【風力発電を問う】風の祈り 第十章 ・緑の回廊について ・全国ワースト2!!

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一、日本自然保護協会からの報告

我が会に、「公益財団法人 日本自然保護協会」(理事長:亀山 章、以下「NACS‐J」)保護部の若松伸彦氏から電話報告があった。

「全国267カ所の陸上風力発電所計画の中で、【古平・仁木・余市ウインドファーム事業】計画が、ワースト2に指定されました!」。

その報告を受けた時、そのショックと共に、不謹慎だが、それに反する喜びも湧き起こった。

それは、これで計画が中止になるかもしれない、関電は諦めるかもしれない、という絶望からの希望でもあった。

2018年以降、公表された267件の「環境影響評価(アセスメント)」の書類を対象に、保安林や国立公園との重なり、希少鳥類の生息域の有無など、14項目で調査 分析した結果なのだ。

そして、4月6日公表の翌日、PRtimes、共同通信などに配信された記事が、主に地方紙を中心に掲載された。

記事によると、NACS‐Jは関電に対して、

「真に持続可能な再生可能エネルギー推進のため、生物多様性に重要な地域を避けるべきだ」と全面建設中止すべきを求めたが、関電側は「環境保全に十分配慮していると評価していただけるよう事業計画を検討する」に止まった。

それが、どう配慮しようにも、配慮しようがないほぼ100%原生林に、64基もの超大型風車を建設可能とするのか。誰の目にも明らかに無理無謀な計画。

環境相から中止を含む抜本的見直しを求めているにも拘わらず、押し通そうとしている。住民は、その裏側の抗争を知る由もない。

二、「全国ワースト2‼」何故?

その根拠となる、その全国ワースト10の表と評価をご紹介しよう。

ワースト1の「宗谷管内風力発電事業」(面積は東京23区の2倍以上で南北150kmもある広大な地域で150基の計画で、地域内は保護林や多数の絶滅危惧種の生息が予想されるにも拘わらず、どの場所に事業を実施されるか示されておらず、これでは正しい環境影響評価は行えず、そもそも環境配慮書の体が成り立っておらず、範囲を絞り再作成の必要があるという危うさのため1位にあげた。

その上で、2位の関電による仁木等の風力事業計画については、全国何百もの風力案件を見てきた立場としても、ほぼ全域が保安林100%などという内容は他に類例を見ぬ唯一の区域で、その植生自然の点においてこの計画は1番酷い、実質のワースト1であるとのこと)に次ぐこの事業。

何と、6位までが、環境立県、北海道・東北で占められている。(右頁下)


 
① 仁木余市古平の全体計画地の面積割合が、自然度9が95%、自然度10が2%、計97%も原生林で占められている。

②水源確保や土砂災害防止のために伐採が規制され、建設には国や知事の指定解除が必要な保安林が100%。

③希少生物の生息地の有無では、全国に500羽しかいない天然記念物の絶滅危惧種「イヌワシ」が、ここ一帯に生息している。

これほど、自然性が確保されている広域面積の候補地も稀で全国随一の稀少地なのだ。

生物多様性、動植物から微生物の果てまで保全する目的の「緑の回廊」を取り崩してまで、何故敢えて計画を強行せねばならないのか。

明らかに、自然に対する配慮が全く欠けていることは一目瞭然なのだ。

三、中國外資の暗躍

1位3位の「株式会社ユーラスエナジーホールディングス」は、完全に「豊田通商(中国)有限公司」の子会社であり、強引で確信犯的な手法の企業。

過去10年で50件の計画を進め、撤退例無し。4位6位の「株式会社グリーンパワーインベストメント」も同族会社、しかも石狩に建設中の「石狩湾新港洋上風力発電事業」の事業主でもある。

共に、環境への悪影響での偏差値指数が最も高いワーストトップ2である。

まさに中国資本采配の構図縮図である。

四、情報公開と生物多様性の保全

上記の理由の他に、NACS‐Jは、役場だけ昨年6月の1か月間のみ縦覧できた「環境アセスメント」の図書資料が、何故常時、情報公開されないのか、何故我々町民の眼に晒(さら)されないのか、何故議論の論拠を隠すのか、疑問を呈している。

