札幌の自然食品店「まほろば」主人 宮下周平 連載コラム
一、突然のYouTube、「反対署名」の呼びかけ
11月3日、まほろば感謝市に手渡された『風の祈り 第四章』を待っていたかのように、最終日の5日、突如予告もなくYouTube「和yogiチャンネル」に、「(仮称)古平・仁木・余市ウインドファーム事業」計画反対署名請願のことがupされた、との連絡が入った。
フォロアー数8・5万人もある人気ヨガマスター松本和也さんの『【大変なことになっています】助けて下さい。魔の手、迫る』は大反響。
3週間で4・8万回視聴、545件のコメント、そしてNet署名1か月で10,000人突破の勢いです。
一方、紙面署名も2,500筆。仁木町の風車計画が、あれよあれよという間に全国規模で知れ渡ってしまったのです。
それに比し、最も要な地元の声が、まだまだ追い付いていない現状も、時の問題。
夏の陣は外堀を、冬の陣は内堀を埋めます。
農繁期で、言うも聞くも儘(まま)ならない互いの身も、これからの農閑期3、4か月が勝負です。
昨年8月、同YouTube上で、タイトル『削除されたら、さようなら』でコロナ禍での生き方が流されたところ、これも20万回視聴され、何と冊子『コロナと生きる』が7万部も全国配布されました。
発送業務のため、とうとう店内運営まで支障を来たし、止む無く中止した経緯がありました。
それは、全国的な共感を呼び、異常な状況にまで追い込まれるほどの凄まじい感化力でした。
今回は、その第2弾のウェーブ到来ということでしょうか。
これからも相当、引き潮、上げ潮が繰り返し襲うものと見ています。
札幌小別沢のまほろば自然農園で、研修していた彼が、このような理解と貢献をしてくれるとは、予想だにしませんでした。実に、ありがたいことです。
二、国民運動への突破口
これを聞き付けた多くの知人が、この署名運動に全国・全世界から参画してくれています。
MIT(マサチューセッツ工科大学)出身の最先端科学者・増川いづみ博士は、電子工学、量子力学、水の磁気共鳴研究、流体力学、超低周波・電磁気学、生物分子学、さらに古代史等の世界的権威で、現在「サウンドヒーリング」普及に挺身されています。
この音叉の共振・共鳴・増幅に関わる理論と実践は、何とこの風車現象と相似象・共時性であることに着目、そのマイナス面のダメージを悉く知り尽くしておられた。
雲霞(うんか)の如く建つ風車と、環境・人体に及ぼす甚大なる影響被害や、死滅減少に追い遣(や)られる野生動物の愛護の精神からも、この狂気の負の事業を国内から一掃しなくてはならないと、あらゆる方面に呼び掛けて下さっております。(『風車紙芝居』の斉藤武一さんと共著出版予定)
これまでの自然食品業界の卸・小売り関係、農業漁業関係、自然保護団体、慈善財団など全国に網羅した知縁の方々のさらなるNetworkに繋いで、拡散の輪が環(わ)を膨らませて連鎖反応を繰り返しております。
政治的にも水面下、超党派の連携も見せており、絡む利権構造撲滅のためにも、国民運動へと進展する可能性を秘めて来ました。更なる皆様のご協力をお願い致します。
三、全道シンポジウムの実態
風車反対運動を始めてから5か月。
狭い仁木町しか分からず、他の地域の現状は全く無知同然。農繁期も手伝って、周辺のことを熟(こな)すだけで、精一杯であった。
そんな中、風車問題の全道シンポジウムがあることを聞かされ、即参加。
その熱気を帯びた会場には圧倒され、皆さんの真剣な取り組みには、「井の中の蛙」の我が身を思わずにはいられなかった。
