最大のアルミ汚染の盲点は、市販胃腸薬 

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船瀬俊介連載コラム

アルマイト鍋もアルミホイル焼きもダメ

【前回の記事】

アルミが溶け出す炭酸や果汁入アルミ缶飲料に注意

同センター・テストでは、内外の他の実験より溶出量が少ない。それは業界が、神経質に表面をアルマイト加工でコーティング処理しているからだ。

しかし、鍋は金タワシなどでゴシゴシ洗うのが常。つまり使用しているうちにアルミ地金が露出してきて、アルミ地金鍋に近くなる。

つまりアルマイトであろうとアルミ鍋は「買ってはいけない」「使ってはいけない」のだ。

主婦にとっての盲点は、アルミホイルであろう。テレビ料理番組で「アルミホイル焼き」を紹介しているシーンを見ると心配になる。

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鍋同様、有毒金属のアルミ溶出は大変な量になるはず。欧米では主婦のあいだで、アルミホイル離れが進んでいる、という。

安易なアルミホイル使用は避けるべきだ。

しかし日本政府のアルミニウム規制はじつに寒心する。ここまで世界的にアルミニウムは有毒金属…と科学的証明がありながら、政府の対応は、これらを、まったく黙殺。

アルミ鍋など調理器具のアルミ溶出規制はナシ。

水道水の規制も「快適水質」項目として目標値0.2ppmが設定されているだけ。

ちなみに環境先進国であるドイツ、イギリスさらにアメリカの水質ガイドラインは0.05p
pm。

欧米は少なくとも日本の四分の一以下。このことを知る日本人は皆無といってよい。

アルミは、自然な状態では水に溶けにくい。

しかし酸性では溶けやすい。酸性雨の多い現在、アルミは密かに予想を超えて、さまざまなルートから、われわれの体のなかに侵入してきているのだ。

アルミ鍋、アルミホイルを追放したからといって、安心できない。

「アルミニウムが体内にとりこまれるきっかけは胃腸疲労、関節痛などの治療にアルミニウム含有剤を、慢性的に使用したことから始まることが多い」(『食器公害』前出)。

最大のアルミ汚染の盲点は、市販胃腸薬であろう。

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たとえば「キャベジン」にはメタケイ酸アルミン酸マグネシウムというアルミ化合物が配合されている。

なにしろ胃腸薬に配合されているアルミ製剤は、なんと19種類。

まさに胃腸薬はアルミの粉末といって過言ではない。

これらは「胸焼け」などを抑える「制酸剤」あるいは胃壁の「保護剤」として配合されている。

一方、WHO(世界保健機構)は、アルミ摂取量の上限を体重1kgあたり1mgとしている。ところが、市販胃腸薬を飲むと1日500~1000 mgものアルミを体内に取り入れてしまう。

「長期にわたって連用したとすると、その摂取量は膨大な量になってしまう」「想像しただけでも恐ろしい」。

これは『あぶないアルミニウム』(三一書房)著者、高橋滋也氏の指摘である。


あぶないアルミニウム―もう始まっているアルミニウムの脳内蓄積

彼は「アルミが脳に入るとやがて痴呆になる」と警鐘を嗚らし、これら胃腸薬の製造販売の禁止を求めている。

(*本書は、アルミ毒性について最も詳細なリポート。一読をすすめる)

ちなみに「食欲不振」にすぐ胃腸薬ーーのテレビCM ほど、こっけいなものはない。「食欲がない」ということは、体が「食べるな」とサインを送っているのだ。

それを胃腸薬で、ごまかして食べ過ぎ、胃を荒らすから慢性胃炎で、胃腸薬が手放せなくなる。

製薬メーカーの思うツボだ。

クロワッサン、ケーキ、漬物も!

市販のクロワッサンから4000μg、カップケーキ2万5OOOμg、ロシアケーキ6O00μgと、通常の数10~100倍のアルミニウムが検出されている。(μg:100万分の一g『食品の微量元素含有表』より)

これはベーキング・パウダー(ふくらし粉)に、アルミニウム化合物が使用されたから。

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カップケーキは、ずばりカップの「アルミはく」からアルミが溶け出し、ロシアケーキは「アルミ化合物」配合の合成香料から移染したものとみられる。

生のナスには38μgしかアルミは含有されない。なのに漬物になると1万3OOOμgに跳ね上がる。ミステリーだ。

これは、色良く仕上げるためにミョウバン(アルミ化合物)を加えたからだ。

自然界に存在するアルミは、微量元素として、摂取することはしかたないが、わざわざ人工的に添加することは業者のかたもやめて欲しい。

ちなみにアメリカでもチーズ製造に、アルミ製剤が全体量の3%も添加物として使われていた。

これは、一切れ食べただけで、アルミ一日摂取量が10倍に跳ね上がる量。しかし、アルミ有害論の前に、この添加物は使用中止となった。

「疑わしきは使用せず」日本の食品業界も見習うべきだ。

わたしたちの身の周りには10年、20年…とジワジワ、心身を蝕む有毒物質があまりに多い。農薬環境ホルモン、有毒金属…などなど。

なるほど業界政府のいうように「ただちに悪影響が出る量ではない」かもしれない。

しかし、その業界利の保護が、これまでどれほどの悲劇を重ねてきたか。胸に手を置いて考えてほしい。

鉛で滅びたローマ帝国の悲劇を、けっして繰り返してはならないのだ。

月刊マクロビオティック 2001年04月号より

【前回の記事】

アルミニウムの有毒性

アルツハイマー症患者の脳に大量のアルミニウム沈着

アルミニウムの神経毒性は、多くの動物実験等でも証明

アルミが溶け出す炭酸や果汁入アルミ缶飲料に注意


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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/

船瀬俊介公式facebook=  https://www.facebook.com/funaseshun

船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」=  https://www.facebook.com/funase.juku

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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