病氣の防止、健康の増進には正しい食物の選択が重要 

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森下敬一 健康談話 より

━■健康談話■━

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月刊誌「森下自然医学」掲載
「温故知新」から引用

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間違いなく、食が血となり、血が細胞に変っていっている。

だから、病氣の防止にも、健康の増進にも、長寿の実現にも一番重要なことは、「正しく食物を選択する」ことである。

その正しい食物とは何か。

それは、人間本来の食性である穀菜食の原則にかなった食物のことだ。

この絶対性から足を踏みはずさないことが大切で、さらに原則に沿ってより効果的な食物の摂り方ができれば、さらに望ましい。

前者は食事パターンを正すということであり、後者は薬効食品を活用することである。

日本人にとって最も理想的な食事パターンは、玄米・菜食である。

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玄米を主食とし、野菜、海藻、小魚貝を副食とするのである。 

白米は、代謝に不可欠な有効成分のほとんどを失ってしまっている欠陥食品だから、こんなものを常食していると遅かれ早かれ障害がおこる。

また、穀菜食の範囲からはずれる動蛋食品は、腸内で腐敗発酵をおこす。

その結果、大量の毒素を発生させて血液を酸毒化させ、いろいろな病氣を引きおこす。

そして、穀菜食の範囲内の食品には、それぞれの薬効がある。

だから、体質や病状に合わせて利用すれば、病氣の予防や治療がより効果的にできる。食物を正しく選んで利用することが何よりも重要なのである。

だが現代人としてのわれわれに負わされた一つの不幸がある。

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環境全般が公害化して、食物の質が全体的におちてきているのである。そのため玄米・菜食だけでは、昔ほどの効果が得られないことだ。

その弱点を補ってくれるのが健康食品なのである

健康食品は、急速に整腸・浄血ができるので、体質改善は著しく促進される。

ただしその際、氣をつけるべきことがある。一つは食事パターンを正し、薬効食品をフルに活用することと合せて、健康食品を用いること。

もう一つは質のよい健康食品を、体質に合わせて活用することである。

この点を守ってこそ、最も効率よく、経済的に、真の健康体を得ることができるのである。

そこで、慢性病の早期治療をはかる上で特に次にあげる健康食品は、その薬効を再認識して、上手に活用してもらいたいものである。

◆特に活用したい健康食品

【胚芽】

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胚芽は米および麦の発芽部位で、多彩な有効成分が集約的に含まれている。

その主な有効成分は、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸などのビタミンB群、プロビタミンC、ビタミンEなどがあり、ことにビタミンEは疲労回復、性機能増進に役立つ。

その他、不飽和脂肪酸であるリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸が含まれる。

これらは別名ビタミンF(現在は必須脂肪酸)とも呼ばれ、細胞膜の構成成分として不可欠である。

胚芽の薬効としては、主に次のような事柄が期待される。

・肉食過剰などによる血漿蛋白過多や高血糖、高血圧を減少させ、正常値に回復させる。

・胃腸機能の低下による便秘や腸内腐敗を防ぐ。

・血管・心臓病そして脚氣、自律神経失調症、ノイローゼの快癒にめざましい効果をあらわす。

・強肝、解毒作用で基礎体力強化、美肌づくりに有効。

・思考力や記憶力の低下を防止。

・貧血、痔、不妊症の解消。

・肥満防止。

・公害物質の排泄を促進する。

・発ガンを防止し、ガンの治癒を促す。

・骨の異常防止。

【葉緑素】

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葉緑素は肉食過多などによる血液の酸毒化を解消して、各臓器に好影響をもたらす。

それというのも、自然態の葉緑素には、緑の色素(クロロフィル)だけでなく、各種のビタミン、ミネラルを含んでいるからだ。

葉緑素のフィトールとビタミンAおよびビタミンK(抗出血性ビタミン)はかなり類似しており、ビタミンCであるアスコルビン酸(抗壊血病性ビタミン)は葉緑素の光合成によって生成される6炭糖から作られる。

葉緑素の中心金属であるマグネシウムがコバルトに変換されるとビタミンB12(増血ビタミン)になる。

またマグネシウムが鉄になるとヘムとなり、ヘモグロビン(ヒトの赤血球中の血色素)はこれとタンパクが結合したものである。

したがって葉緑素は腸造血の素材としてとくに意義の大きいものだ。

その他、葉緑素には次のような生理作用がある。

・糖質や蛋白、水分代謝を高める。

・すべての体細胞に活力を与え、また腸、肝臓、腎臓、心臓の働きを正常化
 させ、疲労を回復する。

・抗アレルギー作用や創傷の肉芽形成を促進し、創傷面を乾燥させて治りを
 早くする。

・タバコのニコチン、酒による二日酔いの起因物質などを無毒化する。

【酵素】

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健康状態は腸内細菌の性状に左右される。

その腸内細菌の性状を健全にする上で、酵素ほどめざましい効果をあらわすものはない。

白米、白砂糖、肉などの不自然食品を常食している現代人の腸内では有用細菌が影をひそめ、雑菌、腐敗菌がふえてきている。

これが健康失墜の元凶だ。

直ちに酵素を活用して、整腸をはかり腸内の健全な常在細菌を繁殖させることが必要である。

とくに腸内の腐敗をおこす肉食にとって、酵素は不可欠である。

酵素の薬効を要約すると次のとおりである。

・腸機能を健全にし血液を浄血するので、すべての臓器の機能を正常化する。

・特に肉食性ガン、糖尿病、高血圧、脳溢血、心筋梗塞などに有効。

これらは肝臓、腎臓、血液などの酵素不足が主要因になっているからだ。

活性の高い酵素は酵素成分がストレートに吸収されて、臓器組織の酵素活性を高める効果も大いに期待できる。

【ミネラル】

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ミネラルとは生体内無機塩類の栄養学上の呼び名である。

ミネラルは生体の構成成分であり、体液の緩衝作用(血液の恒常性を保つ)、浸透度の維持などの重要な生理作用や、筋肉の強さや神経の刺激反応の賦活作用がある。

このように多様な生理作用をもつミネラルが、日本人には著しく不足しているため、スタミナ不足や無氣力、慢性病になりやすい。

特に、肝臓病、腎臓病、糖尿病およびガンと、ミネラル不足は密接な関係がある。

ミネラル欠乏食品の代表は、精白食品および食品添加物入りの加工食品(インスタント食品など)。

したがってこれらの食品は極力避けるとともに、各種ミネラルが効率よく補給できる総合ミネラル食品を活用することが大事だ。

総合ミネラル食品では、特に次のような生理作用が期待できる。

・腸内異常発酵を防止する。そのため便秘、皮膚病、肥満、動脈硬化、高血
 圧症、自律神経失調症、ノイローゼの解消に卓効をあらわす。

・思考力、判断力の低下を防ぐ。

その他の健康食品としては、

●高麗人参

代謝全般を正常化する作用があるので、きわめて広範な薬効をあらわすが、特にめざましいのは、強肝作用、抗ストレス作用、そして強壮・強精作用である。

●ローヤルゼリー

内分泌機能を正常化する効果が特に著しく、そのため女性には特効的な作用を及ぼし、子宮ガン、乳ガンの治療に卓効をあらわす。 

花粉 含有される有効成分は多彩で、体内ではそれらが総合的に働いて、花粉特有の薬効をあらわす。

前回の記事はこちらから↓

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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