海藻は日本人の健康にとって重要な食品【わかめは優れたバランス食】

シェアする

森下敬一 『食べもの健康法』●わかめ

朝のみそ汁の「具」には、わかめ、ねぎ、豆腐、油揚げ、大根の5つの食品がくりかえし用いられているという。

ある家庭雑誌の調査である。なかでも一番頻繁に用いられているのは、わかめ。

日本人の食生活は、今大変に乱れている。

そのために体質も悪化しているのだけれど、海藻食が健在なかぎり、改善の余地は大いにある、と考えてよい。

海藻は、われわれ日本人の健康にとって、それほど重要な食品なのだ。

「海草」などと書かれることが多いから、単に、海にはえる草ぐらいにしか考えられていない。

だが、陸上の植物、すなわちふつうの野菜とは、根本的に異なっている。

例えば、わかめでは、茎はあるけれど、葉体を支える役目をしているだけで養分の通路にはなっていない。

根は岩に取りつく吸盤の役割をはたすだけで、養分を吸うためにあるのではない。

つまりわかめは、海水中に溶けこんでいる養分を葉体そのものから吸収するのである。

このような特殊な存在であるために、わかめは全体が均質にできている。昆布やひじき、その他の海藻類についても同様だ。

均質であるから、わかめはどの部分をちぎって食べようと、完全なバランス食なのである。

一般の野菜では部位によって栄養成分が異なっているから、根と葉をバランスよく食べる工夫をしなければならない。

完全なバランス食であるわかめは、血液性状のかたよりをなおす効果が大きい。しかも、汚れて酸毒化した血液を、正常な弱アルカリ性にする作用を持っている。

わかめはすぐれた浄血食品なのだ。

ガンをはじめ、高血圧、慢性胃炎などの慢性病について色々と論議されているけれど、要するに、いずれも血液の汚れが原因になっている。血液が汚れるから、体細胞の働きが狂うのである。

浄血食品であるわかめが、慢性病の防止に有効なのは当然の話であろう。

わかめに大量に含まれているヨードは内分泌機能を正常化し、性ホルモンの分泌を促進する。

このため、皮脂の代謝を正常にして、ハリのある肌をつくるとともに、卵巣や子宮の機能を健全化する。

江戸時代の初めのころから、西日本では、妊娠ときまると、古いわかめを方々から買い集める習慣があった。

産後の古血を清めるために、出産後、火に1~2度、57日間は欠かさず食べたという。すばらしい生活の知恵だ。

もちろん、出産とは無関係なときも、大いに食べるべきものである。

「たばこのみにはわかめのみそ汁がよい」とは昔からいわれている。みその有害物質吸着作用が、わかめの浄血効果を大いに助けるものと考えられる。

■わかめの菜飯

材料(6人分)

・玄米・・・3カップ
・ミネラル水・・・4カップ
・自然塩・・・少々
・大根葉・・・適量
・ごま油・・・大さじ1
・しょう油・・・大さじ1
・干しわかめ・・・10g

<作り方>

①玄米は圧力釜で炊き上げます。

②大根の葉は細かくきざみ、大さじ1杯弱のごま油を熱して炒め、しょう油大さじ1杯で味をつけます。

③干しわかめはパリッと焼いて細かくもみます。

④炊き上がった玄米飯に②を混ぜ、器に盛った上に、もみわかめを散らします。

■わかめの酢の物

材料(10人分)

・生わかめ・・・140g
・小松菜・・・200g
・合わせ酢(米酢大さじ3、みりん大さじ2、自然塩小さじ1、しょう油小さじ1)

<作り方>

①わかめは湯と水で洗い水気を切って細かく切ります。

②小松菜はさっと塩ゆでして3cmぐらいに切ります。

③合わせ酢をつくり、①②を和えます。

【こちらもオススメ】


自然医食のすすめ―血をきれいにする健康の原理
 森下敬一(著)

なぜ、断食後の回復食が大事なのか・・「腸粘膜」の研究

くらげは気管支粘膜を健全にしてタンの解消に卓効をあらわす


森下先生の提唱する【腸管造血】を今一度、世に問いましょう! ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。

森下自然医学メールマガジン 

無料登録はこちらから⇒ https://ws.formzu.net/fgen/S64007955/

oem_doctor_morishita

森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

森下敬一 著作特集はこちらから