ドライフルーツはサラダに混ぜれば豪華版となり一皿がグーンと栄養強化

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船瀬俊介連載コラム

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干しブドウ

●「畑のミルク」の栄養を濃縮

さて、ドライフルーツでおなじみが、干しブドウだろう。

ブドウは、ヨーロッパでは「畑のミルク」と呼ばれてきたほど栄養豊富。それを濃縮した干しブドウは人類最古のドライフルーツ。

中近東を中心に作られてきた。

現在の大産地は米カリフォルニア州。ついで、オーストラリア、ギリシア、中国など。

干しブドウはブドウ糖と各種栄養成分が濃縮された高カロリー食。古代から砂漠の民の携行食として用いられてきた。

さらに疲労回復、病中病後の栄養補給など。

図Aは、干しブドウの栄養価の成分比率(可食部100グラム当たり)。

水分は10.8グラム。たんぱく質2.8グラム、脂質0.2グラムときわめて少ないのに、糖質83.4グラムとずば抜けて多い。

ビタミン類もミネラル分も豊富。

クッキーやパン、サラダなどにつかうことで風味向上とともに栄養強化となる。とくに鉄分が多いので貧血気味の人に毎日少しずつ食べるとよい。

これら干しブドウは、どうして製造するか、ごぞんじか?

まず、アメリカでは農地に厚紙を敷き詰める。そこに、収穫したブドウを直接並べて天日に当てる。

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途中でひっくり返して約一週間乾燥。それから日陰に移して、積み上げて約5日間、陰干しして水分を均等にする。

これが保存をよくするキュアリングという手法だ。当然、甘味、香りはぐんと増す。この工程で分かるように乾燥小雨の地理的条件が必要だ。

オーストラリアでは網製の5~6段の棚でブドウを乾燥させる。

処理・乾燥法あれこれ

●テラテラ干しブドウの正体

さて市販干しブドウは、やはり見栄えを良くするためいろんなウラ技を使っている。

①ワックス取り:収穫したブドウを93℃、0.6%苛性液にソーダ液に五秒浸す。表面のワックスを取り、人工乾燥で、水分を飛ばしやすくするためだ。

②光沢付け:3%の炭酸水素ナトリウムを添加したオリーブ油に1~3分間浸す。これは光沢を良くしてツヤを出すため。

やけにテラテラしている干しブドウやプルーンなど、こうして処理されていたわけだ。

③熱風処理:85℃という熱風を、乾燥機に並べたブドウに吹き付ける。次第に温度を65℃くらいにまで下げる。

15~30時間で完成。……以上は、他のドライフルーツにも普通に行われている加工法だ。

古代の人達は、けっして、このような見掛けと能率のためだけの操作は行わなかっただろう。

食品産業の技術者たちは、「これこそ近代的な食品加工技術」と胸を張るだろう。しかし、これら不自然な操作で栄養価、風味だけでなく安全性も程度の差はあれ、失われていると思うのだ。

これは、他のおびただしい伝統加工食品すべてに言える。もう一度、伝統製法への回帰を提案したい。

ブルーベリー

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●食べた後テレビがクッキリ!

「目にも老化に効<!」と話題を集めている。目の疲れの他、高血圧、糖尿病、動脈硬化からガンにまで、卓効ありという。

その効能の源が、あの青紫色のもとアントシアニン色素。

この成分は非常に強い「抗酸化物質」であることが立証されている。病気の九割以上は「活性酸素」で起こるということは、最近の医学界の常識。

その「活性酸素」の消去物質の―つがアントシアニン色素。ヨーロッパでは1976年、「医薬品」として、イタリアで認定されている。

じつは私もカンズメ執筆中に、乾燥ブルーベリーを摘んでムシャムシャ食べてみた。すると、驚いたことにテレビ画像が、前日よりも、はるかにクッキリ見えた。

目に効くというのは、まちがいない事実だった。

さらに血管強化作用、食物繊維による腸内浄化作用も確認されている。「最近、目が弱って……」と嘆く人には、自身をもっておすすめする。

干しリンゴ

●スナック代わりにパリパリ

「1日1個のリンゴは、医者を青くする」とは有名な諺。また、リンゴの驚異的な抗ガン作用も、最近、再評価されている。

豊かなカリウム、食物繊維ペクチン等が血液をきれいにしガンを予防するという。ペクチンは皮に多く含まれているので、乾燥リンゴは最適。

その他の効能は、下痢、便秘、高血圧、動脈硬化、頭痛さらに口臭防止、ニ日酔い、疲労回復と幅広い。

毎日、リンゴをむいて食べるも案外大変。そのかわり、干しリンゴをセンベイがわりにパリパリつまむと、これが割合にいける。

子どもたちでポテトチップスなどスナック菓子が病みつきになっている子も多い。代わりに干しリンゴをつまむクセをつけさせたい。

栄養補給の面からも天と地ほどの差がある。

おすすめドライフルーツ。

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▼ドライプルーン:カリフォルニア州が主産地。干しブドウより繊維分、カリウムが多く、健康食品としても有名。

栄養価の他、便秘に効能があるという。

▼干しアンズ:パキスタン等が産地。料理や菓子の原料として使われる。

▼干しマンゴー:タイ、フィリッピンなどが主産地。果肉を亜硫酸液を含む90℃の45%の糖液に六時間浸し、その後、トレイに並べて約45℃の乾燥機で一八時間乾燥する。

▼干しバイナップル:リング状等にスライス加工して、マンゴーと同様の処理をして完成。その他、パパイヤ、リンゴ、ナツメ、バナナ、イチジク、クランベリー……などのドライフルーツがある。

いずれも、多くは近代的製法で作られている。

メーカーは「安全性に間題はない」と胸を張るだろう。しかし、これまで「間題にされなかった」だけ……ではないのか。

「無処理」「天日乾燥」ドライフルーツが現れると、見かけは悪くとも、人気を呼ぶのではないだろうか。

なにはともあれ、ドライフルーツはサラダに混ぜれば豪華版となり、パン、ホットケーキ、ナン、クレープ類に混ぜると、見ためも味わいも楽しい。

さらに一皿がグーンと栄養強化される。ルールはないので、好きなものを、好きなように混ぜよう。

月刊マクロビオティック 2002年10月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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