森下敬一 健康談話 より
━■健康談話■━
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月刊誌「森下自然医学」掲載
「温故知新」から引用
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森下敬一医学博士の「腸粘膜」の研究 なぜ、断食後の回復食が大事なのか・・
それは、腸の粘膜は「大きなもの」まで取り込んでしまうからである。
腸の生理的機能を解明するためには、実験動物を飢餓状態においてみると大変はっきりする。たとえばウサギを用いて死に至るまで色々な状態に置いてみるのだ。
その過程で、飢餓状態のウサギは木製の飼育箱をかじり、遂には、自らの体毛をも食べるようになる。
それゆえ 餓死したウサギの腸内には、オガクズのような木材の細片と体毛の断片とがモジャモジャとつまっている。
そこで、これらが存在する部分の腸を切りだし、その部分の腸粘膜を精細に観察してみると、いくつかの驚くべき事実が発見される。
図1、2は、腸粘膜における最外側部、つまり腸の内腔から最も遠い距離の一部で、そこには全く消化されていない木片や体毛がみいだされる。
これは、もちろん内側の絨毛組織(じゅうもうそしき)を経て、最外側のこの部にまで到達したことを意味する。
また、この写真でも判然としているように、木片や体毛は、ほとんど全く消化されていない。
木片には木目がみられ、体毛には、その中軸部を貫いて存在する赤血球の配列が鮮やかである。
話は横道にそれるが、体毛というものも実は赤血球でつくられていて、それが毛質(ケラチン質)に変わるのだ。
であるから、毛の中央部には、赤血球がぎっしりと並んでいる。
その状態がここではっきり認められる。毛質内に配列するのは、みな赤血球で、中央部がちょっとへこんだ赤血球特有の中凹円板状をなしている。
このように、体毛は全然分解されていない。
消化分解されないままで、腸の粘膜を通過し、このように一番奥まではいり込んでいる。
いまの生理学の教えるところによれば、このようなものの、何千分の1か、何万分の1か、何億分の1かに分解された大きさにならなければ、けっして腸の粘膜は通過できないということなのだ。
ところが、こんな大きなものが、もとのかっこうのままで、腸の粘膜を堂々と通過していって、しかも、一番奥まではいり込んでいる。
腸の粘膜
ということは、腸の粘膜それ自身に、こういうものを取り込む性質があることを教えている。
そう考えないと理解できない現象だ。
腸粘膜は巨大なアミーバーよう組織なり ―― と述べるゆえんである。
そういう意味で、これは非常に大事な写真でもあるわけだ。
この問題と関連して、2、3年前の秋に、ドイツの消化器病の第一人者のフォルクハイマー教授が、こういうことを述べている。
動物に、ビニール製の小さな球 ―― 仁丹の粒を何千分の1かにしたような小さなもの ――や、あるいは酵母などを与える。
もちろん、口から取り入れさせるのだが、やがてそれらは尿の中からも出てくる。これはドイツだけではなく、ヨーロッパのちょっとした話題となった。
口から与えた物が尿の中に出てくるということは、現代医学の常識からいえば、たいへんな出来事なのだ。
どうしてか? といえば、その物は、まず腸の粘膜を無きずで通過しなければならない。
腸の粘膜を無傷で通過し、そして、血液と一緒にからだの中を循環して、今度は腎臓を通り抜けなければ、尿の中に出てこれないからである。
このように、二つの 関門があるわけだ。
食べた酵母が、生きたまま尿の中から出てきたということは、腸を無きずで通過し、そして、もう一つ、腎臓の壁をうまいぐあいに切り抜けたということである。
このようなことが、いまドイツでも問題になっている。これは、「消化」の概念を再検討せよ、ということなのだ。
腸の粘膜は、細分化された食べ物を物理的に吸収する、というのではなくて、もっと大きな分子または粒子のまま取り込む、ということの証明である。
そのようなことから、断食後の回復食には非常に氣を使わなければならないのである。
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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士
お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者
東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。
新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。
独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。
著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。