そして、そのタイトル″再エネ植民地〟に目が釘付けになった。
正に、ふるさと北海道が、外資により植民地化されている。その現実に目を背けてはいけないのだ。
外に目を向けて、多くの仲間を知り、改めて我が街の風車問題が、国家的大問題でもあることを強く認識するだろう。
そんな状況を「北海道風力発電問題ネットワーク」の佐々木邦夫代表が、最も的確に報告されているので、ここにご紹介します。
●11月23日(水・祝)北海道風力発電問題ネットワーク・(一社)北海道自然保護協会の共催により、シンポジウム「私たちの北海道を‟再エネ植民地“にさせないために」~大規模風力発電「3000基建設計画」の衝撃~を、札幌エルプラザ大研修室にて開催いたしました。
当日は13時の開場前から長蛇の列ができ、定員90名の会場をオーバーするほどで、ZoomにおいてはMaxで80名の方にご参加いただきました。(定員を超えたためお帰りになられた方にはお詫び申し上げます)
またマスコミ各社より取材やテレビカメラが入り、北海道に風力発電が集中することに皆さんが強い関心を寄せていることを強く実感しました。
主催者挨拶で開催趣旨を話した後、現在計画(宗谷・常呂については建設中)が進められている道内各地、「宗谷」「豊富」「石狩」「当別」「小樽」「北見市常呂」「伊達市大滝」の市民団体より報告を行いました。その後、専門家による解説・問題提起を頂きました。
NACS‐J(日本自然保護協会)の若松先生より「全国アセスデータからの陸上風力発電計画による自然環境への影響」について、北大の田鎖先生より「風車騒音による県境影響について」、東京農大の白木先生より「バードストライクなど野鳥に関すること」について、様々な問題について伺うことができました。
今回のシンポジウムは、より多くの方に「風力発電の問題点」や「今北海道で何が起こっているのか」を知っていただくことを目的に開催しました。
立地地域の方などにとっては物足りなさ(反対集会ではない)を感じられたかもしれませんが、参加された方の中には「どのような問題があるかを知りたかった」、「立地地域になるとどのようなことが起きるのか」、「反対集会であれば来なかった」、「実際に話を聞くことでよく理解できた」などのご意見、また「コメントなどあまりにも強い口調にひいてしまった」などのご感想を直で聴くことができました。
「負の側面」があまりにも多い風力発電計画に反対することについては、立地地域(計画だけで500基以上)で長年生活してきた私自身、強く理解するものですが、その一方で、より多くの方々にこの問題を理解していただくと言うことについても重要な課題と考えております。
今回のシンポジウムにおいて反省点や次回への課題は少なくありませんが、想像をはるかに超える参加者の皆様に感謝申し上げますと共に、企画立案から当日の準備に至るまで携わっていただいた皆様、唯一記事にしてくださった読売新聞さんに感謝を申し上げます。
改めて、余市から札幌への高速道路からも窺い知る石狩湾沿いの屹立した風車群。既に合計9社が、8000~2万kWの洋上巨大風車を数十~数百基申請、計画書を総計するとなんと最大1178基が建つという。
まさに風車の森林。異常である。
その地元の方々の現状は、想像を絶するほどの悲痛な叫びにも似る。
我々は、未知の立場。想像の訴えでしかない。
しかし、全道に拡がる風車と共に暮らさざるを得ない人達にとっては、闘争の毎日でもある。
