続・健康自立力 ‐後悔しない治療の受け方 田中 佳 (著)

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続・健康自立力 ‐後悔しない治療の受け方‐

薬の受け取り方、ことわり方

「そろそろ、この薬をやめてもいいですか?」と聞いても、大抵の場合「続けたほうが良いでしょう」といわれます。

薬を止めたら元気になるという話をうのみにして勝手に薬を減らしたり、中止したりする方がいます。

自己判断で中止することは必要な薬剤もストップする可能性があり、少々危険が伴いますのであまりおすすめできません。

また、もらった薬を飲まずに捨ててしまったことはありませんか?

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薬を飲んでいないと怒られるので、飲むふりをして毎回捨てている方もいらっしゃるようですが、薬剤廃棄することは貴重な税金をゴミ箱に捨てる行為で納税者へ失礼ですし、薬品によっては下水に流すと環境汚染の原因になる場合もあります。

ですから、医者側も、患者さんの訴えに耳を傾けて必要最小限度の投薬を目指すべきと思います。

なぜ必要最小限にしなければならないかというと、各薬剤には必ず副作用がついて回るからです。

副作用が出た場合、どの薬剤か原因かを特定することは困難なので全薬中止が基本です。

もし、本来は必要では無い薬剤が副作用の原因だったと仮定しますと、中止してはいけない薬剤(例 喘息の患者さんにとっての気管支拡張剤、狭心症の患者さんにとっての心臓血管拡張剤)が巻き添えを喰って投薬中止となり、命を危険に曝すことになりかねません。

また、薬剤相互作用(薬と薬の飲み合わせのことで、薬が効きすぎて副作用が出やすくなったり、逆に薬が効かなくなったりすること)はAとB、BとC、AとCという2種類の薬剤同士での影響力が検討されても、AとBとCの3種類同時の関係となると全く分かりません(薬剤師へ確認しました)。

逆に、受診の度に新たな症状をいえばいっただけ新しい薬が処方されるので注意が必要です。

たとえば、便秘といえば便秘薬、胃の不調なら制酸剤と粘膜保護剤、腰痛なら鎮痛剤、消炎剤、胃の薬(重複することもあり)、気が付けば、両手一杯に薬をぶら下げて帰ることになるのです。

そして、5~10種類内服していることはふつうなので、ほとんどの方は未知の領域にいることになります。

余計な危険性を減らすためにも、単に薬を飲めば良いという発想をやめましょう。何もおこらなければ幸運なのです。

また、患者さんのお薬手帳を見ながら「この薬はなぜ処方されているのですか?」と尋ねる
と答えられない方がほとんどです。

主治医を信頼しているからなのか、最初から理解する気がないのかはわかりませんが、副作用や薬剤相互作用といった薬害問題もあるので、処方された薬のことをきちんと知っておく必要があります。

そうすれば、「胃腸の薬が5種類も出ています、が胃腸の調子は大丈夫ですから薬を減らしてください」などと具体的にいえるようになるでしょう

(鎮痛剤のように胃へ悪影響が出やすい薬に胃薬はあったほうが良いこともあります)

そして、一度処方された薬は患者さんが中止を希望しない限り、原則変更はされません。

電子カルテの場合、「前回と同じ処方」のボタンを押すだけですし、医者としては下手に減らして具合が悪くなったといわれるのも困りますし、その対応に関する説明をする時間もないかも知れません。

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粘り強く、中止できそうな薬剤を見つけては交渉してください。

まずは、処方された薬の意味を自分なりに調べ、疑問を感じたら次回受診時に尋ねてみてください。

そして、必要がないと判断された薬はどんどん中止にしてもらってください。「必要」とは「必ず要る」ということです。

ひとつの作戦として「薬をもっと減らせませんか?」という質問を、受診する度にしつこくしてみることです。

別の聞き方としては、お薬手帳の薬をひとつひとつ指しながら「この薬がないと私の命は危険ですか?」と確認します。

どうしても必要な薬剤は絶対に減らすことはありません。「う~んどうしようかなー」と考える程度の薬は少なくとも「必要」ではありません。

「そこまでいうならこれを減量(中止)してみょうか」と思わせることです。

この時大切なのは、調子が悪くなるようなら再開(元通りに)すると伝え、「先生を責めません」というひとこと。

これで医者は救われるはずです(日本は「薬剤投与による弊害」よりも「何もせずおきた障害」似を重視する風潮が根強くありますので)。

あと、薬物に関する副作用などの情報は薬学部を卒業した薬剤の専門知識のある「薬剤師」
に確認してください。

薬剤の知識に乏しい医者に質問すること自体が間違いです。

見栄っ張りな医者も多いので、知識もなく「薬剤とその症状とは関係ありません」とうそをいわれることも少なくないので注意が必要です。


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