遺伝子組み換え食品に明日はない 

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船瀬俊介連載コラム 月刊マクロビオティック 2000年6月号より

「遺伝子組み換えの食品は環境にも人体にも安全」と、開発側からふりまかれてきた”安全神話”がつぎつぎに崩壊している。

「チョウにも被害が」コーネル大学の警告

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1999年5月20日、イギリス科学雑誌『ネイチャー』に衝撃的な実験結果が載った。

コーネル大学の研究グループの実験によれば「害虫抵抗性の遺伝子組み換えトウモロコシ…BTコーン」が、「害虫だけではなく、チョウにも被害を与える」ということが判明したのである。

研究に取り組んだのはジョンE・ローシー助教授(昆虫生態学)ら。

この遺伝子組み換えは、特定の害虫にのみ抵抗性をもつ特質を与えたもの。だから「殺虫剤を必要としない」がセールスポイントであった。

ところが、害虫以外の生物にも、有害性を発揮することが判明。

つまり、環境の生態バランスを破壊する可能性、さらには人体への毒性の懸念も出てきたわけだ。

EU委員会は、同リポートを重視。パイオニア製のBTハイブリッド・コーンの販売許可の延期を決定した。

実験に使われたチョウはオオカバマダラという種。

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アメリカ国内では、生息数の激減が問題となっていた。よりによって絶滅が心配されているチョウがBTコーンで被害を受けるという結果に、アメリカ環境グループは強く反発している。

全米で広く遺伝子組み換えに反対している市民ネットワークの「ピュアフードキャンペーン」などは、「組み換え食品は、環境に悪影響を与える」とインターネットで警告している。

BTコーンは、殺虫毒索を作るバチルス・チュウリンゲンシス菌(BT菌)の遺伝子を、トウモロコシ遺伝子に導入することで創り出された。

害虫のアワノメイガがこのBTコーンを食べると、毒素にやられ撃退される。

だから、それまで使用してきた殺虫剤を使わなくてすみ、農薬散布を減らせる。それがメーカーの謳い文句だった。

花粉を食べた幼虫の44%が死んだ。

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しかし、そううまくはいかない。BTコーンは花粉にもBT毒素が現れる。

コーネル大研究によれば、「この花粉は風にのって少なくとも60m以上飛ばされる」。だからトウモロコシ畑以外の植物に「BT花粉」が付着する。

その植物をエサとする他の生物が、それを食べてしまうこともありうる。

同リポートは、BT花粉をふりかけたトウワタの葉でチョウ(オオカバマダラ)の幼虫を育てて観察。

その結果、BT花粉のついた葉を食べた幼虫は4日間で、なんと44%が死んだ。普通のトウモロコシ花粉をふりかけた葉で育てた幼虫はすべて生き延びたのに……。

さらにBT花粉を食べた幼虫は「食べる量が減り」「成長も遅い」というダメージもみられた。

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99年度、北米のBTコーンは全トウモロコシ作付け面積に約30%にも達している。さらにシェアを拡大しようとしていた業界にとって、この報告は大ショック。

当然「実験室での研究で非現実的」など、猛反発を行なっている。

しかし、同大研究グループは「実験結果は、重大な事態を示した」と自信を深めている。

これまでにも、研究者たちは「BT毒索が土壌に蓄積され、他の生物に被害を与える」「抵抗力をもつ”抵抗性害虫“が出現する」などの批判を行なってきた。

今回のリポートは「標的となる害虫以外に生物に『死』を含む大きな『リスク』を与えるだけではなく、飛ばされたBT花粉を食べた生物のなかに抵抗性生物を生み出すことも可能性として示唆した」「日本消費者新聞』九九年六月一日)

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さらにニューヨーク大学のG・ストッキーらは、トウモロコシの根からもBT毒索がにじみ出していることを発見。(『ネイチャー』12月2日号)

地中生物にもBT毒索が悪影響を与えているおそれもある。

月刊マクロビオティック 2000年6月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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