青色は肝臓の経絡と共鳴【色彩心理学と陰陽五行】

シェアする

マクロビオティック one テーマ29 色彩心理学と陰陽五行・春編 文)ムスビの会主宰 岡部賢二

青色は肝臓の経絡と共鳴

色には、それぞれ物理的、生理的、心理的な働きがあり、これを衣類や部屋、料理の盛り付け、テーブルコーディネイトなど生活の中に上手に活用することで、心地よいエネルギーを得ることができます。

今回は、色が与える影響について、東洋医学の陰陽五行の立場から見て行きましょう。

春先は特に肝臓が疲れやすく、イライラしたり、時には怒りが爆発することもあります。

また、肝臓が不調になると執着心や嫉妬心が人一倍強くなったり、人間関係がぎくしゃくしたり、何をやっても空回りするといった状態を引き起こしやすくなります。

そんな時には、青い空や木々の緑を見ることで穏やかな気分に戻すことができます。

なぜなら青色は肝臓の経絡と共鳴していて、青や紺、紫といった服を身につけたり、テーブルやカーテン、絨毯などに青色系統を取り入れることで気分転換につながります。

食物では青菜(緑黄色野菜)や野草といった青(緑)色食品を多めに摂ることで開放的な気分になり、執着を手放しやすくなるでしょう。

また、肝臓を良くする意識のあり方は「寛容性」ですが、色彩を上手に活用することで、赦す、受け入れる、水に流す、とらわれないといった意識へ誘導することもできます。

「争」という字の横に「青」をもってくると「静」になり、水(さんずい)と組み合わせれば「清」になります。

このように青には「水に流す」(意識をリセットする)力があるのかも知れませんね。

天気がよい日は気持ちがよいですが、「晴」という字は、きっと青い空に太陽があると気分爽快になるところからきたのでしょう。

緑色の癒し効果と自然治癒力

5月は五月晴れといわれるように空の青さや新緑が美しい季節ですが、こうした環境にいると気持ちがよいのは、青色に開放、解き放つ、手放すといったリセット効果があるからではないでしょうか。

実際、海や空の青色を見ていると気分が落ち着き、爽快になります。

私は5月生まれなので、この時期の木々の新緑が大好きです。

緑には癒しの力があり、傷ついた細胞や組織を再生し、修復してくれます。

病後はそうした緑の中で療養することで、自然治癒力が高まります。

肝臓の経絡は目を管理していて、肝臓の血液浄化力が落ちてくると、血行不良から眼精疲労やドライアイといった目の疲れが出やすくなります。

そんな時には鮮やかな新緑や青空を見ることで、目の疲れがとれるでしょう。

ブルーベリーに視力改善効果があると言われて流行った時期がありましたが、黒ゴマや黒豆、黒米、小豆、タカキビといった紫(赤紫)色の食べ物にもアントシアニンと呼ばれる目の若返りが期待できる成分が含まれています。

ブロッコリーや小松菜、ほうれん草といった緑黄色野菜や、ヨモギ、スギナなどの野草に含まれるビタミンやミネラルにも目を良くする成分が豊富に含まれています。

木の芽時といわれる春先には、このような食べ物を摂り、身も心もリフレッシュしたいものですね!

制服に青色が多い理由

また、青色には管理や支配、統率力を高める働きがあります。

例えば、効率のもとに大量生産が行われる工場で働く労働者の作業着には、青色系統が多く見受けられます。

理由は、統率が取れていないと、生産性が落ちてしまうからです。

それを物語るかのように、ブルーワーカーという表現があります。

他にも警察官や機動隊、消防団員、警備員、自衛隊員の服装やセーラー服に青色系統が多く使われているのも、同じく統率しやすい色だからです。

しかし、青色が行き過ぎると大衆操作といったマインドコントロールにつながる危険性があります。

パソコンやテレビ、スマホといった通信機器の液晶画面から発せられるブルーライトによって、脳疲労を訴える人が増えています。

こうした機器から発せられる情報を鵜呑みにせず、自分で考える力を取り戻すためにも、機器の使いすぎには注意しましょう。

この青の強さを緩和する色が白色です。

白には「白紙に戻す」という初期化の力があるので、青色にワンポイントで白色を組み合わせると、より開放感・清涼感がもたらされます。

道路標識にはこの青(緑)と白の組み合わせが多いですが、おそらく疲れ目の予防効果もあるのでしょう。

この組み合わせはコンビニの看板や清涼飲料水にも見られます。

料理では、青菜や野草の白和え、青菜の塩茹でといった組み合わせを取り入れることで、食事を通して人間の運気もよくなるかも知れません。この春は、ぜひ肝臓系を活性化する青色を活用してみてください。

【こちらもオススメ】

ふれあいから放出される「オキシトシン」の効果

ヨモギの一番の効用は浄血作用【血液の浄化装置である肝臓と胆のうの働きを良くする】

【起死回生の妙薬】リンパ管の浄化をしてくれる黒炒り玄米スープ

月刊「むすび」 2018年04月号より

正食協会では、月刊誌「むすび」を毎月発行しています。「むすび」は通巻600号を超える息の長い雑誌です。

マクロビオティックの料理レシピや陰陽理論、食生活、子育てや健康、環境問題など幅広いテーマを取り上げています。

ぜひ、あなたも「むすび」誌を手にとってご覧になってみませんか?

サイトの方はこちらから: 正食協会

Profile おかべ・けんじ

大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。

日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。

2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。

著書は「マワリテメクル小宇宙〜暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをキレイにするマクロビオティック」(研究所)、

家族を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)、「月のリズムで玄米甘酒ダイエット」(パルコ出版)。

ムスビの会ホームページ http://www.musubinewmacro.com