赤穂の天塩で仕上げた『鳴門産塩蔵わかめ』

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今月のFACE 生産者紹介 福池和由さん(徳島県鳴門市鳴門町)/宝海草(神戸市西区伊川谷町)

●激しい潮流に揉まれて育つわかめ

淡路島と四国東北端の間を流れる鳴門海峡の潮流は、世界の三大潮流のひとつに数えられ、特に3月から4月にかけての大潮の頃には潮の流れが時速20km以上にもなり、直径20m以上の大きな渦潮が見られます。

ここで育つ「鳴門わかめ」は、激しい潮流に揉まれ、色も風味も食感も天下一品です。

わかめ漁最盛期の3月19日、ムソーの「鳴門産塩蔵わかめ」の生産者、福池和由さんを訪ねました。

淡路島経由で鳴門に着いたのは朝10時。福池さんは早朝5時半から海へ出て採ったわかめを陸に揚げ、浜で湯通ししている最中でした。

●湯をくぐり、鮮やかな緑色に

茶褐色の原藻わかめを一抱え、熱く沸騰した海水の釜に入れると、翡翠のような美しい緑色に。

湯気と磯の香りの中、ぶ厚い茎が茹で上がるのを見計らって冷たい海水に移し、急冷しながらきれいに洗えば、鮮やかな緑色の新わかめの誕生です。

湯通しした新わかめは保存のため、すぐに下漬けの塩をまぶし、一日置いて水切りします。

こうして塩蔵したわかめの芯(茎わかめ)を取り、柔らかい葉だけを宝海草(株)に出荷。

宝海草でいったん塩抜きし、赤穂の天塩で改めて塩蔵わかめに仕上げて出荷します。素朴ともいえる工程に、食品加工の原点を見る気がしました。

「今朝の漁は済ませたけんど、沖へ出るか?」潮の流れに負けない80馬力の“えびす丸” に乗り、港から5分ほど走った沖に、福池さんのわかめ養殖イカダがありました。

「ここ大毛浜は鳴門の中でも渦潮に近いけん、潮に揉まれていいわかめができる。吉野川が運ぶミネラル分も大事」。

海面近く格子状に張られたロープから、茶褐色のわかめが生え、海中でゆらゆら巨体を揺らしています。

根元には分厚く固くぬるぬるした「めかぶ」がついていて、生きているぞと主張しているようです。

●種苗から手塩にかけて育てる

わかめの養殖は春の種作りから。種苗を購入する漁師が多い中、福池さんは自ら種を採り苗から丈夫に育てます。

昔から稲作で「苗半作(お米の出来の半分は苗で決まる)」と言いますが、海を舞台にしたわかめ養殖も同じことです。

5月中旬、丈夫で大きいめかぶを刈ってきて、海水の水槽の中で揉んで種(胞子)を採り、種糸を張った枠を浸けます。

10月中旬になると幼芽が数mmに育ち、これが養殖用の苗になります。

わかめの赤ちゃんが付いた種糸を2~3cmに切って均等にロープに挟み込み、11月中旬に沖へ運んで海中に吊るせば、海の養分と太陽の光をいっぱい受けて、翌年2月中旬から4月10日、鳴門新わかめとして収穫されます。

福池さんは61才でもちろん現役、「今日の昼は、わかめと穴子をシャブシャブにした。めかぶは茹でて刻んで酢醤油で食べよる、おいしいで」。

地元で最高齢の漁師さんは85才の由。私たちも若さを保つ“若布”を毎日いただきましょう。


生産者の顔が見える鳴門わかめ


鳴門産塩蔵わかめ 100g ムソー

22198(ムソー)鳴門産塩蔵わかめ

100g 324円(税込価格) 300円(本体価格)

原材料:わかめ(鳴門産)、食塩

【日配品】【要冷蔵】


ここがGOOD!

●生産者を福池和由さんに限定

●赤穂の天塩で仕上げた塩蔵品

●最も生に近く、うまみたっぷり

鳴門の福池和由さんが生産した原藻わかめを湯通しし、保存のため食塩(赤穂の天塩)をまぶしたものです。

乾燥させていない生わかめですので、水で戻す必要がなく、水洗いで塩を落としてすぐ使えます。

湯通ししているため鮮やかな緑色に仕上がっています。 最も生に近い状態ですので、うまみも沢山含まれます。※食塩含有量30%

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塩抜きのコツ

塩抜き前

塩抜き後

適量の塩蔵わかめを容器に入れ、水を十分に入れて2~3分間浸します。水を完全にきらずに、ザル等に引き上げておきます。

2~3分で水分がわかめに浸透し、肉厚で歯ごたえの良いわかめに戻ります。塩抜き後、そのままで酢の物や海草サラダに。

味噌汁等に入れるときは、熱を加え過ぎないように。

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月刊「むすび」 2012年06月号より

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