【月の周期も五臓と共鳴】始動にかかわる肝臓

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マクロビオティック one テーマ34 文)岡部賢二

月の周期も五臓と共鳴 始動にかかわる肝臓

陰陽五行説では季節と五臓が密接に結びついていて、春は肝臓系、夏は心臓系、土用は臓系、秋は肺系、冬は腎臓系と関連しています。

さらに、春夏秋冬という季節の移り変わりを太陽のリズムにあてはめてみると、新月・上弦の月・満月・下弦の月という変化は1ヶ月の月のリズムと見ることができます。

つまり、月が地球の周りを回る周期にも、五臓と共鳴するリズムがあるのです。

肝・系は物事の始まりを示す臓器で、季節は万物が芽吹く春を管理しています。

月の周期では、旧暦の1日、すなわち1ヶ月のスタートである新月の頃に相当します。

また朝は一日のスタートの時間なので、なかなか起きられず、頭がぼーっとする、不機嫌という方は肝臓が疲れています。

他にも本を買ったけど読まない(積ん読)、グッズは買ったけどなかなか実行できない(有言不実行)といった、やろうと思うけどなかなか取り掛かれないような始動が悪い方も肝臓が疲れています。

肝臓の弱りで逆境も

また、物事がスムーズに流れていかないのも肝臓の疲れが関係している可能性があります。

身体面では食べ物を上手く飲み込めない、のどに詰まる、逆流性食道炎、のような症状があれば肝臓の弱りととらえます。

アルコールを飲みすぎた時に、肝臓の解毒力が追いつかなくなると吐き気がしますし、つわりもそうですね! これらは血液の流れが滞る血の症状といえます。

人生においては逆境の時期といったらよいでしょうか。

何をやっても上手くいかないスランプ状態や、人間関係がぎくしゃくする、上司との摩擦やで悩むといった発展・進展が損なわれる状況もまた肝臓の弱りからやってくることが多いようです。

そういう時には、早起きをして太陽の光を浴びながらヨガをしたり、新月の日にプチ断食をしたり、春先に旬となるビタミンやミネラルの多い野菜や野草、ハーブを摂ったりすると血液が浄化され、しだいに人生も好転していきます。

新月期のトラブルは 酸味も上手に利用

新月期とは新月の3~4日前から3日後までの約1週間を指し、肝臓の疲れから、眼精疲労やドライアイ、目のかすみ、光がまぶしいといった目のトラブル、こむら返りや炎、チック症、五十肩、けいれん、麻痺、硬直などの筋肉の運動障害、きつい・だるいといった慢性的な疲労感、風邪や心筋、脳梗塞といった突発的に起こる病気、ストレスによる過食や不正出血など、瘀血を伴う症状が起こりやすくなります。

したがって、この時期には、肝臓系と共鳴する青(緑)色食品であるブロッコリーや春菊、小松菜、ほうれん草、かぼちゃといった緑黄色野菜、よもぎ、スギナ、クマザサのような野草、春キャベツや春たまねぎ、わかめなどの春が旬の食材を食事に摂り入れましょう。

また、酸味として、梅干しや梅酢を用いた梅肉和え、レモンやゆず、すだち、かぼす等のかんきつ類を入れたポン酢、アミノ酸の多い味噌とお酢を用いた酢味噌和え、はっさく、夏みかん、イチゴのような酸味のある果物を上手に活用するとよいでしょう。

穀物では麦が肝臓を強化してくれるので、麦ご飯やはと麦入り玄米ごはん、麦味噌に青菜を入れた味噌汁、麦を用いた甘酒や塩こうじ、ライ麦パンやオートミール、はったい粉(麦こがし)、はと麦茶などがよいです。

もやしやかいわれ大根、アルファルファ、発芽玄米、発酵玄米、ザワークラウト、甘酒、漬物など発芽物や発酵食品もおすすめです。

新月に手放すと運気がよくなる

そして、新月の時期は手放す、解き放つ、放出する、ゆだねる、任せるといった執着をなくすことがキーワードになります。

執着が多いと自己主張が強くなり、人との摩擦を生みます。

肝臓系の悪い方に多く見られるのは、モノやお金、恋人、地位や名誉、権力、名声、学歴といったこの世的なものへの執着心が強いことです。

新月には解き放つ力が宿るので、この時期にプチ断食をしたり、断捨離をすると執着が減り、運気がよくなります。

さらに新月期は、プログラミングに最適です。特に新月の日になりたい自分をイメージして、それを紙に書いて宣言すると潜在意識にインプットされやすくなります。

昔の人は〝一年の計は元旦にあり〟ということで、新月である旧暦の元旦に願掛けをしてきました。

1ヶ月の計は新月ですが、一日の計は朝です!

それぞれの肝臓と共鳴する周期で願いごとをすると、いやすくなります。

肝臓をいたわりながら、素敵な新月期をお過ごしください!

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月刊「むすび」 2018年09月号より

正食協会では、月刊誌「むすび」を毎月発行しています。「むすび」は通巻600号を超える息の長い雑誌です。

マクロビオティックの料理レシピや陰陽理論、食生活、子育てや健康、環境問題など幅広いテーマを取り上げています。

ぜひ、あなたも「むすび」誌を手にとってご覧になってみませんか?

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Profile おかべ・けんじ

大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚いて「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。

日本の伝統食が最高のダイエット食品と気づいた後、正食と出会う。正食協会講師として活躍後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。

2005年にムスビの会を発足させ、講演や健康指導、プチ断食セミナーやマクロビオティックセミナーを九州各地で開催している。正食協会理事。

著書は「マワリテメクル小宇宙〜暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「心とからだをキレイにするマクロビオティック」(研究所)、

家族を内部被ばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房)、「ぐずる子、さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)、「月のリズムで玄米甘酒ダイエット」(パルコ出版)。

ムスビの会ホームページ http://www.musubinewmacro.com