習慣は力強くあらゆる状況において役に立つ価値ある「道具」

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レッスン1 0習慣

ルーティン作業にもワクワクし、自己鍛錬に習慣を活かそう

習慣に着目してみましょう。食後に歯を磨くなど、多くの習慣は有益なものです。

また、交通渋滞を避けるために特定の道を通って職場に行くなどの習慣は、生活を便利にしてくれます。

良い習慣は、健全な動作に着目します。両親や先生は多くの良い習慣を若者に教え、彼等は大人になるに従って習慣を継続します。

私が息子たちに教えた良い習慣としては、トイレを使った後に手を洗う、家に入る前に泥だらけの靴をキレイにするなどです。

皆さんも同じようにお勧めの習慣があると思います。

良い習慣が好まれる一方、悪い習慣も生活の一部です。良い習慣同様、悪い習慣も時を経るに従って発達していきますが、通常このことに気づくことは少ないでしょう。

面倒な悪い習慣としては、家具の上に濡れたタオルを置きっぱなしにする、テレビの観過ぎ、時間が経つのが早過ぎると感じるなどがあります。

他にも、喫煙、飲酒、薬物使用など中毒になるものもあり、この場合は依存から脱するための支援や強い意志が必要となります。

どんな習慣であってもルーティン( 繰り返し行う動作・行動)となり、考えずに習慣となることがありますが、それが問題になることは稀です。

なぜならば、それは咳をするときに口を押えるような機械的な反応に過ぎないからです。

姿勢が悪い状態などの習慣の場合は背骨が歪むなどの問題が起こる場合があります。習慣の中には、集中するために思考を必要とするものもあります。

安全を保つために注意を傾ける必要がある運転は、その適例です。

交通量、天気、路面の状態、信号があちこちに存在するお蔭で注意を払っていることができるのです。

ルーティンをほんの少し変えることでルーティンに対する意識を高めることができ、繰り返し行う物事の退屈さが和らいでいきます。

そのため、ほんのわずかでも意識的にルーティンを変えるという行動をとると良いでしょう。

例えば、毎朝ヒゲを剃る際に違った場所から剃り始めたり、掃除機をかける際に別の場所からかけるなどを試してみてはいかがでしょうか。

パンを一切れ食べる

食事をしている際に習慣に意識を向けるのは大切なことです。パンを一切れゆっくり意識して食べ、自分の習慣に注目してみましょう。

その際、最もヘルシーなパンを見つけることをお勧めします。

可能であれば、精製された小麦粉、特に精製糖は使わないパンでエクササイズを行います(私の自宅では全粒粉、水、塩で作った全粒の天然酵母パンを一切れ使っています)。

次に紹介する9つのステップを行ってみましょう。

1ステップを順番に行います。どなたかに次のステップへ進む指示をもらいながら進めます。

指示がない限り、先に進んだりステップを組み合わせないようにしてください。

①9回で食べられるようにパン(焼いてあるものが好ましい)を9つに分けます。一切れを何もつけずにそのまま普通に食べましょう。「普通」の基準はお任せします。

②2つめは、何回噛んだかを数え、意識的にパンと唾液を混ぜます。1つめと味が違うかを感じてみます。

③3つめも回数を数え、パンを味わいます(以後、毎回できるだけ多く噛み、できれば回数を数えましょう)。

④4つめを食べる際、自分の座り方を観察してみましょう。椅子、床、姿勢、足、手などを意識します。

⑤5つめを食べる際、手は膝の上でリラックスさせ、足は床に平行に据え、背骨は真っ直ぐにして目を閉じ、呼吸を整えるなど健康的な姿勢を意識しましょう。

自分が落ち着けるように必要な調整をします。

⑥6つめは噛み方に注目しましょう(ゆっくり、あるいは素早く噛んでいるのかなど)。

⑦7つめは噛むスピードを変えてみます。⑥でゆっくり噛んでいた場合は早め、早く噛んでいた場合はゆっくり噛んで違いに注目してみましょう。

⑧8つめは、⑦で行なった噛む速度を維持します。ゆっくりと噛めば心が落ち着き、早く噛むとやる気が出てくるようですが、果たしてどうでしょうか?

⑨最後の9つめは意識的にパンを唾液と絡ませ、姿勢を整え、好みの速度で噛むというこれまでのステップを合わせながらリラックスします。

無理なく呼吸し、最後の一切れを味わい、このエクササイズから得られた新しい情報に感謝し微笑みましょう。

このエクササイズを食事中にしたくない方もいると思います。

食事の際にする場合、エクササイズを先に行った後に、通常の食事に戻りましょう。適切な効果を得るために、一人で行うか、複数人で同じようにエクササイズをしましょう。

自分がしていることに意識を完全に向けるため、座って静かに行います。

習慣は力強く、あらゆる状況において役に立つ価値ある「道具」です。

自分の意識を高めるためにこの食事エクササイズを活用し、食べるという芸術活動の新たな次元に意識を向けてみましょう。

習慣の変化は直感を磨くチャンスとなるのです。

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月刊マクロビオティック 2017年9月号より

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Julia Ferré

北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。

GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。

新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。

HP:www.JuliaFerre.com

foodandintuition-jp.jimdo.com