当然である。不正を暴かれ、指摘されるのを恐れる余り、隠蔽しているとしか思えない。

そして、それを許諾している国の制度の在り方も問いたい。

持続可能な再生エネルギーであるならば、何故、生物多様性を永続的に保全しようとする住民との合意形成に道を開かないのか。

その為の話し合いの場を、何故持てないのか。何故避けるのか。何故、約束を反故に出来るのか。

何故、それが正々堂々と罷(まか)り通って、許されるのか。

五、世間常識を外れた関電の対応

関電は、22年9月の会からの説明会開催要求書に対し、翌月20日付けで、再生可能エネルギー事業本部から「農閑期での開催を約束する‥‥」との紙面文書を送付されて来たにも拘わらず、未だに開かれていない。再びと今は農繁期。

この町民との約束を、いとも簡単に破る企業の体質は、毎月のように報道される関電の不祥事が、そのまま反映されている。

その不誠実な姿勢が、到底自然への畏敬や保護や育成という愛護の心を持つはずもないのだ。

自然再生という美名に隠れた利権悪徳業者というも憚(ばばか)らない。

道も、町も、住民も、何故安易に同意出来るか。何か表沙汰にできない裏交渉があったのだろうか。

六,関電に「計画段階環境配慮書に関する意見書」

ちなみに、日本自然保護協会は、昨年6月30日、関電に対して「計画段階環境配慮書に関する意見書」を提出している。

その内容は、具体的に植生物、植生域を示して迫るものである。
 
「今後の課題と提言」

そして、今回のレポートの結論も6月の「意見書」と同様として、事業者に対して次のように述べて締めくくられている。

2022年6月30日
関西電力株式会社 御中

(仮称)古平・仁木・余市ウィンドファーム事業
計画段階環境配慮書に関する意見書

〒104‐0033 東京都中央区新川 1‐16‐10 ミトヨビル 2F
公益財団法人 日本自然保護協会
 理事長 亀山 章

日本自然保護協会は、 自然環境と生物多様性の保全の観点から、 北海道古平町 仁木町、 余市町および共和町で計画されている (仮称) 古平仁木・余市ウィンドファーム事業(事業者:関西電力株式会社、 最大総出力: 268,800kW、 基数: 最大 64 基) の計画段階配慮書 に関して意見を述べる。

本事業は下記のような懸念があり、 生物多様性の喪失などの自然環境面での多大な影響 が予測されることから、 事業計画を中止するか、 事業実施想定区域の抜本的な見直しが必要 である。(赤字・傍線は筆者付)
 
1,事業実施想定範囲のほぼ全域が自然度9と10のエリアである

事業実施想定範囲には、 風力発電機の設置想定範囲の尾根部を中心に植生自然度9のエ ゾイタヤーシナノキ群落などが広範囲に分布し、 一部の稜線東側の風背斜面には植生自然 度10の高径草原群落が分布する。

事業実施想定範囲の東寄りのルベシベ山 (793・1m) に はマイクロウェーブ波反射板があり、ルベシベ山よりも東の稜線沿いには登山道が存在するが、ルベシベ山の西側には、既設の登山道も林道も存在しない。

そのため、 風力発電機を設置するためには、工事用道路を新設する必要があり、広範囲の土地の改変および立木の伐採が予想される。

事業実施想定範囲は、 自然林が広範囲に分布する西側の積丹半島中央部と東側の余市岳との間に位置し、 同地域の森林が失われることで、 自然林の連続性が失われることが懸念される。

このような自然環境面で重要な森林を広範囲に開発する行為は、 自然環境保全上、行うべきではなく、そもそも本地域に建設を計画した事業者の見識が問われる。

2,道指定の余市鳥獣保護区の余市特別保護地区

事業実施想定範囲内には、稲倉石山東側の余市鳥獣保護区および余市特別保護地区が含まれる。

鳥獣保護区は鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に基づき、鳥獣の保護繁殖を図るために指定される区域であり、特に特別保護地区を事業想定範囲内に含めたことは、自然保護上の問題が大きい。

森林に生息する鳥獣の保護を目的とした余市鳥獣保護区および余市特別保護地区を事業実施想定範囲からは除外すべきである。

以上

よって以上のNACS‐Jの結論は、住民との十分な話し合いの場を設けることが喫緊の課題であることを提言している。

それを等閑(なおざり)にして、未だに一度の町と町民との集会も、町長が約束した説明会も開かれていない。

それに反し、事業者は、粛々として計画を進めている。この停滞した状況を、国は、道は、町は、どのように打破して行くのか。

この発表に前後して、青山繁晴参議院議員の経済産業委員会の質疑に対して、国の最終責任管轄、経産省における西村大臣の答えを傾聴したい。

七,「緑の回廊」青山議員国会質疑

3月17日、青山繁晴議員が、【経済産業委員会】の国会質疑にて風力発電のことに言及している。(出典及び画像:https://www.youtube.com/watch?v=Lvx0iAeUtuQより)

