りんごの薬効で特にめざましいのは、整腸作用である

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森下敬一 『食べもの健康法』●りんご

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バラ科に属する果物には、不思議な薬効を持っているものが多く、リンゴもその一つ。

かの有名なバーモンド療法はリンゴを発酵させて作ったりんご酢とはちみつを混ぜ、適当に水に薄めて飲む方法である。

この飲み物を常用しているアメリカのバーモンド地方に長寿者が多い、というわけで長寿法として知れ渡った。

健康法や長寿法に目を変えるのは機械文明の先進国だ。

即ち肉食の欧米各国だから、そこで効果があったからといって、必ずしも穀菜食民族である日本人に有効だとは限らない。

日本人の健康長寿法をはばんでいる最大の原因は、肉食と精白食品。だから玄米・菜食中心食に切り替える方が、バーモンド療法よりどれだけ効果的か知れない。

ともあれ、バーモンド療法に限らず、リンゴが肉食の害の解消に有効であることは確か。

リンゴにはカリウムがたくさん含まれている。このカリウムが肉食による体内の過剰塩分(ナトリウム)の排泄を促す。

このため、高血圧を防止し、脳卒中の予防にも役立つ。

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一般には、食塩を取りすぎると高血圧になるといわれているけれど体内の塩分過剰を引き起こして高血圧を始め色々な慢性病を招くのは、食塩よりむしろ肉食過多なのだ。

食塩で問題になるのは、摂取量ではなく質なのである。

アダムとイブ、ニュートン、ウイリアムテルなど、欧米にはりんごにまつわる話が多いのも、肉食との関連があるのかもしれない。

アメリカの牧師ジョナサンは、何を考えたのか、説教などはそっちのけで開拓時時代の西部の村々にりんごの種をまいて歩いたという。

このジョナサンによって、わが国のりんご好きがもっとも喜ぶ紅玉も生み出された。

穀菜食民族である我々が、りんごの格好を得るためには、過食にならないよう適度にとることが大切だ。

果物による体の冷やしすぎを防止するのである。

体の冷えやすい人は、焼きりんごにしたり、塩味だけで煮たものをパイに用いたりするとよい。

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さて、りんごの薬効で特にめざましいのは、整腸作用である。りんごにはペクチンがたくさん含まれる。ペクチンは腸壁にゼリー状の膜を作って便通をよくする。

腸内の異常発酵を抑えるとともに異常発酵によって発生した毒素の吸収も阻止する。

このため常食していると高血圧、肌荒れ、頭痛、めまい、ノドの痛みなどに有効。

昔は、病人食といえば決まって、りんごのすりおろしを与えた。どの病気も元凶は腸機能の乱れにあることを考えれば、実に合理的な手当て法だったわけだ。

もっとも、いまの病人では、ミネラルや酵素などの絶対的不足も発病の重大な要素になっているから、りんごのすりおろしだけでなく、胚芽、葉緑素、酵素を補給することが不可欠であるが。

りんごのさわやかな酸味は、リンゴ酸、クエン酸によるもの。これらの有機酸は代謝を促進して疲労を回復する。

■りんごのスナックサラダ

材料(5人分)

・紅玉りんご・・・1個
・角パン・・・2枚
・紅花油・・・大さじ2
・ごま油・・・大さじ2
・玉ねぎ・・・1/4個
・マヨネーズ
(粉末豆乳大さじ3、紅花油大さじ4、和がらし小さじ1、自然塩小さじ1弱、こしょう少々、米酢大さじ1)

<作り方>

①りんごは皮のまま1cm角に切り、塩水に漬けて水切りしておきます。

②角パンも1cm角に切り、紅花油とごま油の混ぜたもので、こんがりキツネ色に炒めます。

③玉ねぎは薄切りにしておきます。

④粉末豆乳、からし粉、自然塩、こしょう、米酢を混ぜた中に紅花油をごく少量ずつ加えて、よく混ぜてゆき、なめらかな植物性マヨネーズをつくります。

⑤材料を全部マヨネーズで和えて召し上がっても、お皿に盛りつけて、かけながら召し上がっても結構です。

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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