発酵食品の生命力

シェアする

レッスン26 生命力② 発酵食品

生命力は命そのものの力。生まれる瞬間と死ぬ瞬間の生命力ほどパワフルなものはない。

人の生死や膨大なエネルギーを使う瞬間、人生の転換点において、生命力や畏敬と尊敬を感じることができます。

もし、誕生や死に際の場に遭遇したことがあるなら、それが素晴らしい出来事だと知っているはずです。

人は食物の生命力を感じることができます。それは浸水、発芽、発酵のプロセスに在ります。

発酵とは、微生物の働きにより食物が変質することです。微生物は物質を分解します。

つまり「死」の代理人(エージェント)であり、食物に旨味と豊かな香りを与え、自然な甘みを醸し出してくれる「生命」の代理人でもあります。

微生物は死と生のサイクルを繋ぎ、ライフサイクルの持続性を保ってくれる有り難い代理人です。

発酵とは、食材が無くなるまでの一定の期間、( 適当な状態で)食材が休息を取るのに身を任せることです。

やがて食材は新しい食物に変わります。発酵食品には、ワイン、チーズ、漬物、ヨーグルト、味噌、天然酵母パン、ビール、ソーセージ、酢、醤油などがあります。

発酵食品はあらゆる文明に在り、習慣で穀類と一緒に食べられてきました。

古代の人々は、食物を発酵により変化させることを発見しました。

綺麗な水が手に入りにくかったため、水と他の食材を合わせて発酵させてビールやワインとして飲めるようにしました。

ヨーグルトや発酵乳は生の牛乳よりも賞味期限が長くなり、チーズは長い冬の間保存が可能に、天然酵母パンは他のパンと比べ軽くなりました。

インドではダール( 豆)を食べる前に浸水させて少し発酵させてから食べ、ヨーロッパではザワークラウトを作りました。

日本人は味噌や梅干し、醤油を発明し、様々な地域の独自のワイン、チーズなどの発酵食品と共に有名になりました。

発酵食品が世の中に多く出回り、健康増進に寄与しています。乳酸が生まれ、有益なバクテリア( 微生物)を腸管に運び、腸内フローラを強化することで消化・吸収を良くします。

豆や穀物と一緒に食べると、健全な消化を阻害するフィチン酸を発酵食品が中和してくれます。

他の発酵食品はお腹を和らげ、塩酸の自然な分泌を助けます。発酵食品は健康を改善する手段として人間の歴史を通じて活用され、尊敬されてきたのです。

Exsecise26 発酵食品の生命力

食事のうち一回か複数回、穀物と一緒に自然に発酵した食物を食べるようにしましょう。

ザワークラウトとパン、キムチとお米など、漬物と穀物は良い組み合わせです。

また、味噌汁も食事に良く合い、身体全体のサポート役になってくれます。

同じ食事をする際に、良く噛み、味わい、こうした食物を食べることで得られる恩恵にあずかりましょう。

発酵食品に関する詳しい情報を自主的に集めてみるのも大切なことです。

発酵食品は健康的な食事の秘密のひとつであり、食事のバランスを整え、健康を高め、肉体的な活力を向上させます。

こうした恩恵が直感力の強化に繋がり、それが巡り巡って質の高い発酵食品を見分ける助けとなります。

カビやカンジダ(腟内の常在菌であるカンジダという真菌の異常増殖によって起こる腟炎)などに敏感な人は、発酵食品を食べても良いか、ヘルスケア・プラクティショナーに相談した方がよいでしょう。

発酵食品を食べられない場合、意識的に唾液を出すよう特に努力してみましょう。

唾液により炭水化物が口内で分解され、消化プロセスが始まります。漬物とは違いますが、あなたの幸福感を穏やかに高めてくれるはずです。

私の日本人の友人は、海外から帰国したら味噌汁を必ず飲むと言っていました。

「発酵食品の味噌を摂りたいから」という理由ではなく、「ホッとして気持ちが落ち着くから」だそうです。

昔からその人が食べてきた「なつかしい味」を思い出し、心が安らげるからでしょう。

味噌汁を飲む習慣がない人は、まずは味噌汁という選択があることを知ることが大事です。

すでに飲む習慣がある人は、味噌の質に注目すると伝統製法で作られた味噌の凄さが体感でき、細胞から湧き起こる喜びが増すと思います。

【こちらもオススメ】

ジャンクフードなどにより失われた健康的な食物に対する食欲を取り戻す

断食は味覚を磨き、直感を育て、食物に感謝を捧げることに役立つ

食物は歴史を紡ぐ【先祖が食べていた穀類に意識を向けよう】

月刊マクロビオティック 2019年03月号より

マクロビオティックとその料理法に関するホットな情報、健康と美を創り、生命をはぐくむための食と、その知識のご紹介、などなど・・・。

あなたの人生を豊かにする情報が毎号満載です。

サイトの方はこちらから: マクロビオティック日本CI協会

Julia Ferré

北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。

GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。

新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。

HP:www.JuliaFerre.com

foodandintuition-jp.jimdo.com