消化力が低下している時に役立つ食物の組み合わせ論

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レッスン27 食物の組み合わせ

食物エネルギー組み合わせの効用

「食物の組み合わせ」とは、一度に複数の食物のエネルギーを活用することで、最適な恩恵を得ることです。

まず、一緒に食べ合わせることがない食物を考えてみましょう。次に一緒に食べたい食物を全て思い浮かべてみましょう。それが食物の組み合わせです。

大抵の人はシェフがメニューを考える、あるいは、こだわりのある人がある食物の代わりに他の食物を選ぶなど、ある種の組み合わせを実行しています。

食物の組み合わせ理論は、消化メカニズムに基づいています。

人間の消化管は主に3つの領域( 口、胃、小腸)から成り立ち、それぞれから別の消化液が出ています。

唾液は口内の消化液ですが、デンプン( 炭水化物)の消化に作用する酵素であるアミラーゼを含んでいます。

胃液は胃の中の食物に作用しますが、特定の食物に応じ、様々な酵素で構成されています。

たんぱく質にはペプシンが必要で、脂肪にはリパーゼが必要です。

理想的な状態は、こうした酵素が一度に一回、あるいは同時に機能するのであれば互いに補い合う形で働く時です。

酵素が対立すると、まとまった食物は上手く消化されません。例えば、ペプシンはたんぱく質に作用し、非常に酸性です。

アミラーゼは炭水化物を消化しますが、非常に酸性な環境で中和されます。全粒穀物と豆類は交じり合って上手く消化できますが、果物と豆類は上手くいきません。

果物と動物性食品、炭水化物と動物性食品も上手く消化できません。

適当な組み合わせも大切ですが、タイミングも大切です。ある食物は他の食物よりも早く消化されることがあります。

例えば、メロンは20~30分、生の果物は1時間、複合炭水化物は2~3時間で消化されます。

そのため、リンゴと一緒にメロンを食べる、バナナと一緒にサンドイッチを食べるのは適当ではありません。

食物の組み合わせ論は、消化力が低下している時や病気の時に特に役立ちます。

病気の時、大抵の人はシンプルな食べ物1つか2つ、緻密な準備をせずに食べます。

食物の組み合わせという考えは、栄養に関する明確な理解を促し、何が上手く融合可能かを理解する際に役に立ちます。

Exsecise27 組み合わせ冥利を知る

一緒に食べると不味い、お腹が痛くなる、オナラが溜まる、下痢になるなどのため、食べないようにしている食物リストを作りましょう。

次に、一緒に食べるのが好きでお腹に上手くおさまる食物の組み合わせリストを作ります。

消化に問題がある場合は以下の考えを試し、直感を使ってどのような恩恵が得られるか確かめてみましょう。

❶メロンは単独で食べましょう。メロンの消化は他の食物よりも早く、単独のほうが胃が最も上手く働きます。

❷調理済の穀物と生の果物、特に柑橘類は別に食べましょう。

ミカン、グレープフルーツ、その他の柑橘類は穀物よりも酸性です。酸性はアミラーゼを破壊するため、炭水化物の消化を阻害します。

例外として、少量のレモンジュースは大丈夫です。例えば、サンドイッチをレモンジュース入りのドレッシング付きサラダと一緒に食べるほうが、オレンジジュース1杯とサンドイッチの組み合わせよりも消化が容易です。

❸豆類と果物を一緒に食べないようにしましょう。それぞれ別の消化液を必要とするため、消化が上手くいきません。一緒に食べざるを得ない場合は、豆類を食べた後、最低15分間はデザートやジュースを飲まないようにしましょう。

❹消化不良が継続的に続いている場合、その日の別の食事時に、たんぱく質と炭水化物を食べることで食事を簡素化させましょう。

1つか2つ代替が利く食物と合わせて朝食に食べるようにし、昼食はたんぱく質(豆類、豆腐、チキンなど)とサラダ(または他の野菜など)、夕食はお米と野菜にします。

以前のレッスン内で紹介した内容と矛盾するように思えるかもしれませんが、この情報は一日を通じて、炭水化物、たんぱく質、脂質の栄養欲求を満足させるための改良点として考えてください。

❺特定の組み合わせを推奨している料理本、食事マニュアルに注目しましょう。消化力を高めるハーブや海藻があります。

❻食物アレルギーの場合には食事を簡素化しましょう。アレルギーを軽減させるために食事ローテーションを取ることは、多くの食物の組み合わせ原則に則ります。

❼穀類と一緒に発酵食品(漬物)を摂りましょう。あらゆる組み合わせの中で、穀物と一般的に活用されている発酵食品との組み合わせは非常に価値があります。

日本人は味噌汁と漬物と一緒にご飯を食べ、ドイツ人はザワークラウトと一緒に黒パンを食べます。インドの人はご飯と発酵豆(ダル)の他にチャツネ(発酵果物)を食べます。

サルサ、キムチ、ヨーグルトも昔ながらの発酵食であり、穀物と共に食べられてきた歴史があります。

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月刊マクロビオティック 2019年04月号より

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Julia Ferré

北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。

GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。

新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。

HP:www.JuliaFerre.com

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