一生自分の足で歩く! 骨筋力ストレッチ 固い身体がゆるむ!

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一生自分の足で歩く! 骨筋力ストレッチ 固い身体がゆるむ! らくに歩ける! 誰でもできる1日5分体操 免疫力アップ! 臓器活性! 転倒知らず! 痛いが消えた! (Eiwa mook)

何歳からでも筋肉・骨へのわずかな刺激で病まない老いない身体に。

順天堂大学スポーツ医学教授、桜庭景植監修。 一生自分の足で歩ける快適な生活を

「荷物を運ぶのがしんどい」「階段をテンポよく登れなくなった」など、年を重ねるごとに筋肉の衰えを自覚することはあるでしょう。

しかし、骨の衰えを自覚することはありますか?

骨の衰えは筋肉と違い、ほとんど自覚症状がありません。圧迫骨折をした後で痛みが発症することはありますが、多くの方は骨の衰えに気づいてさえいないのです。

けれども骨も確実に、衰えています。

そして、先ほどの荷物や階段の話は、筋肉だけではなく、骨や関節、バランスも関係しているのです。

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本書では骨や筋力が衰えるメカニズムや、その結果発症してしまう症状、衰えを防ぐエクササイズを紹介します。

ぜひ正しい知識を得て、エクササイズを実践し、一生自分の足で歩ける快適な生活を送りましょう。

「ロコモにならない」ことが大切

筋力に加えてバランス能力も低下する

最近、とくによく注目されるようになった「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」。

ロコモは日本整形外科学会が2007年に提唱したもので、「運動器の障害により、要介護になるリスクの高い状態になること」です。

ここでいう運動器とは、体を構成し、支え、体の運動を可能にする器官のこと。私たち人間では、筋肉や骨、関節などが該当します。

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ロコモの原因はおもに三つ。「筋力の低下」、「バランス能力の低下」、「運動器の疾患」です。

一つめの筋力の低下でとくに気をつけたいのは、足腰の筋力の衰え。

足腰の衰えを示す代表的なものとしては、「足腰が弱くなったと感じる」、「つまずくことが多くなった」、「片足立ちで靴下がはけない」などがあるので、該当する人は注意が必要です。

二つめのバランス能力には、筋肉とともに神経系も関係しています。

たとえば、「歩いていて小石などにつまずいても転ばなかった」というときには、次のよう
な連携がスムーズに行われたことになります。

● 体勢を崩した瞬間に体の各部からの信号を脳が受信
      ↓
● 対応するための動きを脳が判断
      ↓
● 脳からの判断(信号)を受信した運動器がすみやかに動く

この連携も加齢によって衰え、それがロコモティブシンドロームの原因となります。

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三つめの運動器の疾患には、大きくわけて骨のトラブルと関節のトラブルがあり、骨のトラブルの代表例が骨粗しょう症(22ページ)、関節のトラブルの代表例には変形性関節症(24ページ)があります。

長寿国・日本を脅かす健康寿命の問題

ロコモ自体はガンや脳卒中のように、それ自体が命をおびやかす病気ではありません。では、なにが大きな問題なのでしょうか。

同じシンドロームである「メタボ(メタボリックシンドローム)」と比較してみましょう。

お腹が出てきた人を冗談半分に「すっかりメタボだなぁ」と表現することがあることからもわかるように、メタボは体型が関係します。

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正確には、「内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気(高血圧・糖尿病・高脂血症といった生活習慣病)が引き起こされやすくなった状態」と定義され、心筋梗塞や脳卒中など、死に直結しやすい生活習慣病の引き金になるといわれています。

つまり、メタボは体の内側の疾患につながるということ。それに対してロコモの先に待っているのは、転倒とその転倒による骨折という体の外側の問題です。

厚生労働省の発表によると2014年における日本の平均寿命は、男性が80 ・50歳、女性が86 ・83歳。大変幸せなことに、日本はいまや世界有数の長寿国となりました。

ところが、健康寿命(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)に目を向けると、平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約13年の差があるといわれています。

「ずっと健康でイキイキとした生活を送りたい」というのは多くの人の願いですが、なかなかそうはいっていないのが私たちの現実というわけです。

その健康寿命を短くしてしまうことの一つが、転倒・骨折です。

2010年度の厚生労働省の国民生活基礎調査では、高齢者が要介護になる原因のうち、転倒・骨折はおよそ10%も占めています。

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ロコモが注目されているのは、まさにその点。高齢になってからの転倒・骨折は、それによって寝たきりになってしまうことが少なくありません。

あらためていうまでもなく、寝たきりは本人だけでなく家族など周囲の人にとっても大きな問題です。

自分だけではなく、大切な家族や友人などのためにも運動器の健康維持は大切にしたいものです。

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