にんにくは解毒作用が大きいから数々の薬効が得られる 

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森下敬一 『食べもの健康法』●にんにく

にんにくは、精力をつける食品として、昔から有名である。

エジプトのピラミッドや、中国の万里の長城を築くためにかり出された奴隷たちには、エネルギー源として、沢山のにんにくが与えられたと言われている。

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また、体に元気をみなぎらせて強い性衝動を生むからであろうか、禅寺内ににんにくを持ち込むことは、長い間禁止されてきた。

それから、中国や朝鮮半島の農民は驚くべきスタミナをもっているが、その秘訣はにんにくと無関係ではないようだ。

なぜ、にんにくはそれほどの偉力をあらわすのだろうか。

まず第一に、にんにくはすぐれた整腸作用を持っている。にんにく特有のにおいを生み出すアリシンという物質は、ビタミンB1と結合するとアリチアミンとなる。

このアリチアミンが、消化機能を健全にし、頑固な便秘も解消させる。

このように腸の機能が整うと腸内で毒素も発生しなくなり、血液はきれいになって、疲労素の分解も早くなる。

このため、にんにくは強精のみならず万病の防止にも役立つというわけだ。

次に、にんにくは著しい保温作用を持っている。

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ユリ科植物の球根であるにんにくは、体熱の発生を盛んにする。しかも主成分であるアリインは抹消血管を拡張して、血液の循環をよくする。

それゆえ、全身の組織細胞の活動が活発になり、神経痛、リュウマチ、冷え性、シモヤケなど、冷えが大敵の障害に対しても卓効をあらわす。

さらに、にんにくは強肝・解毒作用を持っている。

有効成分であるスコルジニンは、肝臓の酵素活性を高めて、老廃物や体内に侵入した公害物質を速やかに排泄する。

だから、にんにくは、肝臓・腎臓を丈夫にする働きを介しても、慢性病にかかりにくい体をつくる。

にんにくは少量ずつ常食することが大切だ。

そうすれば、数々の薬効が得られるのに、一度に大量摂取すると、目を悪くしたり、潰瘍をおこす恐れもある。

また、ナマ食も刺激が強すぎるから、避けたほうが無難。

油炒め、蒸し焼き、はちみつ漬け、しょうゆ漬け、にんにく酒などととして利用するのが適切だ。

にんにくは美容効果も著しい。

解毒作用が大きいからすぐれた美肌効果をあらわすことは勿論のこと、肥満解消に役立つのだ。

ビタミンB1の吸収利用率を高めて、体内に停滞している食物の残りカスを追い出してくれる。

また、強力な殺菌作用をもっているのでにんにくを常用していると食中毒や伝染病の防止ができることも、ぜひ覚えておきたい。

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■にんにくスープ

材料(2~3人分)

・食パンのふち(小さく切ったもの)・・・1カップ強
・にんにく・・・1/2
・だし汁・・・3カップ
・パセリ・・・少々
・紅花油・・・大さじ1
・自然塩・・・少々
・こしょう・・・少々

<作り方>

①にんにくとパセリはみじん切りにします。

②紅花油でにんにくを炒め、さらにパンのふちを加えていためます。

③ ②にだしを入れ、煮立ったら火を弱め、15分煮込みます。

④塩、こしょうで調味し、おろしぎわに、パセリのみじん切りを散らします。
 
■ 豆腐の佃煮

材料

・しょうが(みじん切り)・・・小さじ2
・にんにく(みじん切り)・・・小さじ2
・豆腐・・・1丁
・しょう油・・・70cc
・みりん・・・大さじ3
・ごま油・・・小さじ2

<作り方>

①豆腐はふきんに包み、軽い押しをして水気を切ります。

②豆腐をくずして細かくします。

③ごま油を熱し、にんにく、しょうがを炒めた後、豆腐、しょう油、みりんを入れ、水気がなくなるまで煮つめます。

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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