レッスン16-②
「良く生きる」ということの意味
先月号と今月号の内容は、ビジネスを行う際の仕組み作りと似ています。
簡単にいえばPDCA(Plan: 計画Do: 実行Check: 評価Act:改善)サイクルを回していく、ということです。
マクロビオティックに出合って人生が変わったという人を多く見かけます。
特に疾患を抱えていた方の症状が緩和( または完治)したという話はマクロビオティックのプラス面を後押しします。
一方、マクロビオティックを実践して病気が悪化した、あるいは友人や知人との付き合いが悪くなったなどのマイナス面を感じる方もいます。
どうやらマクロビオティックの恩恵を受けられるかどうかは当人次第であるようです。
ここでよく言われるのは、「正しく」マクロビオティックを行っていないから恩恵を受けられないのだ、という意見です。
この場合の「正しい」とは、マクロビオティックの陰陽を活かしているかどうかです。
陰陽とは、磁石のN極とS極のようなものです。同じ極を接着するのは困難ですが、異なる極同士は簡単に引き合います。
マクロビオティックの陰陽を活用すれば、極の秩序に逆らうことなく計画を達成できる可能性が高まります。
陰陽を意識・実践したマクロビオティック食事法を「正食」、その反対を「邪食」と呼んでいたのが70~90年代の日本のマクロビオティック運動でした。
ただ、第三者的に見た場合、その正邪をどう思うでしょうか? どちらでもよいという答えは乱暴ですが、それは当人の「どう生きたいのか」という命題に帰結するのではないでしょうか?
マクロビオティックでは世界平和を目指していますが、当人の願望が明確でない場合、4月号でもお伝えした通り、意志力が空回りし、持続力が落ちて計画が達成されないことがあります。
戦争がない世界の実現に向けて、マクロビオティックを活用してSMARTな計画を立案することは素晴らしいことです。
計画を考え、実行してみた結果、当人がマクロビオティックに期待していた内容を初めて評価できます。
実行した結果に対する評価をしっかりと行った後、それをどうしていきたいのか? そこに意志が関わってきます。
桜沢如一氏が最晩年の小論文において「意志教育50年の実験報告」という文章を書いている通り、意志力が肝です。
陰陽を活用し、マクロビオティックの恩恵( 陰陽の知行合一と意志力の磨き方を学べること)にあずかりましょう。
Exsecise16-2 目標を設定しよう(未来)
未来
4月号では過去を振り返り、現在目標を見つけるための5つの項目(SMART)についてお話しました。
今月は、目標を達成するためにどのように現実的な計画を立てるかを学びます。
目標を設定する際の戦略の土台となる明確なステップを書き出してみましょう。その際、次の点を考えてください。
① 食物
食べたいものと食べたくないものを見分けましょう。その選択は後々変わるかもしれませんが、今知っている知識の中でエクササイズを行いましょう。
②習慣
食物に関する習慣を認識し、何を続け、何を止めるべきかを考えましょう。レッスンを進めることでたくさんのヒントが得られるはずですが、今、感じている範囲で考えてみましょう。
③計画
「私は毎日○○をする」など、具体的な計画を立てましょう。
④親切
物事に親切に振る舞うようにしましょう。一か八かで行ってはいけません。
「自分に対して親切になり、ベストを尽くす」「何かを忘れてしまった時は、一呼吸入れて再チャレンジする」などと宣言してみましょう。
⑤柔軟性
計画に余裕を持たせましょう。「7日間のうち、5日○○○する」といった感じです。
⑥期間
「この本を読んでいる間」または「2週間」、または「次に病院に行くまでに」など、期限を設けましょう。
⑦意識
「以前よりも遠くまで歩けるようになった」「血圧が改善した」「睡眠が十分な休息になった」など、改善が図られた事実を認識しましょう。
⑧責任
物事をしっかりと説明できるようにしましょう。
必要であれば、かかりつけの医者や健康に関する指導者に相談し、計画を書き出すようにしましょう。
それを目に留まる場所に貼り、経過状況を追いましょう。
目標や戦術は、できるだけ柔軟に調整してください。長い概略を書いてもよいですし、短文で直近のニーズに対するプランを書いてもよいです。
いずれにしても、新しい習慣を確立し、古い習慣を打破するには約6週間程度はかかることを肝に銘じておきましょう。
将来の計画を立てることは重要です。自分にとって大切な物事を達成するという積極的な態度が要求されます。
目的、目標、対策を立てた自分、これまでの自分と次に何を成し遂げたいのかを希求している自分を褒めてあげましょう。
あなたにとって何が大切であり、実現可能なのかということを土台とした目標を見つけることができます。
食物をそのサポート役に、直感をその道標にしましょう。
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月刊マクロビオティック 2018年5月号より
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Julia Ferré
北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。
GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。
新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。
foodandintuition-jp.jimdo.com