〝栄養常識〟は完全に覆った【濃縮・加工食品は胃をだまし過食、肥満に】

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船瀬俊介連載コラム

マスコミのタブー200連発〈120〉(月刊『ザ・フナイ』)

完全菜食の超人アスリートたち――〝栄養常識〟は完全に覆った

完全菜食(ヴィーガン)で体内は「調和」する

先月号で、ヴィーガン(完全菜食)療法の奇跡をお伝えした。

それは、「万病を治す」……と言っても過言ではない。

では、なぜ動物食(アニマルフード)から植物食(プラントフード)にシフトしただけで、難病まで治ってしまうのだろう?

今や、菜食療法の世界的権威コリン・キャンベル博士(米コーネル大教授)は、こう断言する。

「そこに、あるのは『調和』です。数多くの栄養素が絶妙に『調和』する。それにより病気は治っていく……」

逆にいえば、肉食者は、動物食をすることで、自らの体内の「調和」を乱している。

「調和」が乱れるとは、病気になる――ということだ。

なぜか……?

ほんらい、人間は肉食をする〝動物〟ではないからだ。

これをいうと、必ず反論してくる輩がいる。

「それは、ウソだ。古代人は狩猟民族だった。動物食こそ人類の原点なのだ」

なるほど、小学生のときの教科書の絵を思い出す。古代人は、マンモスを追い詰めて殺し、その肉を食べていた(!?)……。

日本の縄文人のイラストも毛皮をまとって、ヤリや弓を持っている。それは狩猟のためであった。

それで、イノシシやクマを狩って食べていた。

それが小学校から植え付けられた、古代人のイメージだ。

それを根底から覆す発見がある。

古代の屈強な剣闘士たちは皆、菜食だった

トルコ、エフェソスの遺跡。そこには多くの剣闘士が埋葬されている。

少なくとも68体の遺骨が考古学者によって復元された。

その人骨の分析で驚くべきことがわかった。

まず、剣闘士たちの骨密度は著しく高かった。法医学博士ファビアン・カンズ氏は解説する。

「それは、激しい訓練と良質な食事によって強い筋肉と骨格が作られた証しです」

古代文書によれば、剣闘士たちは〝ホーディアリ〟と呼ばれていた。意味は 〝大麦を食べる人〟。

放射性ストロンチウム値で剣闘士たちの骨を測定し食事内容を分析した。

その結果は――。

「剣闘士の多くは菜食主義だった……!」

格闘家のプロが菜食だったなんて!

栄養学の〝常識〟とは、相容れない。

これは、まさに栄養学がまちがっていたことの証明なのだ。

しかし、いまだ医者や栄養士は「肉を食べなさい」と勧める。

彼らは、古代の剣闘士たちが菜食だったことなど夢にも知らない。

そして、まず第一にフォイト栄養学に〝洗脳〟されている。この栄養学は、かつてドイツのミュンヘン大学(生理学)に45年間も君臨し〝近代栄養学の父〟と称えられるカール・フォン・フォイトが唱えたものだ。

彼は「動物たんぱくは優良たんぱくで、植物たんぱくは劣等たんぱくである」と唱えて、さらに、こう宣言している。「肉食こそ最良の食物である」と、ドイツ国民に「2倍以上肉を食え!」と、勧告した。

さらに「炭水化物は栄養が乏しい。食べないように……」と、メチャクチャな説を唱えた。

まさに彼こそマッド・サイエンティストそのもの。

この狂った学者に〝栄養学の父〟の称号を授けたのが、ロックフェラー財団であった、ということは前号で述べた。

わたしは確信する。ドイツ国民に「肉を2倍以上、食べよ」と命じたフォイトの背後には、まちがいなく食肉業者が存在した。

さらに、畜産業者と癒着していたことは、100%まちがいないだろう。

それは、現在でも変わらない。

「肉を食べなさい」と著書で書いている医者が、食肉団体の顧問だったり、「ステーキを毎日食べてる」という文化人のスポンサーが食肉業界だったり。まさに、癒着例は枚挙にいとまがない。

