レッスン9-2 私にとってのカタリストとは何か
私にとってのカタリストとは何か「カタリスト」とは、大きな変化、人生を変えるような体験、人生という途上にある分かれ道でどちらに進むか、新しい道を進むかを選ぶことになるものを指します。
人それぞれ、人生の節目となる出来事があります。転機です。
マクロビオティックの考え方は、「変わるものがあるとすれば、それは全てが変わるということ」。ただし、そこには陰陽の法則( 宇宙の秩序と十二の定理)が必ず介在します。
最も安易な表現としては、「この世の中は相反する2つの力( プラスとマイナスなど)で構成されている、という事実からは逃れることができない」ということでしょう。
この事実をマクロコスモス(大宇宙)に求めるために望遠鏡が生まれ、ミクロコスモス( 小宇宙)に求めるために顕微鏡が生まれました。
そこにある事実は、コスモスの基となる素粒子は陰陽で構成されており、時には有形( 陽)、時には無形( 陰性)に変化するとこしえのエネルギー( 気)の流れ、ということです。
無形の流れは意識を集中させないと有形になりません。
カタリストを積極的に活用( 全活用)するとは、人生の節目を設定するということです。
誰しもが共有する大きな節目( 新年、年末、新学期、卒業式、入社、退社、結婚など)に人は笑い、泣き、あらゆる感情を表現しますが、それはカタリストを設定し、そこに気を集中させているからでしょう。
一方、意識せずに何かが起こり、それがカタリストとなることもあります。
誰かの不意の死は典型的な例です。
訃報を聞いて「虫の知らせがあった」と言う人もいます。もしその出来事が回避できる( 回避したい)出来事だった場合、あなたはどうしますか?
カタリストを上手く活用することの意義は「自分の人生に責任を持てる」ということです。言葉は時として人々を誤解させます。
「ベジタリアン」という言葉が「野菜を食べる人」ではなく、「活力を持って生き生きと生きる人」という本来の意味から乖離して使われているのは、そのように使いたい方々のカタリスト意識( 意図)があることが明白です。
この文章を書いている今、この瞬間こそ、私にとってのカタリストとなります。
この文章を読んだ方が、これをカタリストとして、マクロビオティックという考え方を全活用していかれる一助となれば幸いです。
Exercise 9 カタリストを思い出す
ここでは自身の人生でカタリスト(変化のキッカケ)となった出来事を振り返るエクササイズを行います。
まずは、目を覚ますようなカタリストな出来事を思い出してみましょう。ゆっくりと落ち着いて行います。
思い出しにくいようであれば何かに助けを借り、細かい点まで考えていきましょう。
極端に思い出したくないことを選ばなくても良いです。
<エクササイズ>
①体験を思い出し、その時の考えを思い出し、自分にとってプラスとなった点を挙げましょう。
具体的な点です。何が起こり、どう対応し、何をしましたか? 直ぐ必要としたのは何でしょう? 長い時間に渡る影響は何だったのでしょう? 何か変わりましたか?
②例えば、「○○○をしなくてはならなかったから、○○○という出来事が起こった」などの具体的な記憶を思い出してみましょう。
感情(喜び、希望、恐れ、不安など)や関連する気持ちも同時に思い出すようにしましょう。これもできる限りゆっくりと行います。
③体験の中でプラスと捉えることができる点を見つけることにベストを尽くしましょう。
ポジティブ・ネガティブな想い、感情、行動が変化を引き起こします。ポジティブな態度が長い変化をもたらすことが理想です。
良い方向に長期にわたる変化を生み出しているのであれば、お祝いをしましょう。
④ポジティブな余韻を残してエクササイズを終えましょう。
マイナス・プラスの想い等の刺激からスタートしたとしても、自分のためになるようなことをしたということを思い出しましょう。
その刺激を一通り受け入れる力強さと勇気が自分に備わっており、この力は常に活用でき、常に自分を励ましてくれるということを思い出しましょう。
カタリストは大きな出来事の予兆になります。それらは行動様式の変化以上のものです。
自分の奥底から来る直観的・本能的な予兆であり、それが自分の力を活性化させるのです。
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Julia Ferré
北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。
GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。
新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。
foodandintuition-jp.jimdo.com