目の調節機能は、結構もろい
最近、世の中を騒がせている、スマホ老眼。
スマホ老眼をひとことで定義すると、目のピントを合わせる「毛様体の筋肉」(毛様体筋)を酷使しすぎて、目の調節機能にトラブルが起こるという状態です。
目のピント調節機能には、「水晶体」と「毛様体」という部位が関係しています。「水晶体」とは、いわば「カメラのレンズ」です。
「毛様体」には水晶体を支え、水晶体の厚みを調整する働きがあります。
私たちが近くを見たり、遠くを見たりするとき、毛様体筋が伸び縮みして、水晶体の厚みを変え、屈折力の大きさを調節してくれています。
遠くを見るときには、毛様体筋がリラックスして、水晶体が薄くなります。
近くを見るときには、毛様体筋が緊張して、水晶体が厚くなります。
このようにピントを合わせる働きは、健康な目なら自動調節をすることができます。けれども、それがスムーズにできなくなるのが一般的な「老眼」です。
老眼とは「老」という字が表す通り、加齢性の問題です。ところがスマホの使いすぎによって、若い人たちにも、「老眼」と似た症状が引き起こされているわけです。
誰が名付けたのかはわかりませんが、「スマホ老眼」。加齢による「老眼」とは異なるものですが、なかなかよいネーミングだと思います。
スマホ老眼の原因は、極めてシンプル。それは、毛様体筋の疲労です。
スマホと向き合うとき、目との距離はどうしても近くなりますよね。すると目は「近くを見る」モードになります。その際にかかる毛様体筋への負担たるや、実は相当に大きいのです。
毛様体筋への過剰な負荷が原因で、目のピント調節機能がおかしくなり、見たいものにピントが合わなくなってしまう……。
それがスマホ老眼です。
私たちだって働きすぎると、疲れたり、心身にトラブルを来しますよね。気つきにくいけれども、目も同じ。
やはり、「働きすぎ」「使いすぎ」はよくないのです。「目は非常にデリケートな精密機器」と覚えていてください。
けれども、スマホ老眼は治ります。本書で、正しい知識を身につけましょう。
5分間の瞑想で、勉強や仕事の効率までアップする
第3章では、普段の暮らしの中でスマホ老眼を解消するための「10の眼ケア」をご紹介します。
どの項目でもかまいません。まずは一つ、試してみてください。
日頃から目を酷使しているのですから、たった―つのケアでも、実践した直後に目の疲れが癒やされるのを感じるはずです。
そもそも皆さんは、大切な目をハードに使いすぎています。
「目は、いくらでも働いてくれる」、そう過信してはいませんか?確かに目は、ある程度までは働き者で、頑張ってくれます。
「仕事がある」とわかると、「しんどい」と感じていても、不平も不満も言わずに黙々と働いてしまう。
疲れているのもぐっと我慢して、仕事をこなしてしまう。
ただし目を働かせすぎると、トラブルや不調が一気に現れてしまいます。たとえば「今日はなんだか疲れたなあ」と、ソファに寝転んでいるとき。
どれだけボンヤリしていても、目はまぶたを閉じない限り、休めません。
もし「疲れたから面白い番組でも見よう」とテレビのスイッチをつけてしまったら、目はさらに働き続けることになります。
「今日は疲れた」と感じているときは、目だって疲れているはず。目もしっかり休めてあげるべきなのです。
眼科医の私が、皆さんにまず伝えたいメッセージは、シンプルです。
「あなたの目を、休ませてあげて!」そのためには5分間、目を閉じるだけでOK。
目のピント調節をしている毛様体筋や、神経を休ませることができます。目を閉じた状態は、毛様体筋がもっともリラックスした状態なのです。
目を閉じるだけなら、満員電車の中でも、苦もなくできますよね。さらに言えば、静かな場所で目を閉じる「瞑想」もいいものです。
スマホ老眼の撃退のみならず、目の奥の脳にまでメリットを与えてくれます。瞑想をすると、脳の緊張が解けます。
できれば、大きく深呼吸をするとベストです。深呼吸で涙が増えることがわかっていますし、さらには体全体のリラックスにもつながります。
瞑想で脳の緊張を解くと、そのあとの脳のバフォーマンスが驚くほど上がります。瞑想とは、簡単に言うと「頭をからっぽにすること」。
心配ごとや悩みごとも、いったん脇に置く。そして、目を閉じることで情報を遮断し、「頭をからっぽにすること」を徹底するのです。
瞑想で脳はリセットされ、集中力やモチベーションはみるみるアップします。勉強や仕事で結果を出したい人は、ぜひ試してみてください。
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