危険な遺伝子組み換え技術に頼るのは、愚かなのである 

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船瀬俊介連載コラム 月刊マクロビオティック 2000年6月号より

スナック菓子など6品目中、5品目から検出

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ショックを受けたのは、日本の農水省だろう。

この問題となったBTコーンは、日本では1997年に「組み換え利用指針」に基づき「環境での安全性を確認した」と輸入許可。

さらに、その他の5品目のBTコーンについても97年までに”安全性審査”を終了。日本国内では商業栽培をされておらず、すべてが輸入品。

しかし「輸入量は不明」と頼りない。

さらに衝撃的な事実が、あきらかになった。日本で活発な反対運動を繰り広げているのは消費者市民団体などで構成される「遺伝子組み換え食品いらないキャンペーン」である。

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99年7月29日、輸入原料を使った「コーンスナック」に、安全チェックもされていない組み換えBTコーンが密かに使われているという調査結果を公表した。

同キャンペーンはトウモロコシを使用した市販加工食品19品目を米国検査機関に送って分析を依頼。

その中間リポートは、おどろくべきものだ。

分析したコーンスナック菓子6品目中、4品目のスナック菓子と1品目のコーンスターチ合計5品目に遺伝子組み換えコーンの含有が確認された。

さらに5品目のうち3品目は、日本での安全評価確認を受けていない品種。

これまで政府は「安全性は確認されているから表示は不必要」と、遺伝子組み換え食品の表示を拒否していた。

今回のテスト結果は、未確認BTコーンが、すでに他のコーンに混入されて、大量に日本の食卓から胃袋になだれこんでいる現実を浮き彫りにした。

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敵はすでに我が腹中にアリ…

同キャンペーンは、以下6項目を厚生省、農水省に文書で申し入れた。

①アメリカ政府に抗議して、表示による九分流通を要求する。

②未承認品種原料の流通禁止、回収措置。

③甘い現行ガイドラインを改めて、厳しい規制法を導入。

④「組み換え食品」表示は「原料表示」を原則とする。

⑤水際での監視体制を敷く。

⑥製品原料の由来が把握できる体制を……

企業提出データで”安全性”確認?

厚生省や農水省は「未承認品種の輸入や流通禁止」「発覚した場合はメーカー名を公表する」としてきた。

しかし、今回のキャンペーンによる発覚には「情報を収集して……」と歯切れが悪い。

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現在、我が国でもジャガイモ、トウモロコシ、大豆、ナタネの4種7品目の遺伝子組み換え食品が大量に輸入されている。

それも「無表示」で……。

日本政府は、実験用マウスを使った、わずか4週間の企業が提出したデータを元に「”安全性“は確認された」許可を乱発。

マウスの次世代への影響、さらに人体への影響など、まったく無視されたままなのだ。

自然育児で知られる小児科医、真弓定夫医師は「遺伝子組み換え技術自体が、開発されてから二十年、野外実験を始めて十年の新しい技術の産物をいとも安易に取り入れる政府の姿勢を容認することはできません」と批判する。

「(輸入される)4種類は殺虫剤や除草剤に強い遺伝子を組み入れた作物です。

人はこれら殺虫剤や除草剤に対して強度の抵抗性をもった成分を大量に含んだ食べ物を、いまだかつて口にしたことはありません」(『蒼玄』九七年二四巻)

つまりこれらは新しい毒性作物。

真弓医師が懸念する悲劇は

①発ガン性

②催奇形性

③未知のアレルギー疾患……などなど。

「表示必要ナシ」が一転「三十品目」表示へ

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腰の重かった厚生省も、高まる反対運動の声に押され、「安全性の確認」を法律で義務づけ、2000年度から実施すると発表。

現在の「安全性評価指針」によるチェックの甘さを認めた。

これらは遺伝子組み換え食品も、食品衛生調査会により厳しく審査されることになる。さらに

①輸入時の検証方法、②表示方法なども確定。

99年8月、政府は「遺伝子組み換え食品」表示を決定。

30品目の食品について「遺伝子組み換え」使用の有無を表示しなければならない。

実施は2001年4月から。

この表示義務化に小売り業界もテンヤワンヤ……。

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大手スーパー、ジャスコは九月から、ほかに先駆けて自主表示を始め注目を集めている。自社開発のPB商品63品目に3種類のステッカーを貼っている。

その他、大阪市のマイカルなどほかのスーパーも自主表示につぎつぎに踏み切っている。

見かけでは分からない遺伝子組み換え食品。それを分析する専門会社ジェネテックID社の日本事務所が、99年4月から検査サービスを有料で始めたところ、最初は月に20~30件だったのが、7月ごろから依頼が爆発的に増加。

十一月には三百件もの検査依頼が殺到している、という。また、遺伝子組み換えがらみの新ビジネスも登場。

日商岩井、興亜火災海上は共同で「GNO(遺伝子組み換え作物)保険」を売り出した。「非組み換えの食品から、仮に組み換え食品が検出された場合、回収費用や損害を保障する」というユニークな保険。

その説明会には2百人以上の食品メーカーや商社社員がつめかけた。

これら逆風に、企業も敏感に反応している。

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遺伝子組み換えトマトの開発に取り組んでいたカゴメは、97年8月、商品化を断念。

撤退宣言をしている。遺伝子組み換え原料に積極的だったキリンビールも、99年8月トマトの商品化を見送った。

さらにビール原料のコーンスターチも脱遺伝子組み替えを発表した。

この180度の方針転換にはアサヒ、サッポロもあわてて追随した。

GM作物なくても農業生産は2.3倍に

海外でも遺伝子組み換え食品の神話崩壊は続いている。

99年、英国王室ウェールズ公は、雑誌『エコロジスト』に次のように寄稿している。

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「(遺伝子組み換え)技術で生み出された植物が、人間の健康や環境に長期的にどのような影響を及ぼすかは、まだ誰も分からない。

この予測不能の結果がもっとも恐ろしい。安価な商品を追い求めるあまりに発生したウシ海綿状脳症(BSE:狂牛病)などの教訓を、私たちは決して忘れてはならない」

さらに、メーカー側が宣伝する「遺伝子組み換え作物は、世界の食用問題を解決する」という主張も批判する。

「最近の調査によれば、自然を保護しながら、労働力と管理能力を高めていけば伝統的農業の生産能力は、2.3倍にすることが可能になる」

つまり、あえて危険な遺伝子組み換え技術に頼るのは、愚かなのである。

月刊マクロビオティック 2000年6月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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