【歯の役割】野菜と肉と穀物は2対1対5の割合でとればよい 

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森下敬一 健康談話 より

━■健康談話■━

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月刊誌「森下自然医学」掲載
「温故知新」から引用

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風化されにくい無機成分

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歯は生物の身体の中で、最も硬い組織からできている。

歯の無機成分は、骨のそれよりも多く、きわめて風化されにくい。

したがって、化石として残ることが多く、シナントロプス(北京原人)の発見のきっかけとなったのも歯の化石であり、日本各地から出土されるナウマン象の化石も、その多くが歯である。

白骨化した死体に残った歯によって死人の身元が割り出され、あわや迷宮入りかと思われていた事件が一見落着ということになる例も少なくない。

年齢や性別の判定は簡単にできるし、歯並びやすりへり方、手入れの仕方などから育ちや生活の程度まで見当がつくという。

それどころか歯には、その時々の全身の新陳代謝の状況まで的確に刻みつけられているのである。

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人間の歯は、普通永久歯で32本あり、その配列は、門歯8本、犬歯4本、小臼歯8本、大臼歯12本となっている。

エナメル質は歯冠の表面を覆うもので、歯は人体の中で最も硬いものだが、その中でも一番硬い組織である。

この組織には感覚末梢器官がないため、外界からの刺激には反応せず、また再生能力をもたない。

セメント質は、歯頸から歯根の尖端までの表面をおおう組織である。歯根の下方はセメント細胞を含んでおり、セメント質は再生が可能である。

象牙質は歯の本体ともいえる部分で、中心部は腔所(歯髄腔)になっていて、その歯髄腔には歯髄が入っている。

象牙質からは、歯髄の中に象牙芽細胞の突起(歯繊維)が侵入している。

象牙質に必要な栄養分は、その繊維の中を通っている象牙細管(血管)によって供給される。

歯髄にはもちろん、歯の根の尖端(根尖孔)を通って来る動脈によって、血液が送られ
ている。

歯の型は食性をあらわす

その動物が何を常食して生きているかは、歯の形をみればすぐわかる。

しかしすべての動物に歯があるわけではない。正式な歯をもつのは脊椎動物だけである。

脊椎動物は下等なものからあげると、魚類、両棲類、爬虫類、鳥類、哺乳類とに分けられる。歯は魚類において初めて発生した器官である。

魚類より高等な鳥の殆ど全てと、両棲類、爬虫類のあるものには歯のない種類があるが、これらはその進化の過程において歯が退化してしまったものである。

その証拠に始祖鳥には立派に歯がついているし、歯をもたない種類のクジラも、胎生期のある時期にはちゃんと歯をもつのである。

歯の型が食性をあらわしているのは、歯が元来、消化作用の補助用具として発生したものだからである。

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草食性動物の歯…

歯冠の上面がすりへり、臼形の歯が殆ど同じ大きさでぎっしりと並んでいる。

肉食性動物の歯…

すべての歯が鋭く尖っている。犬歯が非常によく発達している。これは獲物を倒すために必要だからである。

雑食性動物の歯…

草食性と肉食性のちょうど中間の形をしている。臼歯の上面には突起があるが、肉食性の歯のようには尖っていない。

さて、われわれ人間のもつ歯の役割について考えてみよう。

まず、門歯は葉歯ともいい、植物の繊維を噛み切るための歯である。犬歯は肉歯ともいい、肉を噛み裂くための歯である。

臼歯は穀歯であって、穀物をすりつぶすための歯だ。

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また、それぞれの歯の数は、食物摂取量の割合を示しているのである。

即ち、永久歯の数32本のうち菜歯は8本だから全食事量の32分の8にするのが望ましい。つまり野菜は8/32。同様にし肉は4/32、穀物は20/32となる。

結局、野菜と肉と穀物は2対1対5の割合でとればよいということになる。

この場合の肉は、小魚、小エビ、貝類などをさすものと考えてよい。

現代人の殆どは半健康状態で、多くの人が成人病、慢性病に悩まされている。その最大の原因は、この歯が教えてくれる正しい食事法を守っていないことになる。

特に問題となるのは、肉食の過剰だ。人間の生理に反した食生活が健康を害するのは当然の結果であろう。

今、現代人の歯に一大変異がおこりつつある。

歯が退化し始めているのである。

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咀嚼を十分に行なって消化器官の負担を軽くすることは、脳の発達を促す上で不可欠だった。体内に流れる血液の量は一定である。

少しでも脳への血流を多くするにはどこかで合理化をはかり、血液の節約をしなければならない。幸い、消化器系にはその余地があったわけだ。

ところが現代ではそれがエスカレートし、人々は食物の繊維を庖丁で切って細かくし、火で柔らかく煮たり焼いたりして食べるというふうに、調理することを覚えた。

その結果、あまり咀嚼する必要がなくなり、歯の出番が減ってしまった。身体は、使わないでいれば退化するのが鉄則だ。

この傾向が極度に進行すると、ついに歯は無用の長物となり、消失してしまうのではないだろうか。

それはともかく、他の哺乳類では歯は何度もはえ変わるのに、人間は一度だけである。

大昔には38本はあったと思われる人間の歯も、現在では32本に減ってしまった。

最近では、一番奥にはえる知歯(親知らず)のはえてこない人も多くなってきているが、アフリカの原住民には100パーセント、この親知らずが生えるという。

続きはこちらから→ 歯質の悪化の原因と対策 

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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