池田整治連載コラム
【南北和解は日本独立の千載一遇のチャンス】
≪歴史的な南北首脳会談≫
4月27日、北朝鮮の指導者が史上初めて韓国側に入り南北首脳会談が開かれました。会談では、南北和解の条件とされる「朝鮮半島完全非核化」宣言も行われました。
言うまでもなく、軍事境界線は、朝鮮戦争の戦闘状態を停止した線です。
つまり「休戦条約」しか結ばれておらず、国家間の「平和条約」が締結されて初めて戦争状態が終焉し、国境線となります。
実は、この朝鮮戦争の「主役」は、「北朝鮮軍」と国連軍という名目の実体は「米国軍」です。
つまり、朝鮮半島を戦争状態から通常の平和体制にするには、金正恩主席とトランプ大統領との「合意」が必要となります。
両首脳の会談は、6月上旬までに開催されることが決まっており、今回の南北首脳会談は、その「予備協議」と言えます。
但し、正常体制への転換の筋書きは既にできていると思われます。
≪何故か蚊帳の外の日本≫
ところが、この和平への流れの中で、唯一「蚊帳の外」となっているのが日本です。
もっとも、日本の「現地代官グループ」にとっては、戦後の米軍占領体制こそ彼らの生き残れる唯一の道だからです。
つまり、戦後「日本の武装を禁止し、米軍が代わりに守る」代償に基地として国土を割譲し、その駐留費も肩代わりすることになりました。
これは、形を変えた植民地支配です。
この不景気下に、毎年約2000億円の「思いやり予算」を払っているのです。
世界中の国の中で、治外法権と経済的便利供与で外国軍を駐留させているのは日本だけです。
ドイツやイタリアなどの米軍基地の中には、それぞれの国の警察が常駐して国家の主権を守っています。
しかも問題の根が深いのは、この米軍駐留体制にともなって、日本社会の中に様々な「利権」勢力が根付いてきたことです。
原発、リニアモーター、オリンピック事業村等々と密接に重なる構造です。
いずれにせよ、これらの矛盾に日本国民が気がつかないようにするために、「北朝鮮ミサイル」「尖閣」等、周辺の脅威を作為したうえで、ひとこと「米軍が守る」と米国の要人が言えば、さらなる武器購入、米軍への協力さらに紙屑同然の米国債の大量購入等々貢ぎ物が増えてきたのが、戦後の日米関係史の真実です。
さすが企業国家アメリカは商売が上手い。
≪戦後米軍占領体制の歴史的考察≫
その国を支配するには、その民族の「神話と理想」を消し、「歴史」を断絶し、全ての判断基準を「お金」にすることです。
GHQによる占領政策は、まさにその典型でした。ここで「戦後史」を再発見してみましょう。
日本は、大東亜戦争をなぜはじめたのでしょう。端的に言えば、ルーズベルトの奸計です。
ドイツに敗れそうなイギリスを支援し、中立的立場の国民を対枢軸国戦争に引き込むため、日本に「最初の一発」を撃たせる「リメンバー・パールハーバー」を仕組んだのです。
その「仕掛け」の一つとして、対日石油封鎖を行いました。
つまり、日本が生き残るためにはインドネシアのパレンバン油田へ侵攻するしかないと判断するように作為したのです。
そのパレンバンまでのアジアの道は、どこも白人の植民地でした。
その白人軍を、被植民地人と同じ黄色人の日本軍が一気に蹴散らしてしまったのです。
しかも、現地人には一発の弾を撃つことなく。
この出来事は、白人400年の植民地支配に終焉を告げる人類史上の快挙でした。
それ以降に起きた有色人種国家群の「独立」は、日本のこの「犠牲的行動」なくしてはありえなかったのです。
この視点をもつことは大事です。
なぜなら、「戦後70年以上経ち、共産主義も終焉しているのに、なぜ米軍の占領体制はいまなお続いているのか」に対する答えが、自ずと浮かび上がってくるからです。
つまり、植民地を解放させた「ヤマトごころ」と利他愛の「武士道の国」日本は、エゴ的白人支配者を脅かすもっとも危険な存在なので、「絶対的に未来永劫、支配下に置かなければならない」と考えたのです。
先の大戦は、「枢軸国」と「連合国」の争いです。
枢軸国とは、ドイツ、日本、イタリアを主軸に、フィンランド、タイ等の諸国です。
この中で、最後まで連合国と戦ったのは日本です。
ですから、現国連憲章の中にある「敵国条項」は日本の事を指します。
それを考えると憲法改正もさることながら、まずは国連憲章から敵国条項を削除することのほうが重要です。
なぜなら日本が再び軍事上の脅威になるとみなされる場合、すべての国連加盟国は常任理事会に諮ることなく日本を攻撃できるからです。
次に、連合国とは第二次世界大戦において、枢軸諸国に対して交戦状態にあった国々の総称です。
連合国を英語では「United Nations(UN)」といいます。
国際連合も同じ「United Nations(UN)」です。
名は体を表すといいますが、国際連合の本質は第二次世界大戦の勝者の連合体なのです。
その連合国の戦後体制構想は、極めて単純です。
悪の枢軸国を殲滅すれば、正義の連合国だけとなる。その連合国が共同で軍を提供して「国連軍」をつくり、常任理事国が運用する。
この際、それぞれの国は軍隊を持たない。そうすれば、国際連合のもと世界平和は実現する、という論理でした。
これに抗い最後まで戦ったのが日本ですから、論理的にも日本軍を壊滅し、未来永劫武装解除して戦力を保持させなければ世界平和は実現します。
