便秘の害と治療

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森下敬一 健康談話 より

━■健康談話■━

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月刊誌「森下自然医学」掲載
「温故知新」から引用

肉食・甘いものは大敵

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便秘を引き起こす原因はいろいろ考えられるが、最大の原因は甘いものの摂り過ぎと、肉食の過剰にある。

甘いものは腸の壁をたるませてしまい、肉食は腸機能の混乱を起こすことによって、便秘を招くのだ。

国民の大多数が、肉食による便秘に悩まされているアメリカでは下剤が一番多く売れ、年間600億円をくだらないという。

肉や卵は、いわゆる繊維分が少なく腸の粘膜を刺激することも少ないので、消化された食物は、腸管内に停滞しがちだ。

そのため水分の吸収が進み過ぎて、便は異常に堅くなって、秘結してしまう。

もっとも、この肉類は、腸内で異常分解を起こしやすく、そのために腸の粘膜が炎症を起こしたり、ただれたりすると、逆に下痢を招くことにもなる。

ともあれ、肉類の常食は、便秘を起こし、次いで腸内において腐敗発酵を起こす。

その毒素 が吸収されて、血液を著しく酸毒化するため、悪質な慢性疲労(アンモニア疲労)を招いたり、あるいはノイローゼや不眠症を起こす。

疲労、ノイローゼ、不眠症のほとんどは、便秘からくると考えてよい。

そして便秘によって引き起こされたこれらの障害は、今度はそれが原因となって、いっそう頑固な便秘を引き起こす。

つまり、悪循環をきたすわけである。便秘は、弛緩性、痙攣性、直腸性の3つのタイプに大別できる。

弛緩性便秘とは腸とくに大腸の緊張が緩み、腸の内容物を移動させるための蠕動が弱く、そのために便が停滞する場合である。

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一般に、白米・白砂糖を過食し、内臓下垂の傾向をもっている日本人にこの種の便秘が多い。

とりわけ虚弱体質・低血圧・胃下垂(あるいは子宮下垂)のある場合にこの弛緩性便秘となりやすい。

痙攣性便秘は、腸の壁が過度に緊張し、絶えず痙攣を起こしているために、便の移動が、ストップし、その間に便に含まれる水分が必要以上に吸収されて、秘結してしまう場合である。

このタイプの便秘症になっている人は、顔色に精彩がなく、皮膚はうすぎたなくたるみ、目はドンヨリして、しかもイラ立っているといったノイローゼ氣味の特徴をもっている。

直腸性便秘は、大便が直腸内にまで達していながら排便できないもので便意を抑制する習慣のある人に起こりやすい。

便秘の害と治療

現代日本人の食生活は、精白食品と動蛋食品が中心となっているので、便秘の様相も複雑になってきている。便秘をすると停滞している便が発酵したり、腐敗したりする。

そこから発生した有毒ガスや毒素が老廃物と一緒に血液中に吸収される。

その有害成分が、全身を巡って行って、内臓細胞や神経細胞などに漂着して、頭痛、吐き氣、胸やけ、めまいなどを起こす。

このような状態が進行すると、慢性病に移行する。

とくに起こりやすいのは、高血圧、動脈硬化症、肝硬変などであり、場合によっては脳出血、狭心症によって突然死を招くこともある。

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同時に皮膚の表面にも発疹や吹き出物ができやすく、肌が荒れたり、たるんだりする。

これは、便秘によって、腸内で生成された異常老廃産物や毒素が血液中に吸収され、これらの毒素が発散していく場合の姿としてあらわれたものである。

また、便秘はノイローゼの温床になりやすい。

便秘をすると血液が汚れ血液中の酸素成分はどの体細胞よりも、微妙な働きをしている自律神経機能の混乱を起こしやすい。

とくに、肉・卵を多食している場合はあぶない。これらの消化物が腸内に停滞して、異常発酵すると、アンモニア、アミン、硫化水素、インドールなどのきわめて有害な毒素を発するからである。

これらの毒素は、不眠や疲労の原因となるという別のルートからも、二重三重に神経症を助長する。

この他に、便秘によって腹圧が高まり、横隔膜が押し上げられたり、大動脈が圧迫されたりすると、脳圧高進による頭重・頭痛、心悸高進や心臓肥大、それに呼吸困難などが起こる。

また、下大静脈の圧迫は、子宮、卵巣、膀胱および直腸などにウッ血を起こし、生殖器疾患や痔疾を招く。

さらに、糞塊の大腸壁に対する慢性的な刺激は、上位消化管に反射的に投影して、咽喉、食道、胃にガン腫をつくる。

このように便秘の弊害は果てしなく広がってゆく。便秘などたいしたことはないとタカをくくっていると、取り返しのつかないことになろう。

できるだけ早くその対策を講じておく必要がある。

それには、まず便秘を招きやすい食品を極力避け、便通促進効果をもつ食品を極力利用することだ。

とくに、白砂糖と肉をやめて、アズキ、ヒジキ、サツマイモ、コンニャクなどを極用を大いに助長するのは、酵素、葉緑素、胚芽の三大強化食品だから、これらもぜひ活用したい。

腸のリズムを整え、排便のキッカケをつくるために、次のような点に注意する。

まず夜寝る前に食物をとることは極力控え、遅くとも12時までには床につくようにして、睡眠を十分にとり、胃腸を十分に休息させるという準備態勢を整える。

その上で、朝起きた時、少量の飲み水で胃に刺激を与えたり腹部に物理的刺激を与える。

たとえば、梅干番茶を1杯飲む。塩ひとつまみ入れた冷茶を飲む。

また腹部マッサージや縄跳び運動など。自分に合った効果的な方法を見つけることが大切である。

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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