原発洗脳 アメリカに支配される日本の原子力 苫米地 英人 (著)

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原発洗脳 アメリカに支配される日本の原子力

電力会社の利権ピラミッド

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原発ピラミッドは、アメリカ政府、アメリカ軍を頂点とする核のピラミッドです。

その中に、原発を運営する東京電力(東電)、関西電力(関電)などのピラミッドが位置しています。この章では、電力会社の利権ピラミッドを見ていきます。

東電には、多数の子会社があります。

その下には、孫会社、さらにその下には、曾孫会杜などがあり、大きなピラミッドを構成しています。

大手企業はみな似たようなピラミッドを構成していますので、ピラミッド自体には何ら問題はありません。

しかし、東電の場合は、このピラミッドに所管の経済産業省などから、毎年多数の役人が天下っています。

毎日新聞(2011年9月25日付朝刊)の記事によれば2001年8月末時点で、「顧問」「嘱託」などのポストで、経済産業省、国土交通省、外務省、財務省、警察庁、海上保安庁などから、50人を超える役人が天下っているとのことです。

彼らの年収は、暗黙の了解として、霞が関での最終ポストの報酬を下回らないことだそうです。

最上級の天下りポストは、東電副社長であり、通産次官、資源エネルギー庁長官及び次長経験者が何人も東電副社長になっています。

また、同記事によれば、東電など電力会社が会員となって、その会費や寄付で運営するエネルギー関連公益法人には、少なくとも121人の官僚OBが天下っているとのことです。

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電カピラミッドは、まさに「天下りの巣窟」といえます。

天下りというと、キャリア官僚にばかり目が行きがちですが、キャリア官僚だけではなく、ノンキャリアの役人も多数天下りをしています。

連結子会社は、決算書にも記載され、東電との直接の関係が明確ですが、連結されていない関連会社、その子会社、孫会社などは、世間には公表されていません。

それらの会社に、ノンキャリアの役人が天下りをしています。

キャリア官僚はマスコミの目の敵にされていますので、情報が開示されることがありますが、孫会社や曾孫会社に天下ったノンキャリアのことは、人数も報酬も一切公表されることはありません。

傘下企業はおいしい天下り先

東電は売上高5兆円を超える巨大企業ですから、経産省の役人だけではなく、財務省〇B、警察OBなど、あらゆる官庁の役人OBが、おいしい天下り先として、天下っていきます。

東電の傘下には、2012年10月現在、98の子会社があります。これら公表されている子会社以外にも多数の関連企業が存在します。

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もし東電が国有化されてしまったら、子会社、孫会社、関連会社も含めて、すべてが白日の下にさらされます。

こっそりと孫会社に天下った人たちも、明らかにされてしまいます。

民間企業のままであれば、孫会社でいくら退職金を出しても世間に発覚することはありませんが、国有化された場合には、それらも公表せざるを得なくなります。

原発事故の当事者である東電に対する国民の目は非常に厳しく、国有化されてしまえば、子会社、孫会社、曾孫会社まで、すべて情報開示を求められ、オープンにしなければならないでしょう。

そのようなことになれば、せっかくの天下りのおいしい利権がすべてパーです。

役人たちは、何が何でも、東電が民間企業であり続けることを維持しなければならず、一民間企業である東電を必死になって守ろうとしています。

甘い汁を吸っているのは役人だけではありません。政治家、御用学者、広告代理店、報道機関の人たちも甘い汁を吸っています。

また、悪意はなくても、株主は安定配当の形で恩恵を受け、従業員も世間より高い給料を得ています。

東電のピラミッドには、膨大な人がぶら下がっているのです。

このピラミッドの利益を支えている―つが原発です。

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原発ビジネスは、非常に儲かる仕組みになっていて、多くの人が甘い汁を吸えるようになっています。

しかし、そこには何の違法性もありません。

官僚と国会議員が結託して都合のよい法律を作り、合法的に甘い汁を吸えるようになっているからです。

そこが「巨大利権」といわれるゆえんです。

世の中の多くの人は、違法性のあるものやグレーゾーンのものなど、いかがわしいものを利権だと勘違いしています。

例えば、受注の口利きに政治家がリベートを取るというようなときに、「利権」があると考えます。

しかし、本当の「巨大利権」は、一般国民が容易に疑いを抱くような仕組みにはなっていません。

国民から「いかがわしい」と思われるような仕組みしかつくれない人は、頭の悪い人たちです。

国民が全く気がつかないのに、合法的に、継続的にお金が流れ込んでくる仕組みをつくる人たちが、本当に頭のいい人たち、つまり、極めてずる賢い人たちです。

電力事業という公共性の高い分野で、国民が気がつかないように、自分たちの懐に利益が転がり込む仕組みをつくり、それを合法にしてしまっているのが、政治家、官僚、電力会社のトライアングルです。

東電という巨大な会社を舞台に、賢い人たちがやりたい放題というのが、電力利権の構図です。

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