トヨタがはまった罠【燃料電池車に未来はない】

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船瀬俊介連載コラム

マスコミのタブー100連発〈97〉(月刊『ザ・フナイ』)

トヨタがはまった罠 燃料電池車に未来はない

地球環境評論家 船瀬俊介

欧州、インド、中国、米国までが怒濤のEV化

世界の自動車業界の、EV(電気自動車)化の動きがすごい。

EV(電気自動車)へのシフトは、もう誰にも止められない。

電気自動車(EV)を、〝殺した〟のは誰だ? ――失われた30年の痛恨――

月刊『ザ・フナイ』2017年12月号で指摘したように、それは一気に猛加速している。

そのスピードは、30年も昔からEV化を訴えかけてきた私ですら、眼を疑うほどだ。端緒は、ノルウェー政府による突然の発表だった。

2016年、連合政権の中道右派と野党連合の合意として公表された。

それは「2025年から、ガソリン車、ディーゼル車、さらにハイブリッド車の国内での販売を〝禁止〟する」という衝撃的なものだった。

ここで注目してほしいのは〝規制〟ではなく〝禁止〟ということだ。

両者には天と地ほどの開きがある。

すると、それに示し合わせたかのように、欧州諸国は、次々に〝禁止〟政策を公表してきた。

まず、オランダ。与党、労働党が提議した〝禁止〟案が下院を通過。その内容はまったくノルウェーと同じ。2025年から全面禁止だ。

それに呼応して、スウェーデン、ドイツ両国が、やはり2030年から全面禁止。とくに自動車大国ドイツの政策は決定的だ。

すでに〝禁止〟議案はドイツ連邦参議院を通過している。なにしろ同国内の新車販売台数は約335万台(2016年度)と群を抜いている。これが「全車種をEVに換える」と宣言したのだ。

ドイツの決定はEUの決定とほとんど同義だ。

メルケル首相は2017年9月24日の選挙直前に、雑誌『SUPERillu』インタビューに「ガソリン車、ディーゼル車の販売禁止を指示した」と回答した。

首相本人は具体的時期としては2040年頃を念頭に置いている、という。しかし、公表された禁止時期は2030年だ。

他方の自動車大国スウェーデンもドイツと完全に足並みをそろえて同時発表。環境大臣であり、かつ与党、緑の党のスポークスマン、イザベラ・ロヴィーン氏は「スウェーデンだけでなく、EU全体で規制すべき」と明言している。

恐ろしいのは、これら劇的変化は、欧州にとどまらないことだ。

まるで、ヨーロッパ諸国の激変に呼応するかのように、インドが「2030年から禁止」を打ち出した。

人口10億人超の大国の禁止決断は、衝撃というしかない。

それだけではない。いずれ、世界最大の自動車大国になると予測される中国が「2019年以降、規制」を突然公表。こちらは〝禁止〟ではなく〝規制〟だが、来年から実施という。

まさに、焦眉の急。

共産党独裁だから、決定したら早い。

同国、工業情報化部の発表によれば、一充電300km走行可能のEVを、台数比で2019年2・3%、2020年2・7%と比率を高めていく。

次いで、英仏両国も足並みを揃え「2040年から禁止」を打ち出した。

この欧州勢さらにインド、中国の怒濤のEVシフトの変化を、さすがに無視できなくなったのか、遂に超大国アメリカも「2018年以降のガソリン、ディーゼル車規制」を公表した。

それは「560km以上走行できるEV台数比率を、2018年に約1・1%、2020年に約2・4%、2025年に5・5%……と漸次、高めていく」という。

この目標値は、中国よりも低く、まさに、世界EV化の巨大潮流(メガトレンド)に抗えず、押し切られ、呑みこまれた形だ。

魔王D・ロックフェラーの死で脱石油へ一斉加速

さて――。

この眼を疑うような世界自動車産業の激変に、唯一、取り残された〝自動車大国〟がある。

それが、わが日本である。

まさに、日本だけが蚊帳の外……。

上記の大激変は、ほとんど2017年という、わずか一年間で起こっている。

それは偶然では、絶対にありえない。つまり、欧州に端を発したEVシフトは、巧妙に仕組まれ、準備され、満を持して、一斉に公表されたのだ。

まさに、2017ショック……。

彼らは、いったい〝何〟を待っていたのか?