Q:青山繁晴議員

再生可能エネルギー、森の中の風力発電の問題について。

かつて岩淵議員が、「再エネだから、風力発電が皆イイ訳ではなく問題がある」と請求されまして、党派を超えて、大変感激しました。

党利党略ではなくて、国益を踏まえて言っています。

今回、ショッキングな事実を申し上げなければいけないのは、日本には国有林という保存されている森林がある訳ですけど、その中に国策として「緑の回廊」ってあるんですね。

これが、一般に知られているかはどうか、あまり知られていないと思うのですが。「回廊」という意味は、森の中では野生動物は、動かないといけない。

渡り鳥だけではなくて、森の中では、野生動物は自分たちのルートを使って動く訳ですよね。

「緑の回廊」というのは、国有林、日本の森林の中でも、野生動物の動くルートを一番確保しましょうと、いう事なんですよね。

所がですね、そこに課長レベルの通達で、「緑の回廊」に大型の巨大風車が、大量に設置して良しというのが行われていて、それが、実は農水省の資料を見ますと4カ所あるんですよね。

具体的に言うと、宮城の奥羽山脈の尾根筋の水の確保が一番大事な部分で、風車は尾根筋に横に並べて、大量に設置して良しとする、通達を出している。

これが奥羽山脈で言うと150基、同じ青森県の尾根筋で言うと130基。

工事で行われているところをドローンの写真で見ますと、言葉を失うような無残な状況なんです。

「これ一体何をやっているのか」という事で、今日は委嘱審査であって、農水省に無理においでいただけなかったんですが。

所管違いではなくて、このように風力発電のマイナス面の自然破壊を助長悪化させる行為は、エネルギーの担当官庁である経産省も当然、正当に関与されるべきだと思います。

西村大臣のお考えをお聴きしたいと思います。

ちなみに、これ、国会審議が行われていないですよね、この通達について。西村大臣よろしくお願いいたします。

A:西村経産大臣

再生可能エ年ルギーは共生、環境の保全など初めてです。

前提に再エネを最大限導入して行くという事、36%38%、2030年の実現に向けて取り組んでいるところです。

風力発電についても2030年5%拡大するという事で、ご指摘のように共生、環境配慮を行う事の前提で、設置の立地を促すことが重要であります。

ご指摘の「緑の回廊」でありますけど、事業者の中には、その活用を求める一方で、野生動物移動経路確保のために林野庁が設定しております国有林内での区域であることから、再エネの設置に際しては、事業者が環境影響評価手続きを行い、適切な環境配慮を講じているかを林野庁は確認した上で、当該区域の貸し付けを行うことがされています。

① 現時点で「緑の回廊」で計画されている再エネ事業への貸付許可が出た案件はないと承知しております。

② 「再エネ特措法」においては、環境法令順守を事業者に求めておりますので、仮に貸付許可取得前に事業を始めるなど環境法令違反、順守違反が認められたなら、認定取り消しなど含めて厳正に対処して行きたいと考えております。

③ なお、現在認定済みのご指摘の4案件でありますけど、国有林地の貸付許可は現在未取得であることを認識しております。

④ 引き続き、国有林野法など関係法令に基づく手続きを、その状況をしっかりと把握した上で厳格に対応したいと考えております。

Q:青山議員

今の大臣のご答弁を、敢えて自分の言葉に置き換えると、「おかしなことの前には、経産省は、自分の前に立ちはだかる」と理解しましたので、そこは、まさしくお願いしたいと思います。

私たちは超党派で現場を見るべきだと思います。岩淵議員のご質問にあった事を含めて、例えば、山の中に風力発電を作ろうと思ったなら、当然、機材を運ぶ道路が必要であります。

その道路は、とっても狭いのですという報告がなされています。

実際その道路を建設するためには、何倍もの山の中を切り拓いて、見ると無残なもので、その為に地崩れが現実に起きております、何カ所も何カ所も。

日本は水の国でありますから、それを自ら破壊する行為に、政府も関与しているというのは、「再生可能エネルギー万能論」というのは、いわば大きな間違いを生むし、日本は森が豊かなだけに、どうしても感覚が鈍い。