そして、馬鹿正直な大衆は、「ああ、やはり肉は体にいいんだ」とコロリ、だまされる。

年間50万人の胸を切り裂くバイパス手術

しかし、肉を食べると、さまざまな悲劇が人類をおそう。

それは、ほんらいあるべき人類の体内の「調和」を乱すからだ。

心臓病が、いい例だ。

肉の中にはコレステロールが大量に含まれる。

それは、ほんらい人間を含むすべての動物が持つ自然物質であり、細胞壁の重要な成分となる。

しかし、肉や乳製品に含まれるコレステロールは、別物である。だから、〝悪玉コレステロール〟と呼ばれる。

その動物性コレステロールを摂ると〝脂汚れ〟(プラーク)となり、血管壁に沈着して血流を妨げる。それが心臓の冠動脈疾患の原因となる。

わかりやすくいえば、不整脈や心筋梗塞。脳動脈が詰まれば脳梗塞。

いずれも致命的な結果をもたらす。それがポックリ病だ。医学用語ではアテローム血栓症。人類の25%は、これで命を落としている。

ガンによる死亡より多い。野生動物に、この症状はいっさい見られない。なのに人類は4人に1人が、この症状でバタバタ死んでいる。

「食いまちがい」の代償は大きい。

現代人の〝知性〟は、もはや動物以下である。

地球上でもっとも愚かな〝動物〟……それが、人間なのだ。

その愚かさに輪をかけたのが、現代医療である。

ドキュメント映画『フォークス・オーバー・ナイブズ』が、以下、その失敗を告発している(以下、引用、写真は同映画より)。

―― 1 9 6 7 年、アメリカに渡った若きアルゼンチン人医師が、画期的な心臓病治療法を開発する。

その名は、ルネ・ファバローロ医師。彼は世界初の〝バイパス手術〟に成功した。

それは、患者の足の血管を、冠状動脈の閉塞部に移植し、血流を回復させる、という革新的な方法だった。その手術風景には、顔を背けてしまう(写真1)。

今では、年間50万人以上が、この生々しい手術を受けている。

その費用は、なんと1回10万ドル(約1080万円)……!

手術費用だけでも500億ドル近い驚倒する金額が、このアクロバティックな手術に投入されている。

濃縮・加工食品は胃をだまし過食、肥満に

1970年代、ハワイで医療に従事していたジョン・マクドゥガル医師。

彼は、人々の健康状態を調査して、奇妙な事実に気づく(写真2)。

アジア育ちの一世は極めて健康で、心臓疾患や前立腺ガン、大腸ガン、乳ガン、リウマチ、多発性硬化症、肥満……などとは、まったく無縁だった。

80代や90代でも健康そのものだった。

……ところが、二世たちは太り、病気が目立ってきた。さらに、三世以降は肥満と病気だらけなのだ。

「まちがいなく食生活が原因です」(マクドゥガル医師)

彼は一世たちの食生活こそ理想的だった、という。

「米や野菜が中心でした。しかし、二世は米の代わりに動物性食品や乳製品を食べ、肥満と病気になっていた。それで、病気の原因がわかりました」

アメリカ人の食生活が悪化した元凶は、この国の農業政策にもあった。

1973年、米国議会は新農業法を可決。それは、トウモロコシの大量生産を奨励するものだった。

その生産拡大の副産物が「異性化糖」だ。砂糖に比べて、極めて低コストの甘味料だったため、企業は争ってあらゆる食品に使い始めた。

こうして、より低価格の加工食品が市場にあふれた。

この加工糖は、きわめて高カロリーだった。

それでも、添加食品の売り上げが激増した理由は、濃厚になり続ける〝味付け〟にあった。

進化心理学者ドー・ライル博士は「これら濃縮食品が肥満を増加させた」と明言する(写真3)。

そのメカニズムは、胃の「受容体」にある……という。

「胃には張力『受容体』や、食べ物の密度・濃さを測る密度『受容体』があります。自然食品なら500キロカロリーで、受容体は刺激され、脳に『満腹だ』と伝達します(写真4左)。

ところが、同じカロリーでも、加工食品では『受容体』は、だまされ、脳に『足りない』と送信する(中)。さらに、純粋な脂肪となれば何の刺激も起きない(右)」(ライル博士)

これで、過食、肥満の原因は明らかだ。

「加工食品ばかり食べて、満腹感を得られず、食べ過ぎてしまう」(同)

脂肪分にいたっては、胃は満腹中枢を刺激しないので、底無しの食べ放題になってしまう。ブクブク太るのはあたりまえだ。

「快楽のワナの例は薬物と依存症です。薬物が神経の快楽経路を乗っ取る。すると、高揚感と興奮が起こる。濃縮食品や加工食品には同じ効果がある。糖分、脂肪分、塩分を食品に加えるために、大切な繊維質、ミネラル、水分さえ取り除かれてきた。こうして、加工食品でも依存症になるのです」(同)

具体的にはコーラ、ハンバーガー、フライドチキン……などなど。

いちど、これら〝ジャンクフード〟で餌づけされると、中毒を止めるのが難しい。

シカゴ市衛生局長で菜食療法を指導しているテリー・メイソン医師は警告する(写真5)。

「貧しい人々は、良い食品を選ぶことすら困難。第一に高カロリーで貧しい栄養の食生活が問題です。

彼らの健康状態も食品も、あらゆる面でひどい状態です。加工食品の依存度が高く、危険も高い。こうして、ますます困窮する。

周りにあふれる加工食品は手軽で簡単で引き付ける。こうして、より塩辛い、脂っこいものを好むようになる」(メイソン医師)

勃起不全は心筋梗塞、脳卒中の予兆だ

乳ガン克服、鉄人レースで金メダル獲得

ヴィーガン超人アスリートたちの記録映画・・・・

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ザ・フナイ 2020年3月号  マスコミのタブー200連発〈120〉 より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/

船瀬俊介公式facebook=  https://www.facebook.com/funaseshun

船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」=  https://www.facebook.com/funase.juku

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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