穀物の生命力を感じる【生命力は命を生み育む力】

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レッスン25 生命力① 全粒穀物

生命力は命を生み育む力。それは命の働きであり命の可能性でもある。生命力により、命が持続する。

生命力は神秘です。種を考えてみると、小さくて硬くて丸い物であり、命が宿っていないように感じます。

ところが、水を加えると変わります。湿気を吸い、外皮が割れ、芽が飛び出てきます。

土に植えると根を張り、茎が伸び、成熟し、花が咲き、種を作ります。命のサイクルが続いていくのです。

あなた自身もご自分の生命力のお蔭で生きています。あらゆる食物には生命力が宿っているため、食べることでそれに触れることができます。

今回は、全粒穀物の生命力を感じましょう。穀物の粒に宿る膨大な生命力のお蔭で、1000年後でも芽が出るのをご存知ですか?

スペルトやカムット、アインコーンなどの古代の穀物は、エジプトのピラミッドの墓などで見つかり、何千年も眠りについた後でさえ水に浸すと芽を出します。

この生命力は穀物の粒にあり、粒には外皮(糠)と内側の部分(胚乳-炭水化物を含む穀物のデンプンの部分)があります。

粒の中には胚種もあり、粒の脂肪を蓄え、穀物が発芽する場所でもあります。

粒が芽を出すと、胚乳内にある微少な生命植物を生みます。それが大きくなると、発芽中の植物は外皮を押しのけ、根と新芽が出てきます。

このように、穀物の生命力は粒全体に存在しています。そのため、穀物が精製され外皮と胚種が取り除かれると、活力、ビタミンB群、食物繊維( 外皮にある濃縮栄養素)、ビタミンE( 胚種に存在)が無くなってしまいます。

生命力を失った精製穀物は、発芽できないという点が重要です。

穀物の栄養面を考える必要があるのは明らかです。

全粒穀物が推奨されるのは、自然が意図した通り全ての栄養素を含んでいるためです。

何千年にも渡り人類を生きながらえさせ、先祖の食物でもありました。また、普遍性があり、地球上の人々が食べることができ、栄養失調とそれに付随する貧困を抑えることができます。

私が全粒穀物を勧める際によく理由に挙げるのは、その膨大な生命力であり、栄養的に命を養い生きながらえさせることができ、新たな植物と新たな命を生み出す力があるためです。

Exsecise25 穀物の生命力

調理前に2~3時間玄米を浸水させ、玄米の生命力を感じてみましょう。別の機会に玄米を調理した時と同じ尺度、鍋、タイミングで行います。

今回は、お米を噛む際、できるだけ長く最初の一口を噛み、唾液と穀物を混ぜます。

浸水させないで炊いた穀物と味が違っていませんか?この方法で料理し、食べることで、信じられないほどの甘味を穀物から味わうことができます。

穀物を浸水させることで得られる恩恵は次の通りです。

①より均一に穀物に火が入る

穀物は植物の種であるため、保管前に湿り気を取り乾燥させられます。

調理前に浸水させることで穀物が水分を吸収し、粒の内部にある胚乳が膨らみます。

調理する際に、熱がより容易に粒の内部に浸透し、穀物全体に火が通りやすくなります。

このプロセスには浸水させないで料理する場合とおよそ同じ程の時間を要しますが、食感と味がわずかに違ってきます。

②消化しやすくなる

酵素阻害物質とフィチン酸により穀物が分解されないため、穀物には驚くほど長期間に渡る貯蓄力があります。

この点は、冬を通じて米袋一つで生活できるという大きな価値があります。

この阻害物質とフィチン酸は消化系には余り良くはありませんが、浸水させることで中和されます。

③穀物の生命力を活性化できる

浸水させることで酵素と炭水化物が活性化します。それが発芽の最初の段階に当たります。

お米(他の穀物)を24時間浸水させ、水を流し、繰り返し浸水させ、ゆすぎ、水を流すと粒から芽が出ます。

24時間では完全に芽が出ないかもしれませんが、穀物が膨らみ、生命力が活性化し、食用にとって大変好ましい状態になるには十分な時間です。

何世紀もの間、特に水に浸して調理することで、穀物は無数の人々に生命力を与えてきました。

あなたの直感を活用し、穀物の生命力を感じ、自身の生命力をサポートするため、穀物の最良の活用方法を学びましょう。

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月刊マクロビオティック 2019年01月号より

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Julia Ferré

北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。

GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。

新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。

HP:www.JuliaFerre.com

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