チョット位削っても大丈夫だろうという観念がおかしいと思うのです。(後略)

八、認められない今回の事業計画

西村経産大臣の答弁の中で、あえて番号を振った①と②において、「古平・仁木・余市ウインドファーム事業」は、自然度や稀少野生動物生息の観点からも、当然経産省としては、該当に当たらず、認められない。

仮に、町が「保安林解除」を道に申請して、工事を行ったならば、環境法令違反、順守違反で、認定取り消しという処罰を受けることになる。

③の国有保安林100%の山頂の尾根伝いに、貸付許可が出ることは、到底有り得ない。

既に、昨年8月23日において、経産省は、関電に対して、5日の環境相に続き、厳しい意見書を詳細に4ページに亘り、次項のとおり述べている。

題目(タイトル)のみ列挙すれば。(「仁木風」HP、「今日までの足跡」参照)


 
1,総論

(1) 対象事業実施区域等の設定
(2)累積的な影響
(3)環境保全措置の検討
(4)事業計画の見直し
(5) 関係機関等との連携及び地域住民等への説明

2,各論

(1)騒音に係る影響
(2) 水環境に対する影響
(3)風車の影に係る影響
(4) 土地の改変に伴う自然環境に対する影響
(5)鳥類に対する影響
(6) 植物及び生態系に対する影響
(7)景観に対する影響
(8)人と自然との触れ合いの活動の場に対する影響

以上の検討の経緯及び内容について、「方法書」以降の図書に適切に記載することを、関電に通達している。

九、道新、G7「環境相会合」に一石

さる4月22日、仁木町での第11回目の学習会。

「小樽余市周辺の地形と地質の特徴―地質災害に備えるために―」と題して、北海道教育大学・岡村聡名誉教授、地質調査士・石崎俊一、石井正之氏の三者による講演会があった。

その詳細は次号に譲るが、早速道新は、国の政策の在り方に対して疑義を呈していた。

〈小樽後志〉風力発電地域見据えた対話を  

北海道新聞 WEBサイト/つれづれ@余市支局 2023年4月21日付

札幌で先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が開幕した15日、仁木町内で風力発電に関する勉強会があった。

市民団体「仁木町の風力発電を考える会」のSTOP風車学習会。

小樽や余市、仁木周辺で進む計画について、専門家3人が周辺の地形や地質について講演、約50人が意見交換した。

道教大の岡村聡名誉教授は「計画地は地滑りが多発した場所。大規模な風車建設が誘発する危険性がある」と指摘。

主催者からは事業への反対署名が1万5900筆を超えたことも紹介された。

地球温暖化防止や今後の経済成長の鍵を握るとされる再生可能エネルギー。

道内は風力発電を中心に新規参入計画が相次ぐ。

ただ計画を巡っては各地で住民との摩擦が生じているのも事実だ。考える会は計11回の勉強会を通じて知識を深め、瀬川裕人代表は「住民の反対を押し切って巨大な風車を建てる意味はどこにあるのか」と訴える。

環境相会合では再エネ推進がうたわれ、道と札幌市は脱炭素エネルギー基地として世界に貢献することを誓った。

であれば住民理解は不可欠のはず。

地域を見据えた対話が求められる。

(伊藤圭三)

形だけのG7と環境相。今更、何の意義があるのか。

世界は、真剣に自然環境に向き合っていない。

一皮むけば、再エネは利権ビジネスであって、真に自然も環境も美名だけが往来しているに過ぎない。

欧米は、現実に再エネの無力を知ったのだ。

風力もソーラーも、既に遺跡と化している。

その在庫処分に、日本が利用されているのだ。

日本は草刈り場、ゴミ捨て場。何故、世界総がかりの日本取り込み、追い落としに気付かないのか。

即、目を覚ましたし。

十、「洋上風力の凋落!」やがて、日本も

突如、22日付の「日経」に、不穏なニュースが流れた。

洋上風力の世界最大手デンマーク「オーステッド」社に陰りが見えてきたのだ。

原材料高騰とコスト負担。そして、売電価格下落により株価はピーク時の半値。

皮肉にも、米エクソンモービルなどの化石燃料組が、3割増収。

脱炭素投資は2割減少。ドイツの為体(ていたらく)を見よ。

この世界的潮流は、歯止めが効かない。最早、時代の花形でも、成長株でもないのだ。

間もなく、この激震は日本をも直撃するだろう。

予測したとおりである。化燃のバックアップ電源なしの風車は元より脆弱なのだ。

風車は、脱炭素でも、温暖化防止でもない。ただの利権屋の投資ファンドに過ぎない。

十一、他山の石とすべき留寿都村の失態

突然、知人の長谷川裕崇氏から一通のメールが送付されて来た。

それによると、「―保証人のいない契約書の取り交わし―」の実態が露わになった、という。

これも留寿都村で起こった風車問題のとんでもない顛末だった。

ルスツ高原スキー場の約19万㎡の山上に風車15基を建設し、前述のワースト・トップ3外資の合同会社「インベナジー・ジャパン」に25年間貸し出すという契約を交わし、事業を開始。