ズバリ言おう。ディビッド・ロックフェラーの死である(写真A)。

彼の渾名は〝悪の皇帝〟。さらに〝石油王〟として20世紀の地球に君臨してきた。

それだけではない。戦争から医療まで、命とカネを奪う超巨大利権を掌握して生き抜いてきた男だ。

まさに〝魔王〟の称号こそ、この男にはいちばん相応しい。

その〝魔王〟が、2017年3月に101歳の長寿で世を去った。

魔王死す。それに呼応して欧州諸国は、一斉に自動車産業の脱石油を打ち出したのだ。注目すべきは、ガソリン車のみならず、ディーゼルまで〝禁止〟としていることだ。

北欧やドイツなどの自動車産業は、ディーゼル車の燃費、排ガスなどで、高い技術を誇ってきた。

その技術を封印し、捨て去ってまで、EV化の道を、選択したのだ。

さらに、注目すべきは、プラグイン・ハイブリッド車まで〝禁止〟としていることだ。

つまり、エンジンとモーターの併存は、認めない。というより、私は、ここに欧州勢の底意地の悪い深謀を感じる。

はっきり言い切ってしまおう。これは、明らかにトヨタの〝プリウス〟潰しだ(写真B)。

世界では〝プリウス〟と言えば、〝エコ・カー〟の代名詞だった。

レオナルド・ディカプリオをはじめ、ハリウッドのセレブたちも〝プリウス〟に乗ることで、地球にやさしい、アース・フレンドリーなライフ・スタイルをアピールしてきた。

だから、〝プリウス〟は、ハイブリッド車として世界ナンバーワンの地位と称賛を勝ち取ってきたのだ。

しかし、2017年、突如、世界に激震を与えたEVシフトの波は、いともかんたんに、このナンバーワン・エコカーを呑み込んでしまった。

このままでは、トヨタのお宝ブランド・カーは、海の藻くずとして消え失せるだろう。

地球からガソリン、ディーゼル車が消える

私は、この怒濤のEVシフトの波に日本だけが取り残されていることに、呆然としている。

その恐怖は、蚊帳の外……といった生易しいものではない。

超大国、中国、そしてアメリカですら、脱ガソリン・ディーゼルの旅程表(ロードマップ)を公表している。

それは、加速することはあっても、減速されることはない。

そして、スウェーデン、ドイツ、英仏などの脱石油・EV宣言は、まちがいなくEUの正式政策となる。

インド、中国、さらにはアメリカも動き始めた。つまり……ついに地球からガソリン車が消える。

同時に、ディーゼル車、ハイブリッド車も消える。それは、石油で栄えたモータリゼーションの終焉を意味する。

それは、石油文明の消滅へと向かう旅程だ。

つまりは、人類史において、第二の産業革命とでもいうべき、大激変なのだ。

わたしは、今、起こっている世界的激変を――火の文明から緑の文明への――パラダイム・シフトと位置づけている。

化石燃料で栄えた「闘争」の文明の終焉であり、「共生」の文明への夜明けである。

私が夢想し、祈念し続けてきた文明シフトが、ついに始まったのだ。

感慨無量である。

しかし、日本人としては、素直に喜べない。

なぜなら、日本のみが、この変動の巨大な波から、独りとり残されているからだ。

トヨタが〝第二の東芝〟に〝プリウス〟が〝ガラケー〟に

私は、暗澹としている。このままでは……。

「トヨタは〝第二の東芝〟になる」

「〝プリウス〟が〝ガラケー〟になる」

まさに、悪夢というしかない。

それでなくても、日本だけが先進諸国の中でも、完全に落ちこぼれている。

GDPを比較しても、過去20年間で、中国14倍、米国2倍、英国2倍、ドイツ1・4倍と、成長を遂げているのに、日本だけは0・85倍……と、逆に貧しくなっている。

ジャパン・アズ・ナンバーワン……と持ち上げられた昔日の栄光は消え失せた。

日本経済を牽引してきた大企業も、軒並み、尾羽はうち枯らしている。

シャープは、台湾のホンハイ・グループに買収されるという屈辱をなめ、技術のソニーも、もはや見る影もない。

パナソニックにいたっては、ゴミのように投げ捨てて中国にくれてやった三洋電機が、巨大白物家電〝ハイアール〟という怪物に変身する様にあぜんとして、なす術もない。

そして、東芝の落日……。日本経済を牽引してきた巨大企業の面影も今はない。

ウエスチングハウス買収という愚行の結末は、まさに、アメリカ原発政策の〝尻拭い〟そのもの。

つまりは、ウラン・マフィアの罠にはまったのだ。私は、2017年のEVシフト・ショックに、日本を陥れる〝第二の罠〟を見る。

アメリカの諺に「豚は太らせてから食え」という実に狡猾、残忍なフレーズがある。先勝国アメリカにとって、日本はまさに食用豚だ。

