやつ」

おやつは第四の食事です

子どものおやつは食事の一環。これが、本書で紹介しているおやつの基本の考え方です。

一般的なおやつのイメージや固定観念にとらわれることなく、自由に楽しく、皆さんなりのおひさま色のおやつ、おいしい穀物菜食のおやつを作ってみてください。

おやつはからだを作る基礎食

おやつはもともと「お八つ」と書き、午後2時から4時までの時刻をさす言葉です。かつての日本人は一日2食で、ちょうどそのころに軽食をとっていました。

その名残が、現在の3時のおやつというわけです。

おとなのおやつがお楽しみ色の強いものなのに対し、子どものおやつは、いまも食事の補助であることに変わりはありません。

というのも、幼児はまだ胃が小さく、三度の食事だけでは十分な量をとれないのです。

また、学校に通っている年齢の子どもたちは成長期真っただ中。

いくら食べてもからだがどんどん大きくのびていくので、たくさんエネルギーを必要としています。

子どものおやつは軽食。からだの基礎を作っていくためにおやつを必要としていることを、まずは心にとめてください。

おやつの材料はいつも台所にあるもので

おやつは基本的には食事ですから、特別な材料も器具も腕前もいりません。

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台所にあるいつもの野菜やお米、豆、地粉、海藻などを使って、誰もが気軽に、ごはんの延長線感覚で作れるもので十分です。

そのとき、ちょっと気を配ってほしいのがおやつの見た目です。

たとえば、中身は煮物でもそれをかわいいケーキに焼いたり、かわいい型で抜いたり、色みのきれいなトッピングを飾るなどすれば、子どもは大喜び。

おやつという言葉のもつふんわりしたイメージは、大切にしてあげましょう。

ただし、おやつ甘い菓子ではありません。子どもはたしかに甘いものが大好きです。でも、子どもが要求する「甘さ」は、でんぷん質のおだやかな甘みで十分対応できます。

おとなの舌を喜ばせるような、砂糖が入った「強力な甘さ」は、逆に子どもの味覚が育つのをさまたげてしまいます。

とくに3、4歳前後の幼児は、味に敏感です。

野菜の甘さ、お米の甘さ、豆の甘さなど、砂糖にはない甘さの質やトーンの違いをはっきり感じ取る能力にすぐれています。

最近は、地場の野菜やおむすびをおやつにしている幼稚園もでてきていますが、園児たちは大喜びでそのおやつを食べているそうです。

からだの奥深くまでしみわたっていくようなやさしい甘さ、滋味豊かなおいしさを、おとな以上にわかっているのだと思います。

おひさまっ子を作るおひさま色のエネルギー

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かぼちゃ、さつまいも、にんじん、とうもろこし、栗などのおひさま色をした農作物には、からだのバランスを保ってくれる、ほどよい陽性のパワーがあります。

穂が黄金色のお米や麦も、そんなおひさま色の食べものの仲間です。

子どものおやつには、おひさま色をした素材をたくさん使ってあげましょう。色にはエネルギーが内在していて、おひさま色のものを食べることで、太陽のように明る<元気な子どもに育っていってくれます。

また、おひさま色をしていなく日の光を取りこんだ食べものには陽性さがプラスされています。

ドライフルーツや干しいもなど、うまみや甘みや養分が凝縮された食べものを、おやつに上手に利用したいものです。

砂糖や卵や乳製品の入らないすがすがしいおいしさ

穀物菜食のおやつには、卵や牛乳やバターはもちろん、白砂糖も必要ありません。

甘さは素材のもつ甘みを塩で引き出し、コクはごまやくるみを合わせるなどすれば、からだも頭も喜ぶすがすがしいおいしさが作れます。

卵や牛乳を使わないのでアレルギーの心配もありません。

また、砂糖を使ってしまうと甘さが単調になり、かえっておいしくないことも実感してみてほしいと思います。

なお、粉ものにはふくらませるカの強いイーストを使わないので、どっしりした食べごたえのあるおやつができます。

食べ慣れると、ふわふわの粉菓子やパンでは物足りなくなってきます。かみしめるほどにおいしい。それが穀物菜食のおやつです。

お手伝いで親子のコミュニケーション

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子どもはお手伝いが大好き。とくにおやつとなると、どんなふうにできるのか、自分でも作ってみたいという欲求が強いようです。

子どもの年齢に応じて、できる範囲でお手伝いをさせましょう。

危ないから、かえってめんどうだからと子どもを台所から遠ざけてしまうと、せっかくの食育のチャンスを失ってしまいます。

一緒に作りながら、食べものの旬や性質、からだとの関係、またその食べものの背景にある自然や食文化などについても話してあげたいですね。

たとえば週に一度、日曜日はおやつ作りの日と決めてしまいましょう。そして、しっかり子どもと向き合う時間を作ってあげてください。

どんなに豪華なおやつでも、おかあさんや家の人と一緒に手作りしたおやつのおいしさにはかなわないのですから。

からだの自然治癒力をひきだす「おやつ」
大森 一慧 サンマーク出版 2007-05-17
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