船瀬俊介連載コラム
砂糖をとると頭がよくなる?
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砂糖も背景には巨大利権が潜んでいる。
つまりは砂糖メジャーである。だから、かれらは砂糖有害論に対してあらゆる手段で対抗し、デマ攻撃で潰しにかかってくる。
これは肉食や牛乳への有害論への業界団体の反撃と同じである。食肉には畜産振興事業団、中央畜産会……etc
牛乳には全国牛乳普及協会などの強大な販売戦略組織が控えている。
同様に砂糖業界には、日本製糖工業会(電話O3.3288.1151)という業界団体がある。いわば砂糖業界の利権を守るための企業枠を越えた共同戦線である。
これらメジャー業界は、実に巧妙に世論操作をしている。
電車に乗っていてビックリする広告を見た。「砂糖は脳の栄養索…」といった文面に驚いた。
つまり「砂糖をとると頭がよくなる」と大々的に広告しているのだ。最後に「歯磨は、忘れずに…」とあったのはご愛嬌というべきか。
製糖工業会に問い合わせた。
「各砂糖メーカーさんが出資した『砂糖を科学する会』が出した広告です。この会は、センセイがたに入っていただいて、新しい情報を集めたり、提供したりしております」(総務部)
つまり、この会は砂糖業界の御用学者の集まり。巨大な広告料も砂糖業界が丸抱えで出している。
「つまり、ブドウ糖は、脳のエネルギー、栄養の供給源です…ので『砂糖を食べよう』と…」(総務部)
これは、あまりに暴論珍説だ。後で述べるように砂糖は逆に「キレる脳をつくる」のだ。それを「頭をよくする」とは…!
似たような悪質デマ宣伝、マインド・コントロールは、あまりに多い。
キレない脳は肉・砂糖からのデマ宣伝
たとえば、今年八月二十六日のテレビ番組を見ていて首をひねった。
TBSが午後四時半から放映した『爆笑問題のスパスパ人間学』である。人気コントコンビ「爆笑問題」が、現代の疑問をわかりやすく解説する…という仕掛け。
当日のタイトルは「キレにくい脳を作るには?」。その結論にはビックリした。「脳は糖分とアミノ酸を栄養源にしている。だから砂糖と肉をとることです」。
これはあまりに乱暴ムチャクチャな論法だ。
人間がアミノ酸を吸収するのは、胃腸の消化酵素が食品のタンパク質をアミノ酸に分解するからだ。
だから、豆類などの植物タンパク質でもいっこうにかまわない。
逆に肉食は大腸癌死を4倍、糖尿病死を3.8倍、心臓病死は、食べた量に比例して増やすなど、きわめて問題が多い。
豆類などのほうが、はるかに良質タンパク質なのだ。さらに
「肉ばかりを与えたネズミは、菜食ネズミにくらべて攻撃的になる」という報告もある。肉をたべると逆にキレやすくなるのだ。
これは、つまり「脳にはアミノ酸が必要だから、タンパク質をとりましょう」というべきところを「肉を食べるとキレない脳になる」とやった。
背景には、まぎれもなくスポンサー筋(つまり肉関連業界)の圧力があったことは、まちがいないだろう。
続きはこちら→ 清涼飲料の成分が「ネズミを凶暴化」
月刊マクロビオティック 2000年12月号より
【前回の記事】
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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家
著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。
『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。
独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。
船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/
船瀬俊介公式facebook= https://www.facebook.com/funaseshun
船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」= https://www.facebook.com/funase.juku
著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。