村は、僅かの地代と20年で10億円の寄付に目が眩んだのか。

ところが、事業者の常套手段、倒産と投資ファンド目的のSPC(合同会社)への転売に依る責任逃れ。

貸借人の責務履行の連帯保証人に署名捺印が無く、社名には保証人が存在していなかった。

違法の契約書を取り交わしていたのだ。

何という杜撰(ずさん)さ。将来予測した事件が、しかも道内で既に起こっていたとは。

工事申請は、村長から道知事へ、そして経産大臣への手続き完了。

先の大臣の答弁も甚だ危うい。言葉で上辺を繕(つくろ)うが、実態は隠れていた。

長谷川氏が大臣へ、確定通知無効の訴状を出したが、札幌地裁では却下の判決。

全部不服としてさらに札幌高裁に控訴。

しかし、令和4年12月9日判決言渡しがあり、控訴棄却の原告敗訴となった。

かくも、目の行き届かない所で、不正が尤(もっと)もらしく罷(まか)り通っているのだ。

正に特措法のザル法と課長クラスの盲判(めくらばん)で、公共事業は施行され、最後は、自然が泣き、国民が泣く。

山上の風車を撤去するのは村。一基3億。15基で45憶を支払うのは村民なのだ。

何処にその財源があるというのだ。今の国のありようは、救い難い。

仁木町も、余市町も、古平町も、留寿都の二の舞いとならぬよう、首長は以て他山の石とすべきだ。

十三、仄(ほの)かに明かりが

この4月19日(水)13時半より、役場「委員会室」にて、さる3月22日(水)に付託された陳情書の『今後の審査の進め方』を、委員及び横関議長、計9名出席の許「総務経済常任委員会」が執り行われた。

その際、傍聴も許され、こちらから10名ほどが出席した。

いよいよ、風車問題が、公的に取り上げられた最初。第一関門であった。
 
① 町側への資料要求について
② 町側への出席要求について
③ 参考人の意見聞き取りについて 
④ 議会の総務経済常任委員会日程 について
 
① 町側への資料要求について
配慮書に開する

・仁木町、余市町が道知事へ提出した意見書とその回答(下記文書「今日までの足跡」参照)
・自然保護団体からの意見書(5p参照)
・経済産業大臣からの意見書(9p参照)
・町で対応してきた事項について、どのような対応をしてきたのか時系列に沿ってまとめる

② 町側への出席要求について

・町長、副町長、総務謀長、財務課、住民環境課長、教育長(開係する課の課長)

③ 参考人の意見聞き取りについて

・陳情書の主旨説明と意見聞き取りを行う
・参考人は代表ほか2名の計3名

さて、来る5月11日は、会側から3名出席して「意見聞き取り」についての主旨説明が行われる。我々の声が、初めて会議場で響く記念すべき日になろう。傍聴可能。

まさに全国「ワースト2」の汚名を晴らすべく、仁木町議・町民一丸となって、健全で健康で賢明な町の再建作りに邁進せられんことを。

統一地方選挙、新たなる「町議選」も、七月から始まる。

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宮下周平

1950年、北海道恵庭市生まれ。札幌南高校卒業後、各地に師を訪ね、求道遍歴を続ける。1983年、札幌に自然食品の店「まほろば」を創業。

自然食品店「まほろば」WEBサイト:http://www.mahoroba-jp.net/

無農薬野菜を栽培する自然農園を持ち、セラミック工房を設け、オーガニックカフェとパンエ房も併設。

世界の権威を驚愕させた浄水器「エリクサー」を開発し、その水から世界初の微生物由来の新凝乳酵素を発見。

産学官共同研究により国際特許を取得する。0-1テストを使って多方面にわたる独自の商品開発を続ける。

現在、余市郡仁木町に居を移し、営農に励む毎日。

著書に『倭詩』『續 倭詩』がある。