しじみはすぐれた造血・強肝作用がある

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森下敬一 『食べもの健康法』●しじみ

黄疸にかかって、さんざんしじみ汁を飲まされた経験の持ち主は結構多いはずだ。

しじみが、黄疸の特効食品であることは、つとに知られている。そして、しじみは日本中のほとんどの地域の川、池、湖、沼で取れる。

旬は夏で「土用しじみは腹ぐすり」といわれているかと思えば、寒しじみの味は最高と聞かされている。

また、歳時記では春の部に入れられていて、「瀬田しじみ藤咲きしかば甘からん」(十七星)などと詠まれている。

要するに、どこでも、いつでも入手できたわけだ。

しじみが、黄疸に卓効をあらわすのは、第一にビタミンB12が豊富なため。B12は赤いビタミンと呼ばれているもので、強肝作用が著しい。

そしてコバルトが含まれている。

コバルトは、微量元素で、すぐれた造血・強肝作用をあらわす。さらにアミノ酸の一種であるタウリン酸が多く含まれ、これは胆汁酸と結合して解毒作用をあらわす。

しじみを食べると、体内でこれらが総合的に働いて、肝臓の炎症を治すと共に、機能の強化がはかられるので、典型的な肝障害の一つである黄疸に著効をあらわすのである。

同様に肝臓病全般、胆のう炎、胆石症などにも有効。

さらに寝汗、むくみ、ニコチンの解毒などにも効果をあらわす。肝臓の機能が強化されるため、夜盲症その他の目の障害にも有効である。

今、肝臓障害の症候はなくても現代人は、しじみの薬効を活用することが望ましい。

それは、肉食や不自然食、公害食のせいで、みんな多かれ少なかれ肝臓機能の失墜を起こしているからだ。

前述のように、しじみにはかなり強力な造血作用がある。

それは、B12、コバルトなどの造血促進因子による。

そのため、しじみを常食していると、貧血症が防止でき、キズの治りも早まる。

病後や産後の体力回復も早められ、母乳のでもよくなる。なおコバルトには、成長促進作用も見られる。

そのほか、カルシウム、鉄、カロチン、ビタミンB1などの有効成分も含まれているので、虚弱体質の改善に卓効をあらわす。

しじみには、脳神経の興奮を鎮める作用もあるから、イライラしやすい人、不眠症の人も大いに活用したい。

以上のようなしじみの薬効を最大限に引き出すには、みそ汁にするのがいい。

みその有効成分と相乗効果をあらわすからだ。それにしじみに含まれるコハク酸がみその風味と最高にうまくマッチする。

しじみの薬効を手軽に、より効果的に活用するためには、健康食品としてのしじみエキスを利用するのも賢い方法だ。

■しじみのみそスープ

材料(4人分)

・しじみ・・・1カップ
・セリのみじん切り・・・適宜
・だし汁・・・4カップ
・みそ・・・60g
・三つ葉・・・5本
・かぶ・・・5株
・くず粉・・・大さじ2と1/2

<作り方>

①しじみは真水の中で砂を十分はかせておきます。

②せりはよく洗い、根ごとみじん切りにします。

③だし汁にしじみを入れ火にかけ、煮立ってしじみが口をあけてきたら、みそをといて入れ、煮立つ寸前にせりを入れ、火を止めます。

■ しじみのむきみとねぎのみそ和え

材料(3人分)

・しじみのむきみ・・・50g
・ねぎ・・・大1本
・麦みそ(甘口)・・・適宜
・しょうが汁・・・少々
・ミネラル水・・・適宜
・自然酒・・・小さじ1
・自然塩・・・少々

<作り方>

①しじみのむき身に自然酒小さじ1杯をふりいれ、塩少々で煎り煮します。

②ねぎは小口から薄くきり、サッと熱湯をかけ、ざるにあげておきます。

③みそにしょうが汁とミネラル水を加え、適当な濃度のみそをつくり、①②をあわせて、③で和えます。

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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