腸内環境と動物性タンパク質の関係

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がんを作る食事② タンパク質の多い食事と便秘 文)岡部賢二

便が出にくいと異常発酵し毒素発生

がんを引き起こす原因の二番目は、タンパク質を含む食物の過剰摂取です。

がんの方に共通するのが腸内環境の悪さで、昔、汲み取り屋さんがいる時代は、がんの方のいる家がすぐにわかったそうです。なぜなら、汲み取るときの臭いが異常にい家庭には、必ずといってよいほど、がんの方がいたのだそうです。

大腸の働きは、食物中の水分を吸収し、残った塊を便として排させることです。

食事をしてから8時間~24時間以内に便が出るのが健康な状態ですが、3日~1週間も便が出ないと、腸内で異常発酵し、腐敗毒素が大量発生します。

そして、その腐敗毒素が大腸内の毛細血管で吸収されると、自家中毒状態を引き起こします。

様々な有害物質の元に

腸内にいる大腸菌には、大きくわけて善玉菌と悪玉菌があり、悪玉菌の大好物は動物性タンパク質です。

分子量の大きなタンパク質は善玉菌では分解できず、悪玉菌にゆだねられ、その分解の過程で、自家中毒を引き起こすさまざまな有害物質(発がん物質)を作り出します。

動物性タンパク質は、悪玉菌によって、悪性リンパ腫や白血病の原因となるインドールやスカトール、フェノール、便の悪臭の成分である硫化水素、善玉菌を死滅させるアンモニアが作られ、腸内をアルカリ化し、アミンは胃の中で硝酸と結びつくとニトロソアミンという強力な発がん物質に変化します。

したがって、便秘をしていると、これらの有毒物質が血液中に吸収され、血液を汚すこと(自家中毒状態)になります。

腸の汚れが免疫力低下

大腸で吸収された腐敗毒素は門脈を通じていったん肝臓に運ばれ、ここで解毒処理が行われますが、肝臓が毒素の処理に追われてへとへと状態になると、毒素が血液中に垂れ流されて、血液を汚します。

そして、この毒血の処理が皮膚での発汗や、臓器の炎症でも浄化できなくなると組織に定着し、最終処分場(毒血の保管庫)が作られます。

体が有毒な老廃物を抱え込み、活力を失ってしまうと、これらの毒素を排泄する力も弱まってしまい、免疫力が衰えます。

人体で最大の免疫機関は大腸における腸管免疫ですから、腸の汚れは免疫に異常をきたして、大腸内で異常発生した悪性の病原菌類の増殖を許してしまい、腸内に炎症や、がんを生じさせることになります。

「過剰な動物性は有害」キャンベル博士が警鐘

アメリカ屈指の栄養学者であるコーネル大学のコリン・キャンベル博士が、中国とアメリカで1983年から1990年にかけて行った病気の比較調査「チャイナレポート」によると、その頃のアメリカでは、総摂取カロリーの15~16%がタンパク質で占められ、そのうちの80%が動物性食品からの摂取だったのに対し、中国の農村地帯では総カロリーの9~10%がタンパク質で、そのうちのわずか10%が動物性食品からの摂取でした。

博士の研究は、中国の130の村に住む6500人を対象に、「食習慣」「ライフスタイル」「病気のパターン」に何か特徴があるかどうかを観察するものでした。

その結果、先進国での生活習慣病の延は、動物性タンパク質の過剰摂取が原因であり、中でも肉、卵、乳製品が最大の発がん物質であった、という驚くべき報告でした。

動物性食品の過剰摂取が腫瘍の成長を促すことが科学的に明らかになったのです。

全粒穀物や海藻で善玉菌を増やそう

さらにサンフランシスコ大学医学部の乳がんの研究により、「便秘症の女性ほど、がんになるリスクが高い」ことが報告されています。

排便が1日1回以上ある女性より、1週間に3回以下の女性には乳腺細胞に5倍も異常が見られたといいます。

便秘になりやすい方の食事は動物性タンパク質、脂肪分、精白された炭水化物(砂糖および精白小麦粉、白米)が多く、全粒の穀物、野菜、果物、海藻類などの繊維質が足りていないことがわかっています。

一方、人体に有益な成分を合成してくれる善玉菌は、腸内環境を弱酸性の状態に保ち、粘膜を強化し、有害菌や有害物質が体内に侵入しないようにガードしてくれています。

しかし、善玉菌は有毒な便が詰まった環境では生きられません。

まずは、善玉菌のエサとなる難消化性多糖体である皮つきの穀物(セルロース)、海藻類(フコイダン)、キノコ類(βグルカン)、コンニャク(グルコマンナン)、皮つきの果物(ペクチン)、葛粉(ダイゼイン)、大豆製品(オリゴ糖)の摂取量を増やしてあげましょう。

味噌や醤油、漬物といった伝統的な発酵食品も腸内環境を良くしてくれます。

がん予防の対策の一つとして、まずは動物性食品を減らし、便秘解消をこころがけましょう。

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Profile おかべ・けんじ

大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。

日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。

2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。

著書は「マワリテメクル小宇宙〜暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをキレイにするマクロビオティック」(研究所)、

家族を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)、「月のリズムで玄米甘酒ダイエット」(パルコ出版)。

ムスビの会ホームページ http://www.musubinewmacro.com