天地自然と生きる【五大は天理即生理】

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札幌の自然食品店「まほろば」主人 宮下周平 連載コラム

前回の記事:中国侵略防衛と自給農地取得 論【「コロナと生きる」後篇】

― 第二段 ― 天地自然と 生きる

十、「今、茲(ここ)」に

さて、毎日、農作業の中で、書にしたい言葉や詩が生まれます。その「農書(のうがき)寸言(チョコット)」の一つがこれです。

十一、人は外で暮らすDNA

私達人間・ホモサピエンスの誕生の歴史は、脱アフリカから20万年と言われている。(諸説あり)

16万年を経て、ほぼ3万8千年前の岩宿時代を経て、1万6千年前の縄文時代から現代に至る。

竪穴住居の縄文早期には、初めて住居という名の付く物が建造されて家に入った。

言って見れば、岩穴や樹上などから、自らの建造物で内に籠った記憶は、ごく最近のことで、そのほとんどが戸外で雨露を忍んで過ごしていたことになる。寿命も、当然短かった。

地上に姿を現したその19/20は、人は自然と共に外で、生活して居たことになる。

全くその心は解き放たれて、自然と一体だったのだ。

我々の遺伝子の中の記憶は、ほとんどが外の光景であり、交渉であり、一員なのだ。

だから、戸内の生活や仕事は、本来苦手なのだ。

それは、記憶にないから。喜びや幸せからかけ離れる不安と生理反応が起こる。

都会での会社勤めは、本来最も遠い仕事でもあったのだ。

十二、五大は、天理即生理

古来、東洋の哲学宗教では、この天地自然は、「五大」のエレメント(ELEMENT)で成り立っている、と言われています。

古代ギリシアの哲人たちも異口同音に伝えています。

それは、何でしょう。

地・水・火・風・空に加えた識、六大でもあります。

● 地

裸足になって、大地に立てば、体中の鬱とした重たい氣が、地にスゥーとアースされ、毒氣が抜けてしまいます。外で、兎に角、足を使って歩きませんか。

大地とピッタリ重なり合う自分が居ます。大地のエネルギーを足から吸い込めば、我は母の地に帰るのです。

● 水

乾いた喉に一杯の水。体中に沁み渡る滴々の水。血中の微々に、内臓の隅々に、神経の先々に、水滴が零れるように伝わって行きます。

体の循環は、自然の循環。一滴の川上の水から川を作り、大河になり、大海原に注ぎ、再びと蒸気になって雨となり雪となって山から始まります。水は、天地の旅に誘います。

● 火

正に、太陽。その日差しこそ、万物を生成化育するエネルギーなのです。この日差しを存分に体内に取り入れる。

燃焼のエネルギーこそ、活動の源です。

日に当たる、陽を浴びる。殊にヴィタミンDは、射光の栄養素、免疫のバネ。冬場には、外に出て大いに太陽の恵みを浴びねばなりません。

● 風

澱む空気、籠る気持ち。それを取り払ってくれるものこそ風の勢いです。

清浄に払拭してくれる原理こそ風の力。心の迷いを一掃してくれる外の風こそ、大いに当たるべきなのです。

「五風十雨」は、泰平の世の象徴です。

● 空

小さい家の空間に、自己を押し遣るとその鋳型の心になります。

一旦外に出て、碧(あお)い空を見上げれば、広々とした天地一杯の心になります、自分になります。

自然が、大いなる自分となる不思議な一瞬を知りましょう。

● 識

識とは意識であり、こころの事です。

自然を作りなすこの五大に慣れ親しめば、自ずと心は天地の心、自然の体になり、自己が開放されます。

清々しい、広々とした本当の自分に戻りましょう。

それには、自然に帰ることです。

古代の人々は、自然の中で暮らし、自然と共に暮らして幸せでした。

私たちも、幸せになりましょう。

天地と人間とは、原理も構成も一緒だったんですね。清浄な光が、やがて歓喜の光と輝きだします。

(『新規就農2年生日記「地水も火風もあの空も」』まほろばだより2017年8月参照)

十三、人類の発生

地球が誕生してから46億年。

果たして、人類は何時誕生したのでしょうか。地球のスタートを、1月1日の0時とします。

すると3月初め頃、生命らしきものが誕生します。そして5月の初めに光合成のシステムが出来てシアノバクテリアなどの藍藻類が発生し、9月の初め15億年前には真核生物が誕生します。

11月の終わり頃になって、海から陸上に生命が進出出来ました。

そして、除夜の鐘を撞(つ)く77秒前の12月31日23時58分43秒に人類がこの地上に誕生するのですね。

人類は、今生まれたばかりなのです。

地球の主宰者のような顔をしていますが、とんでもない新参者も新参者、オギャーと泣くだけの赤ん坊なんですね。

ウイルスやバクテリアの微生物は、言ってみれば大大大先輩な訳で、頭が上がらない。彼らは、ミクロの大巨人。

マクロの大集団な訳です。私たちの人格は、彼らの組織体で、自分であって、自分でないのです。

頭のほんの一部だけが自分と錯覚しているだけで、あとのほとんどは、彼らに牛耳(ぎゅうじ)られているんです。

むしろ彼らその物と言っていいでしょう。

人を構成する細胞の90%は、人の細胞ではなく、細菌だったのです。

そしてその遺伝子の45%はウイルスだったのです。そして、人の腸は、一つの生態系であったのです。

だから、コロナウイルスなんて怖がることはない。生きても死んでも、彼らとともに38億年の旅をしているんですね。

むしろ一緒にその太古に戻る訳です。それは、地球誕生の以前にまで戻れるのですから。

続きはこちら:医学の錯覚と妄信の原因【再びとコロナ・ウイルスを問う】

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宮下周平

1950年、北海道恵庭市生まれ。札幌南高校卒業後、各地に師を訪ね、求道遍歴を続ける。1983年、札幌に自然食品の店「まほろば」を創業。

自然食品店「まほろば」WEBサイト:http://www.mahoroba-jp.net/

無農薬野菜を栽培する自然農園を持ち、セラミック工房を設け、オーガニックカフェとパンエ房も併設。

世界の権威を驚愕させた浄水器「エリクサー」を開発し、その水から世界初の微生物由来の新凝乳酵素を発見。

産学官共同研究により国際特許を取得する。0-1テストを使って多方面にわたる独自の商品開発を続ける。

現在、余市郡仁木町に居を移し、営農に励む毎日。

著書に『倭詩』『續 倭詩』がある。