五感を育てるおむつなし育児―赤ちゃんからはじめるトイレトレーニング (セレクトBOOKS)
Q)「おむつなし育児」って聞いたことはあるけれど、どのようなものなのでしょうか
A)「おむつなし育児」は、ひと言で言えは、「おむつの中でおしっこやうんちをすることを当たり前にしない育児法」です。
赤ちゃんの排泄に気持ちを向けることが目的なので、「まった<おむつを使わない」ことをめざすわけではありません。
赤ちゃんの「おしっこをしたい」「うんちが出そう」という気配やタイミングに気づいて、お母さんや周囲の大人が手助けしてあげようというのが、おむつなし育児の基本です。
おむつをまったく使わないことが「おむつなし育児」ではありません。
赤ちゃんが泣いたり、ちょっとぐずったりしたので、「おしっこかな」と思っておむつをはずしてみたら、その途端におしっこをしたということは、赤ちゃんを育てたことがある人なら、誰もが経験していることでしょう。
赤ちゃんも、おむつという、またにぴったりくつついたものに排泄するのではなく、「何もない空間」に向けて排泄することをほんとうは望んでいるのではないでしょうか。
これまでは、おしっこをしたりうんちをしたりしておむつが汚れて気持ちが悪いからぐずっている、と大人は思っていました。
しかし、こどもそうではなさそうです。
赤ちゃんにも、おしっこをしたい、うんちが出そう、という感覚があるようです。おそらく大人と同じように、膀脱が張ったり、おなかがごろごろしたりという感じが赤ちゃんにもあって、それでむずかっているのかもしれません。
そのむずかりを大人が尿意や便意の合図と受け取って、赤ちゃんをおまるやトイレにささげて(だっこして排泄しやすい体勢にすること)あげたら、赤ちゃんはおむつが汚れて気持ちの悪い思いをしなくてすみます。
大人だけでなく、赤ちゃんだって、きっと、またがふさがれたままおしっこやうんちをすることは気持ちが悪くて嫌なのです。
考えてみれば当たり前のこと。そのことへの気づきが、おむつなし育児について考えることにつながりました。
赤ちゃんは「おしっこがしたい」「うんちが出そう」と泣いたりむずかったりして、私たち大人に伝えようとしていることもある。
それに気づかず、いつもおむつの中でおしっこやうんちをさせることは、実は赤ちゃんに不本意なことを強いているのかもしれない。
それでも赤ちゃんは順応性があってやさしいので、「ああ、うちのお母さん、忙しいしな」とか、大人の都合をおそらくはわかってくれて、その気持ちの悪さに慣れ、だんだんと、おむつの中でおしっこやうんちをすることを習慣にしていくのではないでしょうか。
Q) おむつなし育児なんてたいへん!やっばり布おむつを使わないといけないの?
A)おむつなし育児をしているお母さんからは、おむつなし育児を始めたら、赤ちゃんのきげんがよくなった、子どものことを身近に、ほんとうにかわいいと思うようになった、という声をよく聞きます。
おむつなし育児を始めるからといって、必ずしも布おむつを使わなければいけないというわけではありません。
「おむつなし」と聞くと、「まったくおむつを使わないの?」
「そんなたいへんなこと、無理!」
「布おむつを使わないといけないのかな」と思うお母さんは多いことでしょう。まったくおむつを使わないというお舟さんもなかにはいます。
しかし多くの場合は、ふだんはおむつをしていて、「しそうだな」と思ったときにはずし、おまるやトイレにささげる方法をとっています。
この方法は、特に画期的なものではありません。
日本では昔から「やり手水」といって、赤ちゃんをささげておしっこをさせる習慣がありました。
おむつなし育児をしている人のなかには、紙おむつを使う人もいます。お母さんの体調や外出に合わせて、布と紙を併用する人もいます。
絶対に布おむつを使わなければいけないというルールはありません。
ただおむつなし育児を始めると、おむつを汚すことが少なくなります。うんちはほぼおまるでしてくれるので、おしっこだけで洗濯がラクだ、という話も聞きます。
あまりおむつが汚れないから、紙おむつはもったいない、という気持ちにもなるようです。そのため、布おむつを使っている人も多いのです。
なかなかおまるでしてくれない、だれにでもおとずれる「いやいや期」の乗り切り方、0歳、1歳、2歳、3歳の、年齢別対処法まで、写真とイラストでていねいに解説します。
赤ちゃんとお母さんのための幸せ時間、もっと楽しんでみませんか。
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