敗戦後は、まだまだ可愛い小豚だった。

しかし、アメリカに追いつき、追い越せ……と、叱咤激励して育てあげ、ついに、〝食いで〟のある巨大な豚に成長した。

まさに、食いごろでデリシャスだ。

アメリカや欧州の列強は、いそいそと、ナプキンを襟元にはさんで、両手にフォークとナイフを掲げて、皿の上の豚肉料理の賞味を始めた、というわけだ。

〝第二の東芝〟として狙われたトヨタ

私は、確信する。

〝第二の東芝〟として狙われたのが、トヨタだ。東芝をはめるための仕掛け罠がウエスチンングハウスだ。

トヨタをはめた落とし罠が、燃料電池車(FCV)だ。

『誰が電気自動車を殺したか?』という必見の告発DVDがある。

そこで取り上げられたのが、GMが開発した高性能〝EV1〟だ(写真C)。

この千台以上も生産されたEVは、ユーザーたちの必死の抵抗も空しく、強制的に没収され、スクラップとされた。

市民グループだけでなく、トム・ハンクス、メル・ギブソンなど、ハリウッド俳優たちまで、その蛮行に抗議している。

では、「誰が電気自動車を殺したのか?」。

答えは、明解である。石油王ディビッド・ロックフェラーだ。

彼は、世界を闇から支配する秘密結社フリーメイソンの中枢イルミナティを牛耳る頭目である。

GM開発の〝EV1〟は、あまりに性能がよすぎた。

まさに、脱石油のシンボルそのものだった。

それが、石油王の癇に触ったのだ。だから、魔王は、GMがこのエコ・カーを販売することを許さなかった。

だから、所有権は、あくまでGMに存在するリースという、じつに不自然な契約を消費者は強制された。

そして、魔王の命令一下、ユーザーたちの必死の抵抗も空しく、この傑作EVは、強制的に没収され、砂漠の解体工場で極秘のうちにペシャンコに潰され、スクラップの山と化したのである。

このGMによる無謀無残な仕打ちを、一般の米国民は、いっさい知ることはなかった。全マスコミは、この非道な行為をまったく報道しなかったからだ。

魔王は、石油だけでなく、メディアも完全支配してきた。

だから、電気自動車の抹殺を、極秘裏に行うことなど、朝飯前だったのだ。

トヨタをはめたFCVの罠、

燃費はEVの9倍と最悪!

魔王が、EV潰しに放った〝刺客〟が存在する。

それが、燃料電池車FCVだ。『誰が電気自動車を殺したか?』(前出)には、その〝仕掛人〟まで登場している。それが、ベイビー・ブッシュ大統領だ。

彼は記者会見で、にこやかにFCVを称賛、推奨する。

なるほど、燃料電池車は、水素と酸素を反応させ発生する電気でモーターを回転させて、走行する。

排出されるのは〝水〟のみ。学校で習った水の電気分解の逆バージョンで電気を得るのだ。

FCVも無公害ゼロ・エミッション・カーの一種である。

だから、ブッシュはEV潰しの刺客としてFCVをぶつけ、強力プッシュしてきたのだ。この、にやけ面の大統領を影で操ってきたのがロックフェラーであったことは衆目の一致するところだ。

告発DVD制作者も、その手の内はとっくにお見通し。

「……燃料電池車の燃費は、ガソリン車の3倍にもたっする」(ナレーション)

この一事をもってしても、FCVはEVに勝てるわけがない。

なにしろ、EVの燃費は、ガソリン車の3分の1なのだ。つまり、燃料電池車はEVの9倍も燃費が悪い……!

これが、FCV第一の致命的欠陥である。

勝負あった、というより、はじめから勝負にならない。

9倍も燃費の悪いクルマを、いったい誰が買うというのか?

燃料電池車……水素がなければ、ただのハコ さらに、FCVには隠された欠点がいくつもある・・・

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ザ・フナイ 2018年4月号  マスコミのタブー100連発〈97〉 より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/

船瀬俊介公式facebook=  https://www.facebook.com/funaseshun

船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」=  https://www.facebook.com/funase.juku

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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