そんな日が来るか、来ないか。今の頑張りでしかない。
その切実な訴えは、各会のチラシを見て頂ければ、一目瞭然なのだ。他人ごとではない。
この訴え、この叫び、この声々が日本中、世界中に届けとばかりに拡げたいと思います。
各会のご尽力に敬意を込め、公開して共有させて戴きます。
皆さまも事の深刻さを認識されて、コピーして拡散してください。
この被害は一地域に留まりません。殊に、札幌周辺地域は、石狩湾の気象変動に大きく作用されています。
当然これだけの数の風車が稼働すると、健康被害を受けざるを得ない。
各々の地域が孤立せずに、連帯連立して、力を携えて前進しなければなりません。頑張りましょう。
(巻末9頁より添付しております)
四、稚内、平尾さんの新著
10月の仁木学習会で、半ば飛び込みで道北の風車現状を皆さんに報告した「稚内そよ風の会」代表の平尾護さん。
早速話を纏めて上梓したのが『私たちのまちに風車はいらない』。
その凄まじい風車の林立は目を疑うばかりだ。
宗谷管内(宗谷総合振興局管内)では、稼働中118基、工事中124基、アセス中512基の異常さはたとえようもない。
この話も文も、生まれて初めてとは到底思えない完成度です。
まほろばで無料頒布中。稚内では3000冊、配布されるとのこと。
再版に次ぐ再版で、多くの方々が覚醒されて、この反対運動に参画されんことを。
中露からの国防の要塞でもある日本最北地。
風車によってレーダー基地の使命が、機能不全の状況を露呈しています。
これは日本の未曽有の危機であります。一日も早く、北の大地を、道民の手に取り戻せねば。
五、山田征さんの思想
たった2円の賦課金納入を拒否したため、送電を止められたお婆さんがいる、という噂を聞いてはいたが、お会いしたことがなかった。
その方、「自然再生エネルギー」に詳しい山田征さんという。
電気のない生活!? 現代では想像し難く、それこそ自給の暮らし、昔ぶりを実践されているとは!
金銭の多寡でない。少しの不正も許さず、信念を曲げぬその本気度は、けっして上滑りでない。
山田さんが、札幌にいらっしゃるとの報せ。忙殺される中、札幌へ向かった。
その主催者のチラシにこう書かれていた。
「今まで出版された9冊のシリーズの本の内容は、多岐にわたりますので一言で言い表すことが出来ませんが、一般的には善は神、悪は悪魔に所属する、といった二元的な捉え方ではありません。
善も悪もそれは同じ神、あるいは宇宙意識の側面であり、人として生きる人間の魂の成長にとって、悪という存在はなくてはならない非常に大切で重要な物であるということをさまざまな角度から表現を変え、解き明かしていると思います。
そして、今一つ大切なことは、生長のために、人は幾度となく繰り返される輪廻転生という壮大なシステムがあるということです。
つまり、人は死んだらおしまい、ということではなく、その人が何を目的としてその人生を生きるのか、あるいは選んだのか、そしてその目的は全うされたのかどうか。
度重なる人生にとって、悪というものはなくてはならない大変重要な素材であるということです。
そしてさらに大切なことは完璧極まりなく作り上げられています自然界、いわゆる生態系というものに対し、人はどう向き合ってゆくのか?‥‥‥‥‥‥」
元より、一元論者なる私は、頭を打(ぶ)たれるような衝撃的な正見だった。
陰陽両儀、善悪一体の神の顕現である。してみると、風車もコロナもワクチンも神の顕現。
事業者も、政府も、C国も、神さまか!