そのために、戦力不保持の憲法を連合国(実体はGHQ)が作成して、日本に押し付けたわけです。
さて、この理想が、砂上の楼閣であったことが「朝鮮戦争」で証明されたのです。
つまり、国連常任理事国は世界平和実現の原動力となるはずだったのに、その主要理事国のソ連・中国vs米国の戦争が起こったのです。
ところで、朝鮮戦争で韓国が北朝鮮軍、ソ連・中国の猛攻に耐え、国を維持することができた原動力が、「在日米軍」と日本という「兵站基地」だったのです。
戦争は大規模になるほど、戦闘を支える継続的かつ膨大な物量で決まります。
安全な「日本からの物流」なくして、朝鮮半島での米軍の作戦行動はありえませんでした。
これにより米国は、アジアでの軍事行動には、日本の占領支配が必要不可欠と深く認識したことでしょう。
また、3年間にわたる激しい朝鮮戦争は兵站、つまり武器・弾薬のみならずあらゆる「製品」の大量消費を意味し、日本の企業や米国の軍産複合体等に莫大な「利益」をもたらしました。
人類の戦争が終わらない大きな理由に、この「戦争経済」の問題があることも、現代社会の矛盾を知るうえで欠かせません。
さて、6年間に及ぶ米軍の占領時代は、文字通り治外法権の米軍が溢れ、悲惨な事件も多発しました。
3万人の日本婦女子が暴行されたと言われていますが、GHQの「プレスコード」により、一切報道されることはありませんでした。
国民は、1日も早い占領軍の撤退を祈っていました。
そういう国民の期待のもと、サンフランシスコ講和条約が締結され、その3か月後、占領統治に終止符が打たれるはずでした。
ところが、吉田首相は、講和会議後華やかなオペラ舞台の会場から下士官食堂に一人連行され、日米安保条約のサインを求められました。
つまり、米軍は「日米地位協定」に基づき、占領中と変わらない特権を有しつつ、日本駐留を続けることになってしまったのです。
《究極の問題は治外法権付き在日駐留軍》
そして、現在の問題は、米国の支配体制の中でも一部の軍産複合体が、日本を戦後から、そしてこれからも永久に軍事占領し、その「絶対的な力」で日本を植民地体制下に置きながら、表では自由主義国家群の双頭と両国民を洗脳していることなのです。
悲劇は日本人がブロイラーのように太らされ病弱下されながら薬代等でお金を搾りとられていることに、日本人のほとんどが気付いていないことです。
いまでは、DNAを壊され3代で人口淘汰されていることがわかりました。国民の二人に一人が癌になるのもこの為です。
戦後占領下に国際法違反のもとで作られた憲法、日米安全保障条約、政治、経済、社会体制、すべてこの観点から見直す必要があります。
要は、根本の問題は、国家存続の基本である憲法よりも、「米軍」が上位にあるということを今や誰も認識してないことにあります。
《治外法権を無くして真の独立国家に》
ところが、世界の目覚めた指導者たちが、この世界金融支配体制の存在に気付き解体へと向かい始めました。プーチンや「トランプ旋風」です。
米国では、1960年にアイゼンハワー大統領が引退演説で、国家を飲み込む「軍産複合体/世界金融支配体制」への警告を発し、その四年後に国民に暴露する演説に向かう途上で、ケネディ大統領が暗殺されました。
それから50年の時を経て、目覚めた軍人のバックアップで、トランプ大統領が失われた50年を取り戻そうとしているのです。
米陸軍士官学校を首席で卒業したポンぺオ新国務長官は、その象徴です。
実は、その世界転換の焦点が朝鮮半島の和平実現なのです。
そして、世界の真の平和のためにも、先ず、日本が戦後70年のマインドコントロールを解き、真の独立国家になることです。
また、世界の目覚めた人々、国家、さらにアメリカの良心派の勢力と連携することです。世界も変わります。
その為に、在日駐留米軍を講和条約第6条に基づき、日本領土から撤退させる。
この為、密約を含む在日米軍地位協定を廃案し、一部の部隊の駐留が必要な場合は、日本国の法の下に駐留を認める。
つまり、戦後70年続いた「治外法権」下での米軍駐留という植民地体制を脱却し、真の独立からやり直すことです。その契機に南北和解を使うのです。
そして、これこそ今日本が進んでいる「滅びの道」から「永久への道」へとシフトする最後のチャンスと私は確信しています。
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池田 整治
1955年3月22 日、愛媛県愛南町生まれ。作家。元全日本実業団空手道連盟理事長。東藝術倶楽部顧問。空手8段。
1973年、陸上自衛隊少年工科学校前期課程修了。防衛大学校入学。2008年、陸上自衛隊小平学校人事教育部長。2010年退官。最終階級は陸将補。
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退官後、〝真実の語り部〟として情報発信を始める。現在もブログ、書籍、講演会などを通じて精力的に活動を続けている。
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『今、知らなければいけない 重大な真実を語るメジャーな人々 東京・日比谷公会堂での講演からVol.1』(ヒカルランド)など共著も含めて20点以上。
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美し国 副代表