人は食べなくても生きられる 山田 鷹夫 (著)

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人は食べなくても生きられる

日本で初めての不食の実践的紹介

誰でもが不食は可能である。あなたも体験によって、真偽を判別できる。

病気が消える。疲れない身体になる。睡眠がいらなくなる。働くことも軽減できる。

災害時に強力な武器になる。イエスや仏陀に等しい人間力を獲得できる…。誇大広告ではない。信じがたいだろうけれど…。

人体を初期化する方法

断食で人体も初期化が可能である、と推論する。20歳を過ぎて以降、人体は老化という流れに従う。たとえば僕は50歳を過ぎた。髪の毛は薄くなり、老眼も進みつつある。

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これは老化の当たり前だと思ってはいたけれど、若干の悲しさがある。昨日できたことが、今日はできないということに耐えていくのが老年だとしたら、老年はやはり悲しく、つまらない。

だがここで、可能性として考えてみてもいいではないか。

断食で細胞が逆成長したように、人間の身体も逆成長の可能性があると。何度でも考えてみようではないか。

あり得るのではないか、と自らに問いただしてみようではないか。

 一個の細胞に可能となったことが、その集合体では不可能だという理由がどこにあるか。

細胞一個にできた驚異であるならば、その集合体も同様の驚異が訪れると考えても妥当であると。

一個にできたことが、その集積である本体では不可能であると言えるだろうか。

部分で可能であるならば、全体でも可能であると考えるのが妥当ではないか。

一個でできたのだから、全体でもできると考えたほうが正しいのではないか。人間の身体も逆成長の可能性があるのではないか。

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つまり老化は必然とする考えと実際を、ここで改めることができるのではないか。

羊のドリーにおいて、細胞は若返ったのだ。

個別化して乳腺細胞となった細胞が、受精卵細わかりやすく言えば若胞にまで復帰した。このことは時間の回帰とも、逆成長とも言うが、返ったということである。

神に回帰するということが可能であるということだ。五歳児が赤ん坊になった。

ならば、50歳の僕が20歳の肉体と精神に回帰するということが可能であるということだ。そう考えてもおかしくはない。

むしろそう考えたほうが妥当である。そうではないか?

人間の身体は老化して最後は死滅するというのは大いなる幻想、思い込みではないか。

不食がそうであるように、単に思い込んだそれだけのことでしかない!

クラゲの逆成長 不食が可能である根拠②

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あるときに千島学説というのがあるということを知った。いくつかの原理があるのだけれど、その中の一つが特に印象的で刺激を与えられた。

「クラゲの逆成長」という実験報告である。

「海水中に食物をなくして絶食状態にしておくとクラゲは触手や体が次第に吸収され退化し後には発生初期の匪子のような細胞の塊に逆戻りする。

即ち逆成長〈若返り〉である。即ちエントロピー増大法則とは逆の方向である。

そこで食物を与えると、こんどはまた普通の成長をして元の成体へ戻る。この間成体にとっては時間は逆行するかのようである。これを生物的な時間の逆行という」

「人聞はクラゲのように断食によって次第に体が小さくなり、遂いには赤ん坊に戻るということはあり得ないが、断食、節食によって、たしかに体の組織細胞が更新されて一種の若返りができることは理論的にも実際的にもたしかである」

(千島喜久男『血液と健康の知恵』地湧社)

知識は力であると時には言える。

過剰な知識は害でしかないけれど、ほどほどの知識はそれを有効に用いれば力になり得る。

食事と同じだ。過食が病気と老化と死を早めるのと同じだ。千島喜久男さんの存在は大きい。

敬愛するその生き方、けれど恵まれず認められなかったその業績は、今もこの世から正当に評価されていないことは想像できる。

僕にとってはこの一つだけでも力になった。

ひと言で言って、クラゲの逆成長という言葉で十分であった。知識は少なくていい。ヒント
を与えてくれればそれでいい。

それ以上の深い説明はあると楽しいが、なくてもいい。きっかけさえつかめれば、そこから先は自分で解き明かせる。

むしろ、そこから先の楽しみは自分自身で開いたほうがいい。

力ある言葉はしかし、どれほど短くても力を発揮する。インスピレーションを与えてくれる。

方向を与えてくれる。「クラゲの逆成長」はそうだつた。

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そこで僕は僕の実験に取り組んだ。

頭で納得したら次にはそれを体験することだ。実証して本物になる。知識だけではそれだけのものに過ぎない。

知識に命を与えるものが自己実験である。自分で実験して、初めて命が吹き込まれる。

知識はそれだけでは力にならない。原動力にはならない。あなたもこれを読んだだけではそれだけのことに過ぎない。

これを実験して初めてあなたの真実になる。真実はそれぞれが実験することによって、それぞれ個別の真実を決定するところにある。

ひと言でいい。僕があなたに伝えたいと願う、そのメッセージはひと言でいい。

それをあなたが感じるのであれば感じる。

どれほど言葉を費やしても感じないのであれば、無駄でしかない。感じる言葉であるかどうかは、あなたの身体が知っている。

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あなたの身体の細胞が震動するかどうかだ。あなたが震えなければ、僕の真実があなたには届かなかったということだ。

「人は食べなくても生きられる」

この言葉がすべてだ。この言葉があなたを打っかどうかだ。僕だけの真実、僕だけの真理、僕だけの妄想・夢・空想にあなたが同調するか、どうか。

その一点に尽きる。だれも言っていない言葉、それを僕はあなたに響かせることができるかどうがだ。

人は食べなくても生きられる
山田 鷹夫 三五館 2004-10
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