国産原料・伝統製法にこだわった「春雨、くずきり」

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今月のFACE 生産者紹介金正食品(奈良県御所市宮戸)

●日本独特の春雨発祥の地、大和

白く繊細な麺を茹でると、透明な糸のようになり、春先にそぼ降る雨を思わせる「春雨」。粋な名前から日本発祥の食べ物かと思いますが、春雨のルーツは中国にあります。

日本へは禅宗の普茶料理とともに鎌倉時代に伝来したといわれています。

中国では粉条子(フェンジョウツ)といい、緑豆のでんぷんを原料に作るコシの強い食感が特徴です。

日本での本格的な春雨製造は1930年代に奈良県桜井市で始まりました。

日本産の緑豆でんぷんでは製造ができず、馬鈴薯(じゃがいも)や甘藷(さつまいも)でんぷんを利用して日本独特の春雨を開発したといわれています。

その製法を教え伝える人がいたおかげで、現在も大和地方には春雨製造工場が複数あり、地場産業のひとつとなっています。

ムソーの「国内産・春雨」を製造する金正食品も、葛城山の麓・御所市にあります。

●国産原料・伝統製法にこだわって

「国内産・春雨」のこだわりのひとつめは原材料。

北海道産の有機馬鈴薯から作ったでんぷん(75%)と九州産の甘藷でんぷん(25%)のみを原料とし、ミョウバンやCMCなどの増粘剤を一切使用せず、見栄えをよくするための漂白剤も使用しません。

ふたつめは昔ながらの製造方法。

まず馬鈴薯でんぷんと甘藷でんぷんを熱湯で餅状に練り上げ、ごく小さな穴から強い圧力をかけて熱湯の釜の中へ押し出します。

金正食品がこだわるこの「加圧押し出し方式」によって、コシの強い麺線ができるのです。

湯通しした春雨を冷まして竿にかけ、くっついた麺線を一本一本糸状になるよう手でさばき、-15℃の冷凍庫で24時間から48時間かけてゆっくり冷凍した後、解凍します。

わざわざ一旦冷凍する理由は、水分が凍ったあとに残る表面のでこぼこと麺線中の微細な空洞によって、味がしみやすく煮崩れしにくくなるからです。

最後に外気の入る屋内で3~5日かけて乾燥し、おいしい国産春雨が出来上がります。

●ヘルシーで手軽な乾物

金正食品はムソーの「国内産・くずきり」も製造しています。

北海道産の有機馬鈴薯から作ったでんぷんに福岡県産の本葛を7%加えた国産原料100%の品で、こちらも食品添加物は一切使いません。

製造方法は原料を水で練ってシート状に延ばして蒸し、冷蔵庫で冷やし、麺線状に切って温風乾燥します。

「春雨もくずきりも、その日の気温・湿度・天候などによって水分量や水温、作業時間を調整しながらの手仕事。

毎回安定した品質のよい商品を作るため、気が抜けません」と三代目社長の吉川正博さん。

少量で満腹感があるので、春雨スープはダイエット志向の女性にも大人気です。ヘルシーで手軽な乾物、春雨&くずきりをキッチンに常備しませんか。

春雨の製造方法

❶ コシの強い春雨を作る 「押し出し」

❷ 熟練の手作業 「竿かけ」

❸ じっくり乾燥した春雨


ムソー 国内産・春雨 100g

21641(ムソー)国内産・春雨 100g

259円 税込価格 240円 本体価格

【原材料】 馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉

ココがGOOD!

★ 北海道産有機馬鈴薯から作ったでんぷんが主原料

★ 加圧押し出し方式によるコシの強さ

★ 歯ごたえ・味つきのよい春雨



ムソー 国内産・くずきり 100g

21642(ムソー)国内産・くずきり 100g

335円 税込価格 310円 本体価格

【原材料】 馬鈴薯澱粉、本葛

ココがGOOD!

★ 北海道産有機馬鈴薯から作ったでんぷんが主原料

★ 福岡県産の本葛を加えて風味アップ

★ 手頃な価格、お惣菜におやつに


春雨の使い方

もどし方…熱湯に数分浸して柔らかくしてから、水気を切ってご利用下さい。沸騰したお湯で2~3分程お好みの固さに茹でてもOK。炒める場合は少し固めにもどします。

●サラダ・酢の物…もどした春雨に、きゅうり・人参・ハムなどを加え、マヨネーズやドレッシングで和えてサラダに。三杯酢をかけて酢の物に。

●炒め物…お好みの肉や野菜を炒めて味付けし、最後にもどした春雨を加えます。

●鍋物…煮立ったお鍋にもどさずそのまま入れ、柔らかくなれば召し上がれます。

その他、すまし汁やスープ、春巻・餃子の具に。もどさず細かく砕いてフライの衣に。

くずきりの使い方

●熱湯で約3分ゆでて…鍋物やすき焼きに。

●熱湯で約7分ゆでて…三杯酢・辛子醤油・ドレッシングなどで和えて酢の物やサラダに。

●熱湯で約10分ゆでて…黒蜜・蜂蜜・果汁をかけて冷菓に。

緑豆はるさめとの違い

協和の「緑豆はるさめ」(21632)」は、中国山東省龍口産の輸入品。

緑豆でんぷんだけを原料に、食品添加物を一切使わず、中国古来の製法により緑豆の特質をいかした品で、「国産・はるさめ」より弾力に富み、熱に強く、長時間茹でても溶けません。

「中国と日本では食文化の違いがあります。緑豆はるさめは麻婆春雨やチャプチェ(炒め物)に、国産春雨は和え物やサラダ、さっと火を通す鍋物に、と使い分けて」と金正食品の吉川正博さん。

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月刊「むすび」 2012年02月号より

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