放射能生活の注意事項―一億人のために  船瀬 俊介 (著)

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放射能生活の注意事項―一億人のために

「放射能は身体に入れない!」「身体に入った放射能は出す!」

それがこの本のねらいです。私たちは覚悟が必要です。 

それは、これから放射能に汚染された列島で生きていくという覚悟です。3・11から、日本は大きく変わりました。

セシウム汚染肉牛の流通でわかるとおり、どこで暮らそうと日本全土は放射能汚染列島と化しました。

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◆内部被曝でガン、白血病、奇形の悲劇も

放射線を浴びる。それを放射線被曝といいます。なぜ、放射線が恐ろしいのでしょう?

それは、身体に入ると遺伝子(DNA)を傷つけ、細胞分裂にダメージを与えるからです。

まず、放射線が体内に到達したり、突き抜けるときに、活性酸素を発生させます。

これが細胞膜を傷つけ、破壊するのです。DNAは二本の鎖状の物質でできています。片方だけが損傷されても自分で修復できます。

しかし、放射線被曝すると二本とも破壊されてしまうのです。すると細胞分裂の異常をきたすことになります。

この状態で、皮膚に放射線が当たると、細胞分裂ができず、ドロドロに壊え死し剥がれ落ちていきます。

内臓が被曝すると、臓器が壊死して機能しなくなります。もはや、その先に待つのは死のみです。これが急性放射線障害による死です。

また、放射線で遺伝子が傷つくと、遺伝子情報が狂い、ガンや白血病などを発症します。

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妊娠初期に被曝すると胎児の遺伝子が傷つき、遺伝子情報が狂い、奇形などの悲劇をひきおこすのです。

外部被曝と内部被曝をくらべたとき、内部被曝のほうがより危険性が高いのです。

体内に入った低線量の放射線が長時間にわたり放射されると、遺伝子の異常は、瞬間的な高線量放射線を浴びたとき(外部被曝)より、発展的に進行していくからです。

広範囲の土壌汚染を覚悟しておくべき

福島原発事故による土壌汚染は、絶望的なほどに深刻です。

原発から200キロ近く離れた茨城県や千葉県の一部の土壌から、通常の約400倍の約4万ベクレル/時もの放射性「セシウム137」が検出されたのです(筑波大調査)。

この4万ベクレル/時という値は、国が定める「放射線管理区域」と同程度。

それは「放射線被曝の恐れがあり、適正な被曝管理が必要とされる」区域のことです。

調査は福島県北部から千葉県北部、東京都の一部にかけて約110カ所の土壌サンプルを分析したもので、やはり原発から北西方向は土壌汚染が100万ベクレルに近くなっており、極めて危険な地域であることがわかります。

さらに福島県西部が原発に近い東部より汚染されている〝飛び地〞現象がくっきり確認できます。

西部一帯の土壌は10万ベクレルを超えており、このエリアに存在する都市は全域が〝危険ゾーン〞といえます。

漬け物は食卓を守る強い味方

野菜類は漬け物にすることで、発酵食品となり、酵素や栄養素をたっぷりいただけます。

そして、漬け物は生命を活性化させるローフードでもあります。秋月医師も糠漬けをすすめていたことを思い出してください。

さらに野菜を酢漬け(マリネ)にすると、さらに放射能が野菜から除けます。

キャベツやレタスを酢漬けにすると、ストロンチウムは最大60%を除去できます。

とくにキュウリをピクルスにした場合、除去率は90%です。

ただし、野菜を酢漬けにしたときは、放射能が染み出た漬け汁はすべて捨ててください。

ほかにも、お米はとぐだけで約50%のストロンチウムを落とすことができます。

そのほかにも――

マグロ切り身……生体濃縮により体内汚染されたマグロでも水洗いでセシウムなどを50%も落とすことができます。同時に重金属や亜鉛、鉄分も除去できるのです。

貝、エビ……水洗いで落とせるストロンチウムは10〜30%程度です。また、3%程度の塩水で洗った場合は除去率は30〜70%と向上します。

ホウレンソウ、春菊……煮沸、つまりおひたしにすると、セシウム、ヨウ素をそれぞれ50〜80%除去します。「煮沸」も除染にはとても効果的です。

魚(カワマス)……魚の場合は「煮魚」にすることでセシウム50%除去。

スパゲッティ……調理=「煮沸」でセシウム70〜80%が除かれます。

以上の放射能「解毒法」は、公益財団法人「原子力環境整備促進・資金管理センター」が作成したリポート「食品の調理・加工による放射性核種の除去率」に掲載されています。

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