そんな馬鹿な!と思えそうだが、立ち止まって見ると、この宇宙は二手に分かれている訳ではなく、一体として絡みながら、整然たる運行で、超然として止むところがない。
一歩も十歩も引いて観ると、賛成も反対も同根で、人の素性はみな同じだ。
それぞれを演じて、互いに魂を切磋琢磨している。
そこに壮大な輪廻転生という宇宙システムに組み込まれて進行しているだけだった。
こういう激動の時代にこそ相応しい魂が、風車という悪の象徴を砕いて、良き世に導けられるか、試されている。
それは、憎しみでなく、慈しみの心をもって対する。
賛成の人も推進の側も、一様に仁愛の心を抱いて磨けるかという試しを、神さまから学ばされている訳だ。
そう聞けば、確かに心が楽になる、平らかになる。何か急に希望が見えて来る気がして嬉しい、不思議だ。
そうだ、そういう気持ちで、風車反対運動の心としなければ、いい方向には解決しないのだろう。
敵と見ない、味方・仲間として引き入れて観る。
それが、神さまのご意思なのだろう。さらに愛の高みを、深みを、神さまは望んでいらっしゃる。
なにか、ホッとする自分がそこに居た。ただ感謝である。
六、宮嶋さんのチーズ作りからの智慧
先日、ニセコの帰り、寄りますとの電話があり、それなら一泊してゆっくり仲間に話を聞かせて上げて、ということになり、久方ぶりに奥様と来られた。
まほろば創業時からの付き合いだから40年にも喃々(なんなん)としている。
2004年スイスで開催された「山のチーズ・オリンピック」でグランプリを獲得したニュースは、日本中を沸かせた。
そして、チーズの取り扱いは無論、まほろばオリジナルチーズ「ti‐tie(チッチ)」製造への道は、いつも宮嶋さんと共にあった。
ヨーロッパへのAOC(原産地呼称統制)研修やユベール会長との対面や様々な事々は、彼のご縁でなったことだ。
それのみならず、歴史のこと、炭埋のこと、新月の木のこと、電気のことなどなど、教わるばかりだ。
そんな日本チーズ界のオーソリティとしての発酵への見識は、超一流であることは論を俟(ま)たない。
チーズと言えばワインはつきものだが、どれほど欧米のワインに接して来たかも計り知れないほど薀蓄(うんちく)があり、見識も高い。
発酵醸造の原理としては、同じ微生物相手なのだ。
その微生物環境の良さがワインのそれと一致する。
場作り、環境整備が、何よりもワイナリー造成・管理の第一歩。
その場とは何かを、とことん語り尽くして頂こうと企画した。
その彼が、満を持して、初めてワイナリーの群居する余市・仁木で講演する。
1月21日(土)9時から町民センター(交流ホール)で。「食と発酵と環境」のタイトル。サイン会もある。
七、星澤幸子さんの講演「自分を愛する生き方」
3月11日(土)1時から、仁木町民センター(大ホール)で、あの「どさんこワイド」の『どさんこキッチン』でお馴染みの料理研究家・星澤幸子さんが、食と生き方についてのお話をされます。
富良野の農家生まれで、根っから道産子。
芯から私たちと同じ食べもの芋玉で、育ってきた年代です。
おじちゃん・おばちゃんに好かれる庶民性は飾らない、
誇らない、気さくで人情味厚く、しかも親分肌の姉御肌。とっても頼りになる人生の大先輩です。
仁木の豊かな食材、豊富な果物やお米、野菜などなどフンダンに用いた料理を、どう生かせばよいのか。ギネスブックの世界記録を誇る料理TV出演回数。
その途方もない場数に裏打ちされた料理の腕は、臨機応変、自在即妙、素材の見事な変身振りと、レシピ提供の無尽蔵さは、「料理の神様とご一緒している!」 と、確信するばかりです。
当日のお話は「自分を愛する生き方」。たまには堅い話ばかりではなく、ホッとひと息付きたいものです。
ご本のサイン会もあります。
※北海道の豊かな自然を守るため、ぜひネットでの署名にご協力ください。
https://chng.it/GjpLNy5swt
巻末付録(各地区より)
「風力発電の真実を知る会」http://winpow-comaga.kilo.jp/ 発行
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宮下周平
1950年、北海道恵庭市生まれ。札幌南高校卒業後、各地に師を訪ね、求道遍歴を続ける。1983年、札幌に自然食品の店「まほろば」を創業。
自然食品店「まほろば」WEBサイト:http://www.mahoroba-jp.net/
無農薬野菜を栽培する自然農園を持ち、セラミック工房を設け、オーガニックカフェとパンエ房も併設。
世界の権威を驚愕させた浄水器「エリクサー」を開発し、その水から世界初の微生物由来の新凝乳酵素を発見。
産学官共同研究により国際特許を取得する。0-1テストを使って多方面にわたる独自の商品開発を続ける。
現在、余市郡仁木町に居を移し、営農に励む毎日。