ひじきは便秘解消、浄血作用に優れている

シェアする

森下敬一 『食べもの健康法』● ひじき

いまや、ひじきの煮つけは「おふくろの味」として大好評である。大いに結構なこと。

だが、料理店のメニューとして人気があるというのは、ちょっと引っかかる。ひじき料理は家庭で作って、みんなで食べたいものだからだ。

こんなに安いスタミナ・健脳・美容食品はちょっと類がない。

もどしたり、ゴミを取り除いたり、という作業も必要だが、やりつければ特別にめんどうなものではない。

カルシウムをはじめとして、ヨード、リンなどのミネラルが豊富なため、生理機能全体を正常化させる効果が著しい。

日本は火山列島。そのため土壌中にはカルシウムが少ない。

しかも、モンスーン地帯で雨量が多く、土壌中のミネラルはどんどん洗い流されてしまう。

日本人がミネラル不足におちいりやすいのも、このため。だが幸い、海に流れこんだミネラルを海藻が受け止めている。

海藻を十分に取れば、ミネラル不足は防止できる。

実際、日本の長寿村・短命村を調査してみると、海藻を常食する習慣のある地域は例外なく長寿村になっている。

海藻のなかでも、ひじきはとくにカルシウム分が多いから、それだけ利用価値は大きい。

カルシウムの補給というと、牛乳で間に合っていると思う人もいるかもしれない。

だが、牛乳中のカルシウムは、人体が必要としているカルシウムとは異質のもの。従って牛乳を多くとっていると、かえって生理的なカルシウム代謝は混乱してしまう。

カルシウム代謝が乱されると病気に対する抵抗力は弱まり、カゼを引きやすくなる。また、自律神経も失調し易く、イライラしたり、おこりっぽくなる。

ひじきが、スタミナ・健脳・美容に偉力を発揮するのは、ミネラル補給に加えて便秘解消作用が著しいためである。

ひじきは腸の働きを活発にして、腸内の老廃物をすみやかに排泄する。腸内がきれいになると、腸内細菌の性状がよくなって、腸壁の働きも活発化する。

きれいな血液がつくられるようになるわけだ。

体の細胞は、心臓も肝臓も皮膚も、そして脳も、すべて血液によって養われている。

血液がきれいになれば、すべての臓器の機能は健全化する。全身の組織が若返る証拠としてひじきは頭髪のツヤをよくし、白髪を防止する。

便秘を招く最大の原因は、白砂糖および肉、卵だ。白砂糖は腸壁をたるませ、肉、卵には繊維がないからだ。

だから、これらの食品はできるだけ避けなければいけない。それと同時に便通効果が著しく、浄血作用の強力なひじきを積極的に食べたいものだ。

■ひじきれんこん

材料(4人分)

・ひじき(もどした物)……100g
・れんこん……50g
・にんじん……20g
・ごま油……大さじ2
・しょう油……大さじ3
・だし汁……大さじ5

<作り方>

①人参は細切り、れんこんは半月切りまたはいちょう切りにします。

②鍋にごま油を熱し、れんこん、にんじんを炒め、ひじきを炒めてだし汁を加えてフタをします。

③火が通ったらしょう油で味つけし、汁がなくなるまで煮詰めめます。

■ひじきの精進揚げ

材料

・ひじき
・にんじん
・地粉
・ごま油
・しょう油
・自然塩
・揚げ油
・にんにく

<作り方>

①にんじんは、ひたひた程度の水に塩を入れてさっと茹でておきます。

②ひじきは、油でにんにくと炒め、水を入れてもどし煮てからしょう油で下味をつけます。

③地粉を水で溶き、2を加え(汁気がある場合は布巾でとる)かき揚げにします。

【こちらもオススメ】

野菜も摂り方を誤ると逆効果になってしまうから要注意

どくだみはめざましい解毒作用を持っていて体質改善に大いに役立つ

山いもは腸内細菌の性状をよくするとともに腸粘膜の機能を高める。


森下先生の提唱する【腸管造血】を今一度、世に問いましょう! ご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。

森下自然医学メールマガジン 

無料登録はこちらから⇒ https://ws.formzu.net/fgen/S64007955/

oem_doctor_morishita

森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

森下敬一 著作特集はこちらから