ヨモギの一番の効用は浄血作用【血液の浄化装置である肝臓と胆のうの働きを良くする】

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マクロビオティック one テーマ16 (文)ムスビの会主宰 岡部賢二

世界中に約300種類 生命力強いヨモギ

モチグサの名で親しまれるヨモギは、たいへん生命力の強いキク科の多年草で、山野、道端、どこにでも生えます。

また都会の排気ガスなどの公害物質にもびくともしない強さをもち、街路樹の根本やアスファルトの割れ目からでも発芽するほど繁殖力旺盛な野草です。

ヨモギは世界中に約300種類が生育していると言われていて、どこの国でも大切にされてきました。

日本では古くから「厄除けの霊草」として神聖視されていて、最近は、あまり見かけなくなりましたが、5月5日の端午の節句に厄除けとしてヨモギと菖蒲を軒先につるす習わしがありました。

また 、 「モチグサ」と言われるようにヨモギは草もちや団子の材料として昔から使われてきました。

古くは厄除けや清め 神聖なものとして使う

他にも北海道に住むアイヌの人たちの間では、地上に最初に生えた植物の1つとされ、「神の草(カムイ・ノヤ)」と呼ばれ、悪い夢を見たらヨモギでからだをいて清めたり、ヨモギ人形をつくって軒先に飾り、厄病を追い払ったりしたそうです。

北米の先住民族であるインディアンもヨモギを清めに使ったり、良い夢を導くために枕に入れたりするそうです。

ハーブ療法の盛んなフランスでは、ヨモギは「王の草(エルプ・ロワイヤル)」と呼ばれ、お茶にして飲んだり、入浴剤として使われています。

また、古代中国では、「医草・愛の草」とか「青い血液」と呼ばれ、祭りごとに先だって祈師が両手にヨモギを持ってふりかざし、乱舞しながら悪霊を追い払ったそうです。

止血作用や血行促進 ホルモンバランスも整え

子どものころ野原で遊び回り、擦り傷や切り傷が出来たとき、ヨモギの葉をよくもんで傷口に貼った経験がある人も多いと思います。

これはヨモギの苦味成分タンニンの働きによるものです。

このタンニンには止血作用があるため、ヨモギは別名「血止め草」と呼ばれています。

これを、お茶として活用すれば、歯茎からの出血、尿の潜血、、紫斑病といった内出血しやすい症状に効果が期待できます。

ヨモギの葉を乾燥させたものを艾葉(がいよう)と言い、漢方では、生理痛、冷え症、生理不順、更年期障害など女性の血の道の病気に用いられてきました。

これはヨモギの香り成分「シネオール」に脳神経を鎮静化し、気持ちを落ちつけてホルモンバランスを整える作用があり、その結果、身体の緊張がゆるみ、血行が良くなることで子宮や卵巣が温まるからです。

また、ヨモギはお灸の原料として今でも幅広く使われていますが、このヨモギ「善燃草」の語源は、乾燥した葉の綿毛だけを集めた「艾(もぐさ)」がよく燃えることから来ているとも言われています。

一番の効用は浄血作用 免疫力・生命力を高める

ヨモギには現代人に不足しがちな食物繊維、ビタミン、ミネラル、葉緑素(クロロフィル)などの成分がバランスよく含まれています。

ヨモギに含まれる葉緑素や食物繊維には小腸の毛繊維の奥に蓄積したダイオキシンや残留農薬、有害重金属を取り除く働きがあります。

また、ヨモギにはウイルス抑制因子として知られる天然の「インターフェロン」という成分も含まれているので、ガンや肝炎の予防に用いると良いでしょう。

さまざまあるヨモギの効用の中でも一番なのが、その浄血作用です。

ヨモギに含まれる食物繊維や葉緑素が血液にたまった公害物質や老廃物、古い油を浄化し、汚れを便と一緒に排してくれます。

これはヨモギが体内の汚れや有害物質を処理する血液の浄化装置である肝臓と胆のうの働きを良くするからです。

血液がきれいになれば、さらに各臓器の働きも良くなり、免疫力や生命力がよみがえってきます。

香り成分に温熱効果 春先のヨモギが効果的

ヨモギの香り成分「シネオール」には温熱効果もあるので、葉を木綿袋に入れて湯船に入れることで芳香成分が呼吸を楽にし、からだが温まって湯冷めしません。

ヨモギを乾燥させておくと、ヨモギ風呂だけでなく、ヨモギ茶やヨモギ団子のような和菓子など幅広く使えます。

食用とする場合は、春先である3月~5月頃の新芽のヨモギがアク少なく一番効果的です。

自生したヨモギを摘む場合は、新芽の先から15~20㎝くらいの柔らかい部分を摘んだ後、きれいに洗い、汚れやゴミを取り除き、しっかりと水気を切ります。

そして蒸し器でヨモギを5~10分ほど軽く蒸し、冷水でして色止めし、ザルにあげて水気を切ります。

そのまま風通しの良い場所に2~3日置いて、天日干しで乾燥させれば乾燥ヨモギの出来上がりです。

ハーブの王様であるヨモギを活用し、元気に春をお過ごしください。

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月刊「むすび」 2017年4月号より

正食協会では、月刊誌「むすび」を毎月発行しています。「むすび」は通巻600号を超える息の長い雑誌です。

マクロビオティックの料理レシピや陰陽理論、食生活、子育てや健康、環境問題など幅広いテーマを取り上げています。

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Profile おかべ・けんじ

大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。

日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。

2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。

著書は「マワリテメクル小宇宙〜暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをキレイにするマクロビオティック」(研究所)、

家族を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)、「月のリズムで玄米甘酒ダイエット」(パルコ出版)。

ムスビの会ホームページ http://www.musubinewmacro.com

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