船瀬俊介連載コラム
イチョウ茶
おもな含有成分と効能
イチョウの葉の主成分は、フラボノイドとギンコライド。フラボノイドには、血液粘度を下げる作用があり、ギンコライドには、血管拡張作用や血栓溶解作用がある。
よってイチョウ葉は、脳血管障害に著しい効果を示す。またギンコライドには、アレルギー増悪因子となる血小板の活性化を抑制するはたらきもある。
イチョウ製剤には、血糖値を下げる効能もある。
こぼれ話
「従来、脳血管障害やそれによる認知症に効果を発揮する薬はありませんでした」と国立小倉病院の水野修一医師は語る。
「その常識を打ち破ったのが、イチョウ葉のエキスだったのです」
ある女性患者は、立ちくらみなどの症状を訴え、診察の結果、多発性脳梗塞と判明。急速に重症のボケ状態に陥った。そこでイチョウ葉エキスを処方したところ、1カ月後には完治。
本人自身が「どうやら私は死んでおったようです」と笑って礼を言ったという。
妻を亡くしてから認知症が現れ、奇矯な言動が目立つようになった82歳の男性も、多発性脳梗塞だった。
イチョウ葉エキスの投与で、3カ月後には、トイレ、着替えも自分でできるようになり、おまけに高血圧症まで改善されたという。
お茶のチカラを知ろう!
イチョウは、秋には鮮やかに色づき、並木通りを黄金色に輝かせる。高い香りを放つ銀杏をひろって楽しむ日本人も多いが、イチョウの葉がヨーロッパに大量に輸出されていることえお知るひとはどれほどいるだろう。
ドイツ、フランス、スイスなどでは、日本産イチョウ葉を原料として、血管性疾患治療薬が病院で処方され、市販もされているのだ。
フランスでは、イチョウ製剤の名称は「タナカン」。この薬が開発された頃がちょうど、田中角栄元総理大臣の就任時期と服なるために、この名がついた、というウソのようなホントの話なのである。
先にヨーロッパで薬効が認められたイチョウは、最近、多発性悩梗塞が増えてきた日本でも注目されるようになった。
多発性悩梗塞とは、脳に小さな梗塞がたくさんできた状態。梗塞のない正常な部分と、梗塞のできた異常な部分が混在して、奇妙な人格を形成することもある。
俗に「まだらボケ」と呼ばれる症状だ。
前出の水野医長は、「認知症の進行を抑えることはできても、死んだ脳細胞はもとに戻らないので、イチョウ葉を用いるなら、初期の段階。また中高年は、症状は出なくても一種の予防薬として用いるのがよい」とアドバイスする。
予防薬として、というなら、イチョウ茶として日常的に摂取するのは、ベストな方法だろう。
更年期にさしかかって、肩こりや頭痛、腰痛が現れたという女性は、イチョウ葉エキスを摂るようになって、症状が和らぎ、若い頃からの冷え性もなくなった、という。これも、血液の流れが改善された例である。
つくり方
イチョウ茶は、イチョウ製剤ほど効き方はドラスディックでなくしても、おだやかな効能がある。
①葉は8-9月の緑の濃い季節に採取。天日で十分に乾燥させ、細かく裁断して密閉容器に保存。
②1日分大さじ1杯のイチョウ茶を、コ ップ 1 杯半ほどの水に入れて、 5 ~6分煮出すと、やや褐色の色合いをしたお茶になる。
• かすかな苦みはあるがそれほどクセはない。
• レモンを入れてレモンティー風に。アイスティーにしてもハチミツを入れても、おいしい。
科学的実証例
• イチョウだけに含まれる成分ギンコライドは血管を拡張し、血管を溶かし、多発性脳梗塞によるボケを防ぐ(国立小倉病院内科・消化器科水野修一医長)
• アレルギー憎悪因子となる血小板の活性化を抑制する(鈴木医院 鈴木秀夫医長)
• ニワトリの飼料に混ぜ、産卵寿命の延びや老化防止効果を実証(常磐植物科学研究所)
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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家
著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。
『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。
独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。
船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/
船瀬俊介公式facebook= https://www.facebook.com/funaseshun
船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」= https://www.facebook.com/funase